2023.04.01
不動産の購入
不動産担保ローンとは?口コミや金融機関選びのポイントを解説!
不動産担保ローンとは、所有している家や土地などの不動産を担保にすることで融資を受けられるローンのことです。
ローンの返済ができなくなってしまうと、担保にした不動産を手放さなければなりません。
不動産担保ローンは主に、銀行・ろうきん・ノンバンクで取り扱っています。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、希望する融資額や融資時期などの条件に合わせて金融機関を選ぶことが大切です。
この記事では、不動産担保ローンの詳細や金融機関の口コミ、金融機関選びのポイントについて解説します。
大切な家や土地を活用してより良い生活を送るために、知識を付けたうえで不動産担保ローンを組みましょう。
不動産担保ローンとは
不動産担保ローンとは、所有している家や土地などの不動産を担保にすることで、お金を借りられるローンのことです。
主に銀行・ろうきん・ノンバンクの商品として取り扱われています。
不動産担保ローンにはメリットとデメリットがあるため、どちらも理解したうえで利用することが大切です。
担保が要らない「無担保ローン」とも比較しながら、詳しく解説していきます。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンを利用するメリットは3つあります。
①金利が低い
不動産担保ローンの金利の相場は年率5%ほどで、無担保ローンの10%〜15%に比べて低くなります。
②融資してもらえる金額が大きい
大きな資産である不動産を担保とすることによって信用度が上がり、無担保ローンよりも大きな金額の借り入れが可能です。
③返済期間を長く設定できる
無担保ローンの返済期間は10年〜15年ほどが一般的ですが、不動産担保ローンなら20年〜30年ほどかけて返済できます。返済期間が長いと月々の返済額が安くなるため、家計の負担を減らすことが可能です。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンにはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。
①家や土地を失うリスクがある
不動産担保ローンを組む際に担保にする不動産には、抵当権が設定されます。
ローンの返済ができなくなった場合、抵当権が実行され、担保にしている不動産を競売にかけなければなりません。競売によって不動産と引き換えに得た代金を、ローンの返済に充てるのです。
②審査に時間がかかる
不動産担保ローンは審査に時間を要することが多く、ローンの申請から融資まで2週間〜1ヶ月ほどかかるのが一般的です。一方で、無担保ローンは審査にかかる時間が短く、申請当日に融資を受けられることもあります。
③審査が厳しい
高額の融資を受けることが多い不動産担保ローンは、無担保ローンに比べて審査内容が厳しいです。
収入や勤め先、担保にする不動産の価値など、さまざまな面から厳しく審査されます。
総合的に返済能力が無いと判断されてしまうと、審査が通らず融資を受けられないケースもあります。
不動産担保ローンを取り扱う金融機関
不動産担保ローンは、主に以下の金融機関で取り扱われています。
・銀行
・ろうきん
・ノンバンク
ろうきんとノンバンクについて、銀行との違いを踏まえて詳しく見ていきましょう。
ろうきんとは
ろうきんとは、労働組合や生活協同組合がお互いに助け合うために作った福祉金融機関のことです。
ろうきんは「労働者とその家族の生活が豊かになること」を目的としており、営利目的ではないところが銀行と異なります。
銀行やノンバンクよりも融資金の使い道が限られますが、金利が低い傾向にあります。
ろうきんの正式名称は「労働金庫」です。
ノンバンクとは
ノンバンクとは、銀行以外の金融機関のことです。
お金を貸すことに特化しており、銀行のような預金の受け入れは行いません。
金利が高い傾向にありますが、銀行やろうきんよりも以下の点で長けています。
・融資額の多さ
・審査期間の短さ
・審査の通過しやすさ
代表的なノンバンクとして、クレジットカード会社や消費者金融業者があげられます。
不動産担保ローンの口コミ
不動産担保ローンを組む際によく利用されている金融機関の口コミをまとめました。
良い口コミと悪い口コミのどちらも考慮したうえで、相談する金融機関を選ぶことが大切です。
楽天銀行
楽天銀行は、大手のネット銀行ならではの安心感や、金利の低さが評判です。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
金利が低い | 審査に時間がかかる |
借り換えが可能 | 審査が厳しい |
大手銀行なので安心 | 事務手数料が高い |
「他の銀行よりも金利を抑えられた」という声が多く見られます。
ローン申請から融資までは最短でも3週間かかるため、早急な融資を必要とする人には向きません。
また「借り換え」とは借り入れ先の金融機関を変更することです。
りそな銀行
りそな銀行が提供する不動産担保ローンの「りそなフリーローン」は、長期返済と高額融資が可能です。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
返済期間が長い | 返済負担率の制限がある |
融資可能な金額が多い | 年収に制限がある |
大手銀行なので安心 | 審査が厳しい |
りそなフリーローンは、最長30年の返済期間で、最大1億円の借り入れができます。
大手銀行だけに審査は厳しい傾向にあり、以下のような条件も設けられています。
・返済負担率が35%以内であること
・年収が200万円以上であること
東京スター銀行
東京スター銀行が提供する「スター不動産担保ローン」は、審査スピードの早さや、ネットで手続きが完結できる利便性が評価されています。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
審査が早い | 金利が高い |
ネットで完結できる | 対応が悪い |
本人名義以外の不動産も利用できる | 審査が厳しい |
スター不動産担保ローンでは、家族が所有している不動産など、本人名義以外の不動産も利用可能です。借り入れ金額が少ない人からは、金利が高いとの声も見られました。
中央労働金庫
中央労働金庫は、東京都や神奈川県などの関東エリアを担当する「ろうきん」です。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
