2022.07.12
不動産の売却
不動産会社の選び方は?不動産売却で失敗しないための選び方を徹底解説
1.不動産会社の選び方は最重要
不動産売却において、どの不動産会社に依頼するか次第で売却金額に大きく差が出るケースは少なくありません。売買契約以外にも、業者独自のサービスや保証内容、営業力においても違いがあり、取引の満足度に直接影響する可能性もあります。そのため、満足のいく不動産売却を実現するには、依頼する不動産会社を慎重に選ぶ必要があるのです。
一括りに「不動産会社」といっても、得意とする分野は業者ごとにさまざまで、「賃貸」「売買」「管理」などがあります。不動産の売却を依頼する場合は、「売買」を得意とする不動産会社を探して依頼することで、それまでの取引実績・データを基に、希望に近い条件でスピーディーに売却することが可能になります。
2.不動産を売却する方法は2つ
不動産売却と聞いて多くの人がイメージするのは、不動産会社に依頼して売買契約を締結するという方法でしょう。しかし不動産会社のなかには、売主と買主との間に入って売買契約を締結するだけでなく、売却希望者からの直接の買取を行っている業者も存在します。
それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、希望条件に応じて選択するようにしましょう。
1)不動産会社に仲介を依頼する
不動産会社に仲介を依頼して売却するメリットは、市場価格で高く売れるという点にあります。
不動産仲介においては、不動産会社が不動産の売却を希望する人から依頼を受け、購入希望者を探して契約締結・引き渡しまでの手続きを一貫して行います。購入希望を探すときは、査定により算出された価格と、売主の希望を考慮します。そのため比較的高い価格で売却できる可能性が高いのです。
ただし、売却条件や不動産会社の営業力によっては、なかなか買い手が見つからない場合もあります。一般的には仲介を依頼してから成約までに、3ヶ月程度かかると言われているため、すぐに現金化したいという人には向きません。
2)不動産会社に買い取ってもらう
不動産会社に直接買い取ってもらうメリットは、現金化までのスピードが早いということです。
不動産買取の場合は、最短であれば数日、長くても1ヶ月程度で売却が決まります。不動産会社に仲介を依頼すると、不動産の条件によっては売れ残りのリスクがありますが、買取の場合は確実に売却できるため、すぐに現金化したいという人に向いています。また、不動産会社が仲介に入らないため、仲介手数料を支払う必要もありません。
一方デメリットは、買取価格が安くなる傾向にあるという点にあります。下取りの価格ということもあり、仲介を依頼した場合の7~8割程度で買い取られるのが一般的です。
3.大手不動産会社と地域密着型の不動産会社の違い
不動産会社には、全国展開している大手の不動産会社だけでなく、地元だけに店舗を構える地域密着型の不動産会社もあります。
1)大手の不動産会社
大手不動産会社に仲介を依頼する利点は「集客力の高さ」と「サービスの充実度」が挙げられます。
大手の不動産会社は資本力があるぶん、広告宣伝費を多くかけられます。テレビCMやインターネット広告により、離れたエリアの人の目にも触れる機会が多いため、売却できるチャンスが増えると言えます。
こうした認知度の高さは、不動産の購入を検討する一般の人にとって、大きな安心材料のひとつです。特に中古の戸建やマンションを購入する際、建物の老朽化や設備の故障、災害リスクなどの不安要素があります。その点、売却実績が多い大手の不動産会社であれば、安心して不動産を購入できるというイメージがあるため、高い集客力につながっているのです。
また、不動産売却のサポート以外にも、保証やサービスが充実しているという点も、大手不動産会社の魅力です。例えば古い建物を売却する場合、リフォームやハウスクリーニングを施したほうが高い価格で売却できたり、早く売却が決まったりします。大手の不動産会社は、こうしたハウスクリーニングや修繕・補修工事だけでなく、不動産に瑕疵(欠陥)があったときのために入る保険の取扱いをしている業者もあり、上手に活用することで不動産の早期売却につながります。
2)地域密着型の不動産会社
地域密着型の不動産会社の特徴は、「地域に対する精通度」と「親身な対応」です。
交通の便や住み心地を重視して不動産を探している人にとって、地域に精通している不動産会社からの情報はとても貴重です。地域密着型の不動産会社であれば、周辺の細かい交通事情や風土・風習、公共施設や商業施設についても詳しく知っているため、不動産自体の魅力とあわせて提案してもらえるという点は大きなメリットと言えます。
