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2022.08.23

不動産の売却

建売住宅って売却しやすい?それとも売却しにくい?そんな疑問を解決します!

建売住宅は注文住宅とは違い、すでに設計され間取りや設備が決まった建物です。
その建物と土地をセットにして比較的お値打ちに購入することができます。

このような特徴のある建売住宅ですが、購入後、売却するときには売却しやすい不動産なのでしょうか。
それとも売却がしづらい不動産なのでしょうか。

本記事では、そのような疑問に応えるため、建売住宅と注文住宅の違い、建売住宅の売りやすい面、売りづらい面などを解説していきます。

そもそも建売住宅とは

建売住宅とは、土地と住宅(未完成のものも含む)がセットで販売している住宅です。
似た言葉で分譲住宅というものがありますが、厳密に言うと建売住宅とは異なります。

分譲住宅とは、土地を造成するなど大規模開発を行い、1つの街をつくる際に土地と住宅をセットにして販売する住宅です。
そのため、分譲住宅は建売住宅の1種ということです。

また、その他には注文住宅という住宅があります。
注文住宅とは、土地と住宅はセットになっておらず、自身の決めた間取りや設備、外観にすることが可能な住宅です。

この建売住宅と注文住宅は内容が大きく異なり、特徴もそれぞれの住宅により違います。
ここからは建売住宅と注文住宅の特徴を紹介していきます。

建売住宅の特徴

建売住宅の特徴は、次のとおりです。

・住宅と土地をセットで販売している
・購入者が建物を設計することはできず建売販売業者が設計した建物になる
・建売住宅はその他の建売住宅と間取りや設備が似通っている
・同じような設備や建材を利用するため安価で住宅が購入できる
・ライフラインなどが整備された状態で購入することができる
・引渡しが早く建物が未完成だとしても竣工まで時間がかからない
・建物のメンテナンスを比較的多くしなければならない

建売住宅の特徴を総合すると、住宅と土地がセットになったものが比較的安価に購入することができる、万人受けする間取になっているため誰でも利用しやすい、必要最低限の仕様になっているためメンテナンスコストがかかるというような内容となります。

設備や建材を大量に発注してコストダウンを図っているため、安価で購入することはできますが、必要最低限の建材を利用して建物を建築することにより建物メンテナンス回数は増えてしまいます。
初期投資は抑えられるが、ランニングコストが高くなるのが建売住宅です。

なお、建売住宅は安価だから建て方が心配という声を聞きます。
しかし、建築方法については建築基準法の必要最低限の方法を守っており、1981年6月以降の築年数であれば震度5強程度の地震では軽微な損傷で済み、震度6強から7の大規模地震が発生しても倒壊は免れるという建築方法で建築します。

注文住宅の特徴

注文住宅の特徴は、次のとおりです。

・住宅と建物はセットになっていないため別途土地を購入する必要がある
・建物は購入者(施主)が間取や内装、設備を決める
・施主により建物が変わるため同じような建物があまりない
・建材や設備にこだわることができる反面建築コストが高い
・ライフラインや土地造成費用が別途必要
・建物の設計打ち合わせから建物完成まで1年など時間がかかる
・建物のメンテナンスをほとんどしなくても良い住宅がある

注文住宅の特徴を総合すると、住宅の内容を施主が法律の範囲内で自由に決めることができる、設備や間取りにこだわることができる反面建築コストが高い、完成まで時間がかかるという内容になります。

自分の好きな住宅が建築できるのが注文住宅です。
自分の趣味に合わせた間取りを設計したり、建材をグレードアップしたりと理想の住まいを手に入れることができます。
しかし、建売住宅のように設備や建材を大量発注することがないため、建築コストが高くなります。

また、建築コストは高くなりますがそのぶん良い素材の建材を利用するため、建物メンテナンス回数を抑えることができます。
初期投資は高いがランニングコストが低くなるのが注文住宅です。

建売住宅には売却しやすい面と売却しづらい面がある

建売住宅と注文住宅の特徴を紹介しましたが、建売住宅の特徴ははっきりしています。
そのため、この建売住宅の特徴が売却しやすくなることと、売却しづらくしてしまうことを生んでしまいます。
ここからは、建売住宅の売却しやすい面と、売却しづらい面を紹介していきます。

