恵比寿で始まる、賢い不動産仲介のスタイル

2022.07.13

不動産の購入

不動産仲介業者とは?不動産購入時の活用方法について解説

不動産を購入する際に、多くの人が不動産会社に物件探しを依頼します。不動産会社が売主・買主の間に入って契約内容を調整し、契約締結・引き渡しを行うことを「不動産仲介」と呼びます。

不動産仲介は、宅地建物取引業免許を取得した不動産会社に勤務する、宅地建物取引士によって行われます。複雑な法律が絡むだけでなく、取引金額も大きくなることがほとんどのため、高度な専門知識を持ったプロが携わるよう定められているのです。

不動産仲介業者に依頼することで、希望に合った物件探しがスムーズに行えるだけでなく、契約書類の作成・手続きといった面倒な作業を任せられるだけでなく、契約者同士のトラブルを未然に防ぐことも可能になります。

依頼する不動産会社を選ぶ際は、売買を得意とする不動産会社か、希望を的確にヒアリングしてくれるか、質問に丁寧に応えてくれるかを中心に、しっかりと比較することが大切です。

1.不動産仲介業者の役割と仕事内容

「不動産会社=希望の物件を探してくれる人」というイメージが一般的ですが、不動産仲介業者は特別な免許・資格を必要とし、不動産以外の専門的な知識を持っているプロ集団です。

1)不動産仲介業者の役割

不動産売買における不動産仲介業者の役割は、売買の場合は売主と買主の間に入って、契約や各種手続きを円滑に進めることです。

不動産売買取引においては、不動産の専門的な知識を問われるだけでなく、不動産の所有者を変更するための面倒な手続きを必要とする場面が多くあります。ただ単に、不動産購入希望者の要望を聞いて物件を検索し、契約に必要な書類を作成して代金を支払ってもらい引き渡すだけが、不動産仲介業者の仕事ではありません。

2)不動産仲介には宅地建物取引業免許が必須

不動産の仲介を行うには、「宅地建物取引業」と呼ばれる免許を取得する必要があり、さらに免許取得の要件に「宅地建物取引士の設置」があります。1つの事業所の5人に1人が「専任の宅地建物取引士」であることが条件です。

不動産売買契約締結時に不動産会社が行う「重要事項説明」は、宅地建物取引士の「独占業務」です。重要事項説明では、取引の対象となる建物や土地の詳細だけでなく、契約書に記載された取り決めの内容の説明をします。この説明の際に発行される書類が「重要事項説明書」で、署名・押印を宅地建物取引士が行うと法律で定められているのです。

こうした専門性の高い業務を担っているという側面からも、不動産仲介業は高度な知識と
経験が不可欠ということがわかるのではないでしょうか。

3)不動産仲介業者の仕事内容

不動産売買において、不動産仲介業者は物件の提案から契約締結・引き渡し後の手続き等、専門的な知識を必要とする各種手続きを担当します。

不動産仲介業者が、不動産購入希望者から依頼を受けてから取引を完了させるまでに行う業務は、下記のような流れで行われます。

・依頼人のニーズに合った売買物件を探す
・物件の提案、内覧の案内
・売主に対する条件交渉
・役所調査
・契約書類の作成
・売買契約締結、重要事項説明
・ローン審査
・物件の引き渡し、所有権移転登記

上記を見てわかるように、不動産仲介業者の仕事には、不動産に関する知識だけでなく、住宅ローンをはじめとしたお金に関する知識も必要になります。また不動産会社によっては、不動産の購入を希望する依頼主に対して、ファイナンシャルプランナーによる資金計画や、ライフプランについての提案を行っているところもあります。

2.不動産仲介業者に依頼するメリット・デメリット

メリットとデメリットの看板

不動産を購入する場合、必ず不動産仲介業者を利用しないといけないというわけではないため、個人間での直接取引を行う場合もあります。しかし一方で、不動産仲介業者を利用して不動産を購入することには多くのメリットがあります。デメリットとあわせて知っておきましょう。

1)不動産仲介業者を利用するメリット

不動産仲介業者を利用して不動産を購入するメリットは、大きく分けて3つあります。

・条件に合った物件を紹介してもらえる
・トラブルを未然に防げる
・手続きや書類作成をしてもらえる

順番に解説していきます。

・条件に合った物件を紹介してもらえる

不動産仲介業者は一般の人よりも多くの売買情報にアクセスできるため、希望に合った物件を紹介してもらえる可能性が高い点が大きなメリットです。

それを可能にしているのが、不動産会社だけが閲覧できる「レインズ」と呼ばれるネットワークです。レインズには日本全国の不動産の流通状況や成約状況が、リアルタイムで掲載されています。不動産仲介業者はこれらの掲載情報から、依頼主が希望する条件に近い建物や土地を検索して提案するのです。