また、地域密着型の不動産会社の場合、営業担当者が1人で抱える案件が少ないという点も魅力です。大手不動産会社の場合は、営業マン1人がいくつもの案件を抱えていることがほとんど。そのため自身が依頼している不動産に対して、付きっきりのサポートを受けられないという側面があります。その点、地域密着型の不動産会社は依頼した不動産の売却に注力してもらえるだけでなく、担当者とのやり取りも多くなるため親密な関係を築けます。
不動産の売却には数ヶ月という期間が必要になるため、親身になって対応してくれる担当者のいる不動産会社は大きな助けになります。
4.不動産売却時の不動産会社の選び方
不動産売却の仲介を行っている不動産会社は多く存在するため、どのようにして選んだらいいか迷う人も多いでしょう。安心して任せられる不動産会社を見極めるには、以下の5つのポイントに着目します。
1)宅地建物取引業の免許の更新回数
2)売却実績(専門性や取扱エリアを確認)
3)提供サービスの充実度を確認
4)ネットで口コミや評判を確認
5)行政処分歴の有無を確認
1つずつ詳しく解説します。
1)宅地建物取引業免許の更新回数
できるだけ売却実績が多く経験豊富な不動産会社に依頼したい場合は、宅地建物取引業免許の更新回数をチェックしましょう。
不動産会社は売買を行う場合、宅地建物取引業の免許を取得する必要があり、免許番号が各社のホームページなどに記載されています。
「国土交通大臣免許(2)〇〇〇〇号」
「東京都知事免許(5)〇〇〇〇号」
といった形で表示され、( )の中の数字が更新回数です。数字が大きいほど更新回数が多い=宅地建物取引業者としての営業年数が長いということになります。
ただし、更新回数が多いほうがいい・少ない業者は優秀ではない、ということでは決してありません。あくまでも参考のひとつとして、他の営業力や対応力と合わせて見極めましょう。
2)売却実績で専門性を確認
不動産売却をスムーズかつ希望の条件で進めるためには、不動産売買を専門にしている不動産会社に依頼することをおすすめします。
不動産会社には、賃貸・売買・管理を得意とする会社がそれぞれあります。どのタイプの不動産会社であっても、売却の依頼を受けた際に断るということはほとんどありません。しかしながら、売買を専門にする不動産会社であれば、過去の取引のデータやトラブルの記録から、満足度の高い売買取引を実現できるのです。
同じ売買でも「戸建」「土地」「マンション」のいずれかに絞って取引を行っている不動産会社もあります。依頼しようとしている会社がどのジャンルを得意としているかは、不動産会社のホームページから取引実績を確認しましょう。
3)提供サービスの充実度を確認
不動産売買を行っている会社のなかには、不動産をよりよい条件で売却するために付帯サービスを提供しているところもあります。
例えば中古マンションを売却する場合は、ハウスクリーニングを入れて室内をきれいにしておくと、購入希望者からの印象がよくなります。中古戸建を売却する場合は、破損していたり塗装がはがれている部分を修繕しておくだけでも、建物自体の価値が上がり売却金額をアップできる可能性が高まります。
不動産査定を行った際の査定金額だけでなく、売却金額アップのためにどのようなサービスの提案をしてもらえるかにも着目することが大切です。
4)ネットで口コミや評判を確認
実際にサービスを利用した人の声は、その不動産会社の営業スタイルや提案力を見極める際に大いに活用できます。
インターネット広告やホームページではサービスが充実しているように見えても、利用を検討している店舗のスタッフの対応が悪い可能性もあります。一方で、あまり大きく広告を打っていない不動産会社でも、スタッフひとりひとりの対応がよく、満足度の高い売買取引をサポートしてくれる場合もあります。
各不動産会社のホームページに掲載されている「お客様の声」だけでなく、不動産会社の評判や口コミのまとめサイトも活用しながら、求めるサービスやサポートをしてくれる不動産会社かどうかを見極めましょう。
5)行政処分歴の有無を確認
依頼しようとしている不動産会社が、宅地建物取引業法のルールに則って営業しているかどうかも、売却を依頼する前に確認しておくべき項目の一つです。
国土交通省や各都道府県庁のホームページには、宅地建物取引業免許を取得している不動産会社の処分情報が掲載されています。ただし、過去に処分を受けた経験があっても、すでに改善されているという場合も少なくありません。参考にする場合は直近の情報を閲覧するようにしましょう。