金利が低い | 店舗が少なく不便 |
手続きが楽 | 申込条件が厳しい |
親身になってくれる | 借り換えができない |
ろうきんは「労働者とその家族の生活が豊かになること」を目的としているだけあって、親身に相談に乗ってくれるという声が多く見られました。
また労働組合の会員の場合、会員以外の人よりも金利が安くなります。
アイフル
アイフルビジネスファイナンス株式会社は、ノンバンクです。
アイフルビジネスファイナンス株式会社が提供する不動産担保ローンは、法人または個人事業主が利用できます。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
借り入れ可能な金額が大きい | 個人利用ができない |
返済期間が長い | 早期返済の場合、違約金がかかる |
事務手数料がかからない | 金利が高い |
最長30年の返済期間を設定でき、最大5億円まで借り入れ可能な点が評価されています。ローンの借り入れ時に設定した返済期間よりも早く返済する場合は、違約金が発生するため注意しましょう。
セゾンファンデックス
ノンバンクである株式会社セゾンファンデックスの不動産担保ローンは「銀行で断られても大丈夫!」と宣言するほど、柔軟に融資をしてくれます。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
審査が通りやすい(甘い) | ローンの申請から融資まで時間がかかる |
親族所有の不動産が利用できる | 金利が高い |
ネット申込が可能 | 高齢の場合、審査が厳しい |
審査が通りやすく、家族が所有している不動産を担保として利用できる点も評価されています。
ただ、高齢者からは「審査が通らなかった」という声も見られました。
トラストホールディングス
トラストホールディングス株式会社が提供する不動産担保ローンは、ノンバンクながら金利が低いと評判です。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
借り入れ可能な金額が大きい | 事務手数料が高い |
審査が早い | 早期返済の場合、違約金がかかる |
金利が低い | 知名度が低い |
スタッフの丁寧な対応や適切なアドバイスに加え、審査のスピードも高評価です。
一方で、事務手数料や返済を繰り上げた場合の違約金が高いとの声もあります。
金融機関の選び方
不動産担保ローンを利用するための金融機関を選ぶ際は、以下のポイントを確認することが大切です。
・貸金業の登録
・融資額
・金利
・返済期間
・保険の付帯状況
・ローンの申請から融資までの時間
1つずつ詳しく解説していきます。
貸金業の登録
はじめに、貸金業の登録がある金融機関を必ず選びましょう。
不動産担保ローンを取り扱う業者には、貸金業の登録が義務付けられています。
もし貸金業の登録がない場合は、悪質な業者である可能性が高いため、利用せずに他の金融機関を検討してください。
貸金業の登録状況については、金融庁のホームページから確認できます。
融資額
希望する金額を融資してくれる金融機関を選ぶことも大切です。
とくに融資額の上限が低い金融機関を選んでしまうと、担保にする不動産の価値を活かしきれない可能性もあります。必要な融資金額を明確にしたうえで、金融機関に相談してください。
また、融資にかかる事務手数料などの諸費用は、合計すると高くなるものです。想定外の支払いに慌てないように、融資額とあわせて諸費用がいくらかかるかまで確認しておきましょう。
金利
不動産担保ローンを利用するにあたって、金利はとても重要です。
金利が1%違うだけで、月々の返済額や返済総額に数十万〜数百万単位の差が出てきてしまいます。
不動産担保ローンにおける金利の相場は、以下のとおりです。
金融機関 | 金利 |
---|---|
銀行 | 1.0%〜9.5% |
ろうきん | 1.3%〜3.1% |
ノンバンク | 2.8%〜14.8% |
金利は、金融機関と融資内容によって変動するため、相場に幅があります。
希望の融資条件を複数の金融機関に相談し、それぞれの金利を比較することが大切です。
返済期間
不動産担保ローンの返済期間についても確認しておきましょう。
月々の返済額は、返済期間によって決まります。
生活が苦しくならないよう、余裕のある返済計画が実現できる金融機関を選ぶことが大切です。
借り入れ額などの条件によっては、金融機関が提示する最長の返済期間が適用されないケースもあるため、注意してください。
保険の付帯状況
万が一のリスクを考えると、不動産担保ローンに保険が付帯しているかどうかについても、確認しておく必要があります。
例えば「団体信用生命保険」に加入している場合、ケガや病気などでローンの返済が難しくなったとしても、保険金でローンを返済することが可能です。金融機関によっては、不動産担保ローンと団体信用生命保険がセットになっています。
ケガや病気、収入の減少など、ローンの返済が難しくなるリスクは誰にでもあります。
不動産担保ローンに保険が付いていない場合や、ローンに付いている保険では補償が足りない場合は、個人的に保険に入るなどの対策をしておきましょう。
ローンの申請から融資までの時間
早急に融資を受けたい場合や、融資が必要な時期が明確に決まっている場合は、ローンの申請から融資までにかかる時間も重要です。
不動産担保ローンは審査に時間がかかることが多く、一般的にローンの申請から融資まで2週間〜1ヶ月ほど開いてしまいます。金融機関に希望する融資時期を相談し、対応の可否を確認しましょう。
また、融資時期を早める代わりに金利が高くなったり、融資可能な金額が低くなったりするケースもあります。融資を急いでいる場合でも、融資条件を冷静に把握したうえで契約することが大切です。
まとめ【金融機関の比較が大切】
不動産担保ローンは無担保ローンに比べて、低金利かつ高額な融資を受けられるメリットがあります。
一方で、大切な家や土地などの不動産を失うリスクがあるため、返済計画を慎重に考えたうえで利用しなければなりません。
金利や融資額、返済期間などの融資条件は金融機関によって異なるため、複数の金融機関に相談し、比較することが大切です。
不動産担保ローンを利用するための金融機関を選ぶ際には、本記事で解説したポイントも参考にしてください。
自身の目的に合った金融機関を選び、無理の無い範囲で不動産担保ローンを活用しましょう。