2022.08.15
不動産の売却
不動産売却が上手く進むかは売却の流れ次第?流れの基本からコツまで徹底解説!!
不動産を売却するときには、不動産仲介会社への売却活動依頼や不動産売買契約などさまざまな手続きを行う必要があります。
この不動産売却に必要な手続きをスムーズに行うためには、事前の準備が大切です。
不動産売却は不動産仲介会社へ売却活動を依頼するところから始まると思っている人も多いことでしょう。
しかし、本当に大切なのは不動産仲介会社へ売却活動を依頼する前の準備です。
本記事では、不動産売却の流れの基本や不動産売却で最も大切な準備やその準備のコツ、不動産を売却するときに注意しなければならないことなどを解説していきます。
不動産売却の基本的な流れ
不動産には、土地、一戸建て、マンションなどがありますが、不動産を売却するときの基本的な流れはどの不動産の種別も同じです。
土地や一戸建ての場合は、土地の面積を確定する測量作業があったり、マンションの場合は管理組合などに提出する書類が増えたりと作業が増えるだけです。
ここで紹介するのは、すべての不動産売却に共通する流れになります。
不動産売却活動を不動産仲介会社に依頼する前の準備
不動産売却の流れは、不動産仲介会社に売却活動を依頼する前から始まります。
不動産仲介会社に売却活動を依頼する前にしておくべきことは、次のとおりです。
・売却する不動産の相場を自分自身で調査する
・売却活動を依頼する候補になっている不動産仲介会社の内容の確認
・不動産売却の流れの把握
この準備には1週間ほどかけて念入りに準備しておくことをおすすめします。
不動産売却活動依頼から不動産売買契約までの流れ
不動産売却活動依頼をする契約のことを媒介契約と呼びます。
この媒介契約から不動産売買契約を買主と締結するまでの流れを紹介します。
不動産仲介会社と媒介契約を締結(不動産売却活動の依頼)
↓
不動産購入検討者が建物の内覧や土地の現地確認
↓
買主から不動産購入申込書が入る
↓(買主が住宅ローンを利用する場合、ここで住宅ローンの事前審査を行う)
買主の購入条件を検討
↓
買主の購入条件に納得できれば不動産売買契約の締結
不動産仲介会社に売却活動の依頼をしてから不動産売買契約締結までは、おおよそ3ヶ月から6ヶ月かかります。
不動産売却は不動産買取で進めない限り、そんなに早くは売却できないため、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと良いでしょう。
不動産売買契約から引渡しまでの流れ
買主の購入条件が売主の希望と合致したら不動産売買契約を締結します。
ここからは不動産売買契約締結から不動産の引渡しまでの流れを紹介します。
買主と不動産売買契約締結
↓(買主が住宅ローンを利用する場合、ここで住宅ローンの本申込を行う)
引越し作業や解体作業、荷物の撤去がある場合はここで各作業を行う(買主の住宅ローンの本審査が通過したら各作業を開始)
↓
不動産の引渡し
不動産売買契約締結から不動産の引渡しまで短ければ2週間ほど、測量などがあったり引越しに時間がかかったりする場合は3ヶ月くらい必要になる場合があります。
どのくらいの期間がかかるのかは各不動産の種別や買主と売主の状況によります。
不動産売却をスムーズに進めるための準備が重要
不動産売却は相場の把握と信頼できる不動産仲介会社選びが不動産売却を成功させるのかどうかの鍵となります。
そして、成功するかどうかは不動産仲介会社に売却活動依頼をする前の準備にかかっています。
ここからは、不動産売却の流れをスムーズにする方法を解説していきます。
不動産相場を把握する理由
一番初めに行うのは、売却する不動産の相場を自分自身で調べることです。
相場を把握せず売りに出してしまうと、売却活動が長期にわたってしまったり、高値で売りにだしたことが原因で結局相場より安く売却する羽目になる可能性があるからです。
不動産売却は長期にわたると買主より大幅な値段交渉を受けるケースが増えます。
買主は不動産情報をよく見ており、長年売却している不動産を把握しており、売れ残り物件だからと言って大幅な交渉を入れてくることがあります。