5.不動産会社の優良担当者を見極めるポイント
満足のいく不動産売却を実現するためには、不動産会社選びだけでなく、担当者がどのような姿勢でどのような提案をしてくれるかも重要です。
同じ不動産会社であっても、どの程度親身になってくれるか、好条件で売却できるようアドバイスしてくれるか、要望にスピーディーに対応してくれるかを見極めることによって、不動産売却を有利に進められる担当者に出会える可能性もあります。
1)親身になってくれる
売主の希望や相談ごとをしっかりと聞いたうえで、売主が満足のいく取引が実現するように動いてくれる担当者であれば、安心して不動産売却を進められます。
不動産会社の営業マンのなかには、売買契約締結時に報酬として受け取る仲介手数料をなんとか多くもらおうと、売主の利益を無視した提案を行う人もいます。こうした担当者に任せてしまうと、希望の条件で売却できない可能性や、スムーズに買い手が決まらないというリスクがあるのです。
特に購入希望者が現れたあとに、的確なヒアリングを行わずに契約を急かす担当者もいます。売主の希望を的確にヒアリングしてくれるか、不安点にも丁寧に対応してくれるかどうかを見極めましょう。
2)アドバイス力がある
不動産の売却を検討している人は、必ずしも不動産に精通しているわけではありませんし、不動産売買を何度も経験する人は多くありません。そのため、よい条件で売却できるような的確なアドバイスをできる担当者に出会えるかによって、最終的な売却金額に大きく差が出ることも少なくありません。
特に古い建物や狭い・形がいびつな土地など、市場価値があまり高くない不動産を売却するときには、アドバイス力のある担当者のいる不動産会社を選ぶことをおすすめします。
3)対応がスピーディー
不動産は所有しているだけでも維持費がかかるため、できるだけ早く売却したいと考える人も少なくありません。不動産会社の担当者がスピード感を持って対応してくれるかどうかで、売却・引き渡しまでにかかる期間も大きく増減するため注意が必要です。
問い合わせた際のレスポンスや来店日時の設定、質問に対する返答など、すぐに対応してもらえる不動産会社であれば、スムーズな不動産売却が可能になります。
6.不動産会社へ行くときの注意点
不動産売却を検討し始めたら、不動産会社に足を運ぶ前に売却相談の準備をしましょう。
1)不動産会社へ行く前に予約する
不動産会社に売却の相談をする場合は、あらかじめ日時を指定して来店予約しておくことをおすすめします。
街の不動産屋にフラッと立ち寄って相談することも可能ですが、来店予約なしに相談すると、営業担当者が十分な時間を確保できず、相談内容を十分にヒアリングできない可能性もあります。あらかじめ来店予約をしておくことで、お互いに時間に余裕を持って相談を進められるだけでなく、来店時に売却する不動産に関する情報を集めておくこともできます。
スムーズに売却活動を開始するためにも、相談したい不動産会社には前もって問い合わせておくようにしましょう。
2)不動産売却の条件をまとめる
最終的に売却価格などの条件を決定するのは売主です。そのため、売却相談の段階から不動産会社にすべて丸投げすることはせず、自分でも「いつまでにどれくらいの価格で売りたい」という目安を決めておくことをおすすめします。
希望条件を決めるには、同じエリアにある類似した条件の不動産の取引相場を知っておく必要があります。現在では一般の人でも閲覧できる、不動産の情報サイトが多数公開されているため、積極的に活用するようにしましょう。
7.不動産売却の相談には「住まいの無料相談」を利用しよう
「不動産会社が多すぎてどこに行けばいいのかわからない」
「売却だけでなく新しい住まいも同時に探したい」
こうしたお悩みを抱えている人におすすめなのが「住まいの無料相談」です。
不動産の売却は、ただ査定に出し、買主を探し、契約を締結すればいいだけのものではありません。より良い条件で売却するために、クリーニングやリフォームで資産価値を上げたほうがいい場合もあります。新しい住まいの購入を検討している場合は、売却代金を考慮した資金計画を立てる必要があります。
「住まいの無料相談」には、宅地建物取引士だけでなくファイナンシャルプランナーも在籍し、不動産売却を検討している人に寄り添った提案をしています。
不動産に関する悩みをトータルでサポートしていますので、不動産売却の第一歩としてお気軽にご活用ください。