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2022.06.03

不動産の売却

不動産売却の流れを図解で解説 費用・必要書類も丸わかり

不動産を売却する際には、不動産会社の査定や媒介契約の締結、買い手との条件交渉など多くのことを行わなければなりません。
売却を成功させるには、売却の流れを把握し、タイミングごとにやるべきことや注意点を押さえておくことが大切です。

また不動産の売却時には、さまざまな書類を用意する必要があるうえに、売却代金の4%~6%程度の費用がかかります。
書類や費用の準備について、事前に計画を立てておくと安心です。

本記事では、不動産売却の流れや必要書類、売却費用について紹介していきます。

不動産売却 全体の流れを図解

不動産売却の全体の流れは、以下のとおりです。

不動産売却は、平均して半年~9ヶ月程度かかる場合が多いです。
売却したい時期がはっきり決まっている場合は、目標時期から逆算して計画的に行動しましょう。

不動産売却の流れを詳しく解説

先ほど解説した不動産売却の流れを、一つずつ詳しく確認していきましょう。
タイミングごとにやるべきことを把握しておけば、必要書類などの準備がしやすくなるため、不動産売却をスムーズに進められます。

相場を調べる

まずは、売却したい不動産がいくらくらいで売れそうか調べてみましょう。

不動産の売却相場を調べる方法は、以下のとおりです。
・不動産会社のチラシを確認する
・土地総合情報システムなど、不動産の取引価格を確認できるサイトを見る
・売出情報を確認できる不動産会社のホームページを見る

不動産の売却相場を調べる際には、買い手の立場になってみるのもおすすめです。
不動産会社のチラシやホームページなど、自分が不動産を購入したいと思ったときに調べる方法を活用しましょう。

売却不動産の査定

不動産の売却相場を調べたら、実際に不動産会社で査定してもらいましょう。
不動産会社の多くは、媒介契約を獲得するために無料で査定してくれます。

査定は、必ず複数の不動産会社に依頼してください。
複数社に査定を依頼する目的は、以下のとおりです。
・妥当な売却金額がわかる
・各社の強みがわかる

媒介契約を結ぶ

不動産会社の査定を受け、本格的に売却活動を始める場合、不動産会社と媒介契約を結びます。
不動産会社との媒介契約は、以下の3種類です。

1.一般媒介契約
2.専任媒介契約
3.専属専任媒介契約

一般媒介契約は、複数の不動産会社と結べます。専任媒介契約と専属専任媒介契約は、1社としか結べませんが、売却活動に力を入れてもらいやすいです。

買い手の募集

不動産会社と媒介契約を結んだら、家を購入してくれる人を探します。
基本的には、不動産会社の営業に任せれば問題ありません。

以下の準備をしておくと、買い手を見つけやすくなります。
・広告掲載の有無など、買い手の募集方法を担当者と相談する
・内見の準備をしておく
・価格やタイミングなど、優先すべき内容を担当者と決めておく

このなかでも、内見の準備は特に重要です。
内見で購入希望者が「魅力的な家だ」と思ってくれれば、売買契約に結び付く可能性が高まります。

購入希望者と条件交渉

「不動産を買いたい」と思ってくれた購入希望者が現れたら、条件交渉を進めましょう。
購入希望者と直接交渉する必要はなく、不動産会社の担当者を間に挟みます。

条件交渉で重要なポイントは、売却金額と引き渡し日です。
すべての条件が、売り手の希望どおりになるとは限りません。
売却金額や引き渡し日など、譲れない条件を絞っておくと、交渉がスムーズに成立しやすくなります。

売り手と買い手が条件に合意できれば、売買契約を結び、不動産の引き渡し準備を進めていきます。

決済・引き渡し

売買契約を締結したあとは、売却代金の決済と不動産の引き渡しを行います。

売却代金の決済と不動産の引き渡しは、同時に行うのが一般的です。
具体的には、売り手が売却代金の受取時に所有権の移転登記を行い、不動産の所有権を買い手に渡します。

所有権の移転登記は、司法書士が代行してくれるケースがほとんどです。
売り手は必要書類を漏れなく用意しておく必要があります。

不動産の売却に必要な書類は、本記事の後半でも解説します。

確定申告

※関連記事:不動産売却の税金を解説 必要な費用をシミュレーション

不動産の売却により利益が発生したら、確定申告をして譲渡所得税(所得税と住民税)を納める必要があります。確定申告は、売却をした翌年の2月16日から3月15日までの期間に行わなければなりません。
譲渡所得税は、以下の流れで計算します。