売主も長期にわたり売却をして疲れてしまい、結局大幅な値段交渉を受けてしまうということが起こります。
また、不動産仲介会社が適正な査定額を提示してくれるとは限らず、わざと高値査定をして売却活動の依頼を受けようとしてくる会社があります。
このような不動産仲介会社の姿勢を見抜くためには、あらかじめ相場を把握する必要があるわけです。
不動産相場を把握する方法やコツ
不動産相場を把握するには、国土交通省が指定する機関が運営している『REINS Market Information』と国土交通省が運営している『土地総合情報システム』を利用します。
REINS Market Information
REINS Market Informationでは、マンションと一戸建ての成約価格と成約した不動産情報の一部を確認することができます。
売却を予定している不動産に近い地域、近い築年数、近い面積の成約不動産をピックアップして比較します。
比較対象が少ないと参考にならないため、なるべく多くの成約した不動産を比較するようにしましょう。
比較対象する成約不動産自体の特殊性が高く、相場での成約でないケースを排除することが大切です。
土地総合情報システム
土地総合情報システムでは、マンション、一戸建て、土地と一般的に取り引きされる不動産から山林や農地などの不動産種別まで調査することができます。
ただし、こちらは不動産売買した人へ送付したアンケート調査の結果をまとめたサイトになるため、REINS Market Informationのほうが信用性が高いかもしれません。
また、土地総合情報システムでは、公示価格や都道府県地価調査を確認することができるため、公示価格や都道府県地価調査を参考にするのもおすすめです。
不動産売却活動を依頼する不動産仲介会社の選び方
不動産の売却活動をしてくれる不動産仲介会社は自分の代理として売却活動をするため、信頼できる会社に売却活動を頼まなければなりません。
また、不動産仲介会社によって土地に強い、マンションに強いなどの特色もあるため、依頼する不動産仲介会社の強みを知っておくことが必要になります。
不動産取引にはさまざまな知識が必要で、不得意分野の不動産売却を上手く進めることができない会社もあります。
不動産仲介会社の調べ方は、その会社のホームページで会社としての強みや、担当者の内容などを確認します。
その他、その会社に対しての口コミや評判を調べることによっても内容が分かってきます。
不動産仲介会社の自社ホームページや口コミなどを確認し、売却しようとしている不動産をスムーズに売却してくれそうな会社を選んでいきます。
不動産売却活動依頼から不動産売買契約までの間で重要なこと
不動産売却活動を依頼してから不動産売買契約までで重要なことは、売却活動の依頼方法の把握と、不動産購入検討者の内覧時の対応です。
それぞれの内容を紹介していきます。
不動産売却活動の依頼方法
不動産売却活動を不動産仲介会社に依頼するときには、媒介契約という契約を締結します。
この媒介契約には種類があり、その種類ごとに内容が異なります。
媒介契約の種類は『専属専任媒介契約』『専任媒介契約』『一般媒介契約』の3種類です。
この各契約の内容の違いを表にまとめてみました。
媒介契約内容の違い
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
不動産会社への 依頼可能数 |
1社 | 1社 | 何社でも可能 |
媒介契約期間 | 3ヶ月間 | 3ヶ月間 | 期間の定め無し |
売却活動報告頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | なし |
レインズへの 登録日数(※) |
媒介契約を締結してから 5営業日以内 |
媒介契約を締結してから 7営業日以内 |
なし |
自己発見取引の可否 | × | ○ | ○ |
専属専任媒介契約と専任媒介契約の内容は似ており、大きな違いは自己発見取引ができるかどうかです。
自己発見取引とは、自分で見つけてきた買主とは不動産仲介会社を通さずに不動産売買契約をすることです。