現在はインターネットを活用することで、一般の人でも自身の手で不動産情報を検索できるようになりました。しかしながら、検索エンジンで不動産情報を検索すると、成約済みの不動産が掲載されたままになっていたり、募集条件が更新されていない古い情報にたどり着く可能性もあり、効率的ではありません。

不動産仲介会社の力を借りることで、希望に合った物件をスピーディーかつ少ない労力で見つけることが可能になるのです。

・トラブルを未然に防げる

不動産売買の取引は、契約内容が複雑かつ取引金額が大きいということもあり、一度トラブルに発展すると解決するために多くの費用と労力が必要になります。そうしたトラブルを未然に防ぐのも、不動産会社を介して建物や土地を購入する利点です。

不動産売買の取引は、売買代金を支払って物件の引き渡しを受けるだけの単純なものではありません。不動産売買契約書に建物や土地の状態を正しく記載し、売買代金や手付金といった金銭の受け渡し方法や期日、所有権をはじめとした権利の移転、設備・備品を含めた引き渡し時の状態などを事細かに規定し、売主と買主との間で合意したうえで初めて成り立ちます。
こうした規定を詳細に取り決めていないと、思いもよらないトラブルに巻き込まれ、裁判に発展する可能性もあるのです。

不動産仲介業者を利用することで、購入予定の不動産の状態や売買条件を正しく把握できるだけでなく、売主との間に起こりうるトラブルについてもあらかじめ把握しておけます。

・手続きや書類作成をしてもらえる

不動産仲介業者を利用することで、不動産売買時に必要な書類を準備してもらえるだけでなく、不動産購入後に必要な登記などの手続きのサポートも受けられます。

特に不動産売買契約書は、全国宅地建物取引業協会のホームページで雛形が配布されていますが、雛形にはごく基本的な項目しか記載されておらず、取引される不動産独自の規定については自身で定めなくてはいけません。不動産売買には不動産売買契約書以外にも必要な書類が多数あるため、すべてを自分自身で準備するには多くの手間と労力がかかります。

不動産仲介業者はこうした煩雑な事務作業や手続きを請け負ってくれるため、購入する不動産の選定から契約、引き渡しまでがスムーズに進むのです。

2)不動産仲介業者を利用するデメリット

不動産仲介業者を利用するデメリットは、仲介手数料が発生するという費用面にあります。

不動産仲介業者には、依頼主から国土交通省が定める金額を上限とした仲介手数料を受け取る権利があります。具体的な金額については後に解説しますが、仲介手数料の金額は取引される不動産の価格から算出され、数十万円から数百万円程かかる場合もあります。

ただし、最近では仲介手数料を半額や無料としている不動産会社もあります。不動産購入にかかる費用を少しでも安くしたい場合は、仲介手数料の値引きを行っている不動産仲介業者を探してみるといいでしょう。

3.不動産会社に支払う仲介手数料

不動産会社を介して売買を行う際には、「仲介手数料」という費用がかかります。
仲介手数料の意味合いと発生する条件、金額の算出方法について解説します。

1)仲介手数料とは?

「仲介手数料」とは、不動産仲介業者が不動産売買契約を成約に導いたことに対する成功報酬の意味合いを持ちます。契約が成立して初めて発生するため、売買物件探しを依頼したとしても、契約調整の段階で白紙になった場合には、仲介手数料は発生しません。

2)仲介手数料の上限額

不動産会社が受け取れる仲介手数料の金額は、国土交通省によって上限金額が定められています。

不動産の取引額(税抜) 手数料の上限
400万円超 取引物件価格(税抜)×3%+消費税
200万円超~400万円以下 取引物件価格(税抜)×4%+消費税
200万円以下 取引物件価格(税抜)×5%+消費税

(参照元:国土交通省配布『宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額』第二 売買又は交換の媒介に関する報酬の額  https://www.mlit.go.jp/common/001307055.pdf

上記の計算式を使用する場合、不動産の取引額を「400万円を超える部分」「200万円超~400万円以下の部分」「200万円以下の部分」に3分割し、それぞれ計算したものを合算する必要があり、計算がやや煩雑になってしまいます。

そのため実際の現場では、下記のような速算式を使用して求めるのが一般的です。

不動産の取引額 手数料の上限(速算式)
200万円以下 5%+消費税
200万円超~400万円以下 4%+2万円+消費税
400万円超 3%+6万円+消費税

ただし、上記で計算する仲介手数料の金額は、あくまでも不動産仲介業者が売主または買主の一方から受け取れる金額の上限です。下限は定められていないため、依頼主と仲介業者との間で協議し、減額したり無料にしたりすることも可能です。

3)仲介手数料無料は危険?