建売住宅が売却しやすいところ

建売住宅が売却しやすいところは、次のとおりです。

・一般的な間取りのため万人受けしやすい
・土地と建物をセットで購入したため比較的売却価格もお手頃な値段になる
・地域の特性にあった建築方法が採られている

これらの項目をそれぞれ解説していきます。

一般的な間取りのため万人受けしやすい

建売住宅は購入者の間口を広げるために、万人受けしやすい間取りで設計されています。
万人受けする設計をすることで購入者の数が絶対的に多くなるため、建売住宅が販売しやすくなります。

建売の間取りはだいたい4LDKか3LDK+納戸を採用しており、ファミリーでも夫婦2人でも暮らしやすい間取りになっています。
また、水回りも基本的には1階にあり、2階に寝室を設け使い勝手のよさが考慮されています。

例えば水回りが2階にあると、歳を重ねてきた人には使いづらかったり、深夜帯に帰って来る人が深夜に水回りを利用し騒音が発生するというようなことを引き起こします。

土地と建物をセットで購入したため比較的売却価格もお手頃な値段になる

建売住宅は販売価格が比較的安価なため、売却するときもお手頃な価格で売却活動をしていくことになります。
そのため、不動産購入検討者からしてみれば、安く住宅と土地がセットになった不動産を購入できるチャンスとなります。このことから価格面で建売住宅は売却しやすい不動産と言えます。

初期投資が高い注文住宅を売りに出す場合は、注文住宅に付いている住宅ローンが多すぎて不動産相場より高い金額でしか売りに出せない可能性があります。

なぜかというと住宅や建物に担保として付けたローン残額より高く売る必要があるからです。
不動産の売却金額でローン残額を返済しなければ、お金を貸した金融機関が売却に同意してくれません。

地域の特性にあった建築方法が採られている

建売住宅は間取りのほか、地域に合った建築方法を採用して設計されています。
例えば、郊外の建売住宅には駐車場が2台確保されていたり、土地の面積が都心部より広かったりします。

不動産は地域によって購入者の購入希望条件が変わるため、この条件に合わせているのです。
このような設計がしてあることにより、不動産購入検討者に検討される可能性が高まります。

建売住宅が売却しづらいところ

建売住宅が売却しづらいところは、次のとおりです。

・間取りが一般的なためこだわりがある人などには向いていない
・建物が古くなるとメンテナンスが発生する
・競合が多い

これらの項目をそれぞれ解説していきます。

間取りが一般的なためこだわりがある人などには向いていない

建売住宅は万人受けする作りをしているため、特徴的な使い方ができないというデメリットを持ち合わせています。

例えば、6人などの大家族が住宅を探している場合、建売住宅では部屋数や住宅の床面積が小さく検討することができません。また、トラックなどを自宅に止めなければならない人なども建売住宅を検討することは難しいでしょう。

このように万人受けして購入者数を広げる反面、購入できないような検討者も作ってしまいます。

建物が古くなるとメンテナンスが発生する

建売住宅は築年数を重ねると、外壁のメンテナンスや屋根のメンテナンスが発生します。
そのため、築年数を重ねた建売住宅を購入すると、購入してすぐにメンテナンスをしなければならないということが起きます。
このような状態になると不動産購入検討者から値段の交渉を受けてしまったり、売主がメンテナンスをしたうえで売りに出すなどしなくてはならなくなったりします。

どちらにしても費用が発生することなので、売却がしづらくなってしまいます。

また、メンテナンスをしっかりと行っていない場合、外装などの汚れが目立つようになり、せっかく見に来てくれた不動産購入検討者の心象も悪くなってしまいます。
雰囲気が悪くなってくると不動産売却期間の長期化や、価格の低下を招くこともあります。

競合が多い

一般的な間取りの住宅は供給戸数が多いため、競合として同時に売りに出されることが多く、価格帯勝負になってしまうことがあります。
特徴に差を付けることが難しく、価格で特徴を出すことになってしまいます。