1.譲渡所得(売却代金から売却にかかった費用や不動産の取得費を引いたもの)を計算する
2.使用できる控除や特例があれば、譲渡所得から控除額を引く
3.譲渡所得に譲渡所得税の税率をかける

譲渡所得税は、売却した不動産を所有していた期間によって税率が決まります。
税率と所有期間の関係は、以下のとおりです。

所有期間 税率
5年以下 39.63%(所得税30.63%・住民税9%)
5年超 20.315%(所得税15.315%・住民税5%)

 

不動産売却に必要な書類

不動産を売却する際には、さまざまな書類を用意する必要があります。
物件の引き渡しに伴い、法務局で所有権移転登記や抵当権抹消登記を行うためです。

不動産売却時には、主に以下のような書類が必要になります。

・写真付身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
・実印および印鑑証明書
・登記識別情報
・固定資産評価証明書
・建築確認済証や検査済証
・地積測量図や境界確認書

印鑑証明書は「発行日から3ヶ月以内」などと期限が決められている場合が多いです。
用意が早すぎてしまうと、期限が切れてしまうこともあるため、注意してください。

不動産売却にかかる期間

不動産売却にかかる期間は半年〜9ヶ月程度ですが、実際はケースによって期間が違ってきます。
不動産売却にかかる期間について、詳しく確認していきましょう。

・不動産会社の査定〜媒介契約の締結:約1~4週間
・売却活動〜条件交渉の成立:約1~3ヶ月
・売却代金の決済〜物件の引き渡し:約1~2ヶ月

売却活動が早く進めば、3ヶ月弱で売却が完了します。一方で買い手が見つからない、見つかっても条件交渉が上手くいかない場合、時間がかかってしまう可能性もあります。

不動産売却に必要な費用

※関連記事:不動産売却にかかる手数料 一覧や計算方法を徹底解説

不動産売却時には、売却代金の4~6%程度の費用がかかると言われています。
売却代金がすべて自分の手元に残るわけではないのです。

不動産売却にかかる費用の内訳は、主に以下のとおりです。

費用名 費用相場 支払時期
仲介手数料 (売却額×3%+6万円)+消費税 売買契約時と引き渡し時に
半額ずつ
印紙税 1,000円~6万円 売買契約書の作成時
抵当権抹消費用 1,000円(司法書士に代行する場合追加で数万円) 登記申請時
住宅ローン返済手数料 5,000円~3万円 住宅ローンの完済時
譲渡所得税 譲渡所得×30.63%
または譲渡所得×15.315%
売却後の翌年2月16日から
3月15日の確定申告時
ハウスクリーニング
費用
3万円~10万円 ハウスクリーニング実施時
測量費用 50万円~80万円 測量時
解体費用 100万円~300万円 物件解体時
書類発行費用 1枚につき約300円 書類発行時

上記以外にも、地盤調査や耐震調査を行った際には追加で費用がかかります。測量費用や解体費用など、売却代金を受け取る前に支払いが発生するものもあるため、注意が必要です。

不動産売却を成功させるために押さえるポイント

不動産売却を成功させるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

・費用の見積りを取る
・不動産会社の選定をしっかり行う
・不動産売却の基礎知識を調べる
・失敗例から気を付けるポイントを学ぶ

それぞれ詳しく解説していきます。

費用の見積りを取る

先ほど解説したとおり、不動産売却の際にはさまざまな費用がかかります。
売却費用を見積りしておかないと、手元に残る売却代金がいくらになるのかわからず、売却後の資金計画も立てにくくなってしまいます。

また売却費用のなかには、売却代金を受け取る前に支払うものもあるため、注意が必要です。
売却の前に、まとまった額の現金を用意しておくことが望ましいです。

一方で、不動産売却の翌年の確定申告で納める税金もあります。
売却代金を使い切ってしまうと、納税資金を用意できなくなるため、気を付けてください。

不動産会社の選定をしっかり行う

不動産の売却活動を行い、購入希望者を見つけてくれる不動産会社の選定は、しっかり行いましょう。
以下のポイントに注意して、不動産会社を選ぶのがおすすめです。

・売りたい地域の情報や不動産情報に詳しい
・問い合わせへの対応や各連絡が早い
・さまざまな提案をしてくれる
・売却実績が豊富
・希望をよく聞いてくれる

このような不動産会社と媒介契約を結べば、希望に近い条件で不動産を売却できる可能性が高まります。

不動産売却の基礎知識を調べる

不動産会社にすべて任せるのではなく、自分でも不動産売却に関する知識を調べておきましょう。
知識がない状態での売却活動には、以下のようなリスクがあります。

・買い手が見つからないような条件で売りに出してしまう
・不動産売却にかかる期間を把握しておらず、売却後の計画や生活に支障が出る
・不動産会社や買い手に有利な契約を結んでしまう