さまざまな不動産会社を調べていると、なかには「仲介手数料無料」を打ち出して宣伝活動をしている会社も目につきます。先ほど解説したとおり、仲介手数料は不動産会社の収入源であるため、「仲介手数料無料って怪しいんじゃないの?」と思う人も少なくありません。

4.不動産仲介業者の選ぶ際のポイント

「一生で一番大きい買い物」と言われるほど、不動産の購入においては大きな金額が動きます。
そのため不動産売買を行う際は、仲介を依頼する不動産会社を慎重に選ぶことが大切です。

不動産仲介会社を選ぶ際に大切なポイントを押さえて、安心して不動産売買を完了できるようにしましょう。

1)ニーズに合った物件を紹介してくれるか

まず前提として、できるだけ多くの不動産仲介会社を比較するようにしましょう。
不動産会社のなかには、賃貸・売買・管理という区分があり、会社によって得意分野が異なるからです。

不動産を購入したい場合は、売買を得意分野とする不動産会社に依頼します。さらに売買が得意な不動産会社でも、戸建が得意なのか、マンションが得意なのか、土地が得意なのかといった点でも細かく分かれます。不動産会社のホームページ上で取引実績などを確認できるため、希望に合った売買物件を多く取り扱っていそうかを比較するといいでしょう。

2)質問に丁寧に応えてくれるか

不動産仲介会社を選ぶ際は、取り扱っている物件の種類や会社の規模だけでなく、担当してくれる営業マンの対応もしっかり確認することが大切です。

不動産を購入する人は、多くが不動産に関して知識があまりなく、何もかもが初めてという人がほとんどです。物件探しの段階だけでなく、契約時にも多くの疑問点や不安点が出てくるため、その質問にしっかりと対応してくれるかどうかで、最終的な不動産取引の満足度が大きく変わります。

しかしながら、不動産会社の営業マンの中には、目先の利益(自身の売り上げノルマ)だけを重視する人がいるというのも事実。顧客への対応をおろそかにしたり、依頼主の希望に寄り添った提案をしていなかったりすることもあるため、担当してくれる営業マンがどのような姿勢で仕事に取り組んでいるかを見極める必要もあるのです。

3)大手の不動産会社か、地元密着型の不動産会社か

不動産仲介を行っている会社は日本全国に多数存在し、その規模感は大手企業から地元密着型の小さな企業まで幅広くあります。ところが、不動産会社の規模によって紹介してもらえる不動産の数が変わる、ということはほとんどありません。その理由は、すべての不動産会社は同じ不動産流通のネットワーク「レインズ」を参照して、物件を検索しているためです。

大手の不動産会社に依頼するメリットは、会社独自のサービスや保証が整っている安心感。不動産購入時に加入する保険を紹介してもらえたり、入居時のハウスクリーニングを合わせて申し込めたりするため、不動産の購入を1つの窓口で完結させたいという人におすすめです。

地元密着型の不動産会社に依頼するメリットは、その地域独自の情報を持っている点。気候や風習、周辺施設や多方面へのアクセスについて詳しいことが多く、その土地に住んでいる人でしか知りえない情報を教えてもらえる可能性があります。

不動産を購入したいエリアが具体的に定まっておらず、色々な地域で検討したい場合は大手不動産会社、決まった地域で探したい場合は地元密着型の不動産会社など、目的に合わせた活用法があると言えます。

まとめ

満足度の高い不動産売買取引を実現するには、不動産仲介業者を上手に活用することが必要不可欠です。

物件の検索や契約書類の作成・手続きといった手間のかかる作業をプロに任せられるだけでなく、契約締結時や物件引き渡し後に起こりうるトラブルを前もって予測し、回避するための対策や条文の作成をしてもらえるという大きなメリットがあるためです。

不動産仲介を行っている会社は多数存在するため、希望に合った物件を紹介してもらえるか、丁寧な対応をしてもらえるかを見極めるようにしましょう。

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