また、専属専任媒介契約・専任媒介契約と一般媒介契約との違いは、不動産仲介会社何社に売却活動の依頼ができるのか、売却活動報告があるのか、レインズに登録する義務はあるのかです。
レインズとは国土交通省が指定する機関が運営する不動産情報サイトのことであり、レインズは全国の不動産会社だけが見ることができます。
一般媒介契約は、複数社に依頼できますが、不動産仲介会社に報告義務もなく、レインズの登録義務もないため、不動産売却活動に手を抜かれる危険性があります。
不動産購入検討者の内覧時における注意点
不動産購入検討者が不動産の内覧を行ったときの印象は、不動産購入の判断に直結します。
そのため、住宅などの不動産内部をいかによく見せるかが鍵になります。
不動産購入検討者が住宅内部を内覧する場合には、室内を整理整頓しておく、窓を開け室内を明るく見せる、暗い場所は電気をつけておくなど不動産購入検討者に配慮することが大切です。
住宅内部があまりにも汚いと感じるときには、ハウスクリーニングしたり対策をしておきましょう。
また、土地の場合は土地全体が見渡せるよう草刈りをする、残置物は撤去しておくなどしておきます。
不動産購入検討者にいいイメージを持ってもらい、不動産購入の話が前向きに進むようにしておきます。
不動産売買契約から引渡しまでの注意点
買主が見つかると不動産売買契約に移っていきます。
そして、不動産売買契約が終わると、引渡しの準備に入ります。
不動産売買契約時に、注意しなければならないのが契約する内容を正確に把握すること、引渡しのスケジュール管理をしっかりと行うことが重要になります。
ここからは、売買契約時の注意点と引渡しの注意点を紹介していきます。
不動産売買契約時に注意すべきこと
不動産売買契約では、売主と買主との取り決めをします。
この取り決めは条文という形で不動産売買契約書に盛り込まれます。
しかし、この条文は法律用語や法律的な言い回しで記載されているため、条文を理解するのに一苦労します。
そのため、買主が見つかってから売買契約を締結する前までに、売買契約書のひな型を不動産仲介会社から取り寄せて事前に内容を確認することをおすすめします。
一生に一度くらいしかない高価な物を売却するのにも関わらず、内容が不透明なまま契約を進めていくというのは非常に危険です。
特に、売買契約がどのような状態になったら解約できるのか、建物や設備の不具合が出てきた場合の対処法、金銭の支払い時期などについては念入りに確認しておきましょう。
引渡しまでに注意すべきこと
引渡しまでにすることについては、ほとんどの手続きを不動産仲介会社が代行してくれたりするため、売主が行うことは多くありません。
自宅を売却するときには引越し作業、住んでいない場合は荷物の撤去や建物解体をするなど一部の作業しかありません。
各作業のタイミングは不動産仲介会社からの指示のまま、行えば問題なく進みます。
念のため、いつまでに何をやらないといけないのかをスケジュール管理しておくと良いでしょう。
まとめ
不動産売却の流れは、不動産売却活動を依頼する前段階から始まります。
そして、売却活動を不動産仲介会社へ依頼する前の準備が最も大切なことになります。
不動産売却前の準備がしっかりとできているかどうかにより、不動産売却が上手く行くかどうかを決めてしまう可能性があります。
もし、相場より高い値段で不動産売却活動に入ってしまうと、長期間にわたり不動産売却活動を続けないとならなくなります。
長期間売却活動をしていると売れ残り物件というレッテルを貼られてしまうため、高値で売り出していたのにも関わらず、結局大幅な値段交渉をされて相場より安く売却することになったという事態も発生します。
適正な売却価格で売却活動に入ることにより、短期間での売却や、値段交渉が入らずに売却ができる可能性が高まります。
そのため、不動産売却の準備をしっかりと行っておくことにより、売却活動開始以降の流れがスムーズに進んでいきます。
適正な売却価格を把握し、信頼の置ける不動産仲介会社選びを行い、スムーズで満足のいく不動産売却を行っていきましょう。