建売住宅を売却するときの流れ

建売住宅を売却する場合は通常の一戸建てと同じ流れで売却しますが、建売住宅はすでに境界確定が完了しているため、境界確定の手続きを取る必要はありません。(ただし、境界標が取れてしまったという場合は、確定測量ではなく杭の復元という作業を土地家屋調査士に依頼する必要があります。)

建売住宅には、マンションのように管理組合との関係もないため、売却するための手続きが簡単な不動産です。

売却する不動産がいくらくらいで売れそうか調査する

不動産仲介会社に売却活動を依頼する前に、売却する建売住宅がいくらくらいで売却出来そうか目安を調べます。
調べる方法は、国土交通省が指定する機関が運営する『REINS Market Information』、国土交通省が運営する『土地総合情報システム』などを参考にするのが良いでしょう。

あらかじめ売却できる金額の目安を知っておくことにより、高値査定をしてくる不動産仲介会社に売却活動依頼をすることを避けることができます。高値査定をしてくる不動産仲介会社は、ただ仕事を受けたいために高値を提示してくるため気を付けなければなりません。

不動産仲介会社に売却活動の依頼をする

信頼の置ける不動産仲介会社が見つかったときには、不動産仲介会社へ売却活動依頼をします。
この売却活動依頼をするときには、不動産仲介会社と媒介契約を締結します。

媒介契約には『専属専任媒介契約』『専任媒介契約』『一般媒介契約』の3つの形式があるため、あらかじめどの形式で依頼するのかを決めておきましょう。

媒介契約内容の違い

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
不動産会社への
依頼可能数
1社 1社 何社でも可能
媒介契約期間 3ヶ月間 3ヶ月間 期間の定め無し
売却活動報告頻度 1週間に1回以上 2週間に1回以上 なし
レインズへの
登録日数
媒介契約を締結してから
5営業日以内
媒介契約を締結してから
7営業日以内
なし
自己発見取引の可否 ×

 

不動産購入検討者が建物の内覧を行う

不動産仲介会社と媒介契約を締結すると、不動産仲介会社が売却活動を開始します。
チラシ広告やインターネット広告を行ったり、不動産仲介会社が持っている既存顧客への紹介などを行ったりします。
広告や紹介で反響があると、不動産購入検討者が売却活動をしている建売住宅を見にきます。

不動産購入検討者が見にくる時には、室内を整理整頓・清掃しておく、室内を明るく見せるためあらかじめ電気をつけておくなどしておきましょう。
不動産購入検討者は住宅の雰囲気も購入するかの判断材料にするため、こういった工夫をすることで購入意欲を高めるよう促します。

不動産売買契約を締結する

不動産購入検討者が建物を内覧した結果、購入を決めると不動産購入申込書を出してきます。
この不動産購入申込書の申込条件が、希望どおりであれば不動産売買契約を締結する日を決めていきます。

引渡しを行う

不動産売買契約締結が完了したら、引渡しのための準備を始めます。
建売住宅の引渡準備としては、引越し作業、住宅ローンの一括返済手続きなどがあります。
いつまでに引越しをしたらよいのか、いつまでに住宅ローンの一括返済の手続きをしたらよいのかは、不動産売買契約で決めた引渡し日を基準とします。

通常、いつまでに何をしたらよいのかは不動産仲介会社が教えてくれるため、不動産仲介会社の指示に従って手続きを進めていきましょう。

まとめ

建売住宅には売却しやすい面と売却しづらい面をあわせ持っていますが、売却しやすい不動産の種別に該当します。

万人受けしやすい間取りとなっていたり、地域の特性に合わせた建築方法、面積だったりするため買主を探すことがしやすくなります。
価格は抑えめで売り出すことにより、より一層買い手がつきやすい状態になると考えられます。

一方、注文住宅は建築する人の意向が強く入った住宅になるため、購入者を選んでしまうことや、建築価格が高かったことが原因で売り出しも高くなる傾向があり、スムーズに売却できない要素があります。

また、建売住宅は購入するときに確定測量が終わっているため、改めて確定測量をする必要がありません。
この作業がなくなるだけで費用が浮き、素早く引渡しを行うことも可能になります。

このように建売住宅は売却しやすい不動産の種別に該当するため、万が一の場合は売却を検討してみるとよいかもしれません。

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