不動産会社が言うことをすべて疑う必要はありませんが、自分で売却に関する判断ができるように、知識を持っておくことをおすすめします。

失敗例から気を付けるポイントを学ぶ

不動産は金額の大きな買い物であり、売り手にとっても買い手にとっても失敗は許されません。
そのため、不動産売却に関する失敗例を確認しておき、同じ失敗をしないようにしましょう。

不動産売却でよくある失敗は、主に以下の4つです。

・売却条件を高くまたは低く設定しすぎた
・内見準備をしていなかった
・売却費用の見積りが甘かった
・売却を急ぎ過ぎてしまった

上記の失敗は、事前に把握し対処しておけば避けられるものばかりです。

不動産売却に関するよくある質問

この章では、不動産の売却に関するよくある質問として、以下を解説します。

・売却か賃貸かどちらがおすすめ?
・居住しながら売却することはできる?
・売却におすすめの時期は?
・一括査定サイトを利用する際の注意点は?

1つずつ詳しく見ていきましょう。

売却か賃貸かどちらがおすすめ?

「不動産を売却して手放すか、賃貸に出して所有し続けるか」は、人によって答えが変わります。
メリット・デメリットを考えたうえで、ライフプランや家計の状況に適したほうを選びましょう。

賃貸に出して不動産を所有し続けるメリットは、以下のとおりです。

・将来的に再び住むことができる
・家賃収入を得られる
・資産を残せる

一方で、賃貸に出す場合は以下のようなデメリットもあります。

・固定資産税がかかる
・将来的に売却する場合、築年数が経過していることで売却価格が下がる
・借り手が見つからず、空室になる可能性がある

居住しながら売却することはできる?

居住しながら不動産を売却することは可能です。売却が決まってから新居に移ることで、家賃や住宅ローンを2重に支払わなくて良いというメリットもあります。

また家具がある状態で内見してもらうことで、購入希望者が生活のイメージをしやすくなります。
掃除や片付けをして、家を綺麗な状態にしておきましょう。

売却におすすめの時期は?

不動産の売却におすすめの時期は、引っ越しシーズンの3月です。3月は、4月からの新生活に向けて家を購入する人が増える傾向にあります。そのため、買い手が決まりやすいのです。

ほかにも、以下のような時期が売却におすすめです。

・家を取得してから5年を過ぎたあとの時期(売却にかかる税金が安くなるため)
・住宅ローンの金利が低い時期(家を購入する人が増えるため)
・相場が下がりつつある時期(少しでも高く売れる時期に売るため)

一括査定サイトを利用する際の注意点は?

不動産の一括査定サイトを利用する際には、以下のポイントに注意してください。

・営業の電話やメールが来る可能性がある
・査定結果が正しいとは限らない

査定時には、電話番号やメールアドレスの入力が必須となっているケースが多く見られます。
その個人情報が営業目的で利用されることがあるのです。

また、査定結果がすべて正しいとは限らないため、参考程度に考えておきましょう。

不動産売却の流れ|まとめ

不動産売却の一般的な流れは、以下のとおりです。

1.相場を調べる
2.売却不動産の査定をする
3.媒介契約を結ぶ
4.買い手の募集をする
5.購入希望者と条件交渉をする
6.売却代金の決済と物件の引き渡しを行う
7.売却益の確定申告を行う

それぞれのタイミングでやるべきことや用意すべき書類、必要な費用を把握しておくと、スムーズな不動産売却になります。

また、不動産売却は不動産会社と協力して行うものです。
信頼できる不動産会社を見つけて、不動産売却を成功させましょう。

不動産売却の相談には「住まいの無料相談」を利用しよう

満足いく不動産売却を行うためには、不動産会社選びが重要です。複数の不動産会社に相談し、売却の希望や売却後の計画について親身になってくれるところを選びましょう。

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