2023.07.27
不動産の購入
ローコストの坪単価はいくら?総額でいくらの費用がかかるのかも解説!
「できるだけ費用を抑えて家を建てたい」
「ローコスト住宅はどのくらいで家が買えるのか知りたい」
マイホームの検討をしている人なら、費用を抑えられるなら安くしたいと思いますよね。
ローコスト住宅なら、住宅ローンの返済額の軽減ができます。
返済が軽くなった分、教育資金や老後資金などに回すことが可能です。
ローコスト住宅であれば家計に負担をかけることなく、マイホームを手に入れられます。
格安で家を建てられるローコスト住宅はとても魅力的ですが、安いだけで判断して契約すると後悔する可能性があります。
せっかくのマイホームで後悔しないために、メリットとデメリットを知っておくことが大切です。
本記事では、ローコスト住宅の坪単価から総額までどのくらいの費用が必要なのか、メリットとデメリットも含めて解説します。
ローコスト住宅とは?
ローコスト住宅は、その名の通り低価格住宅を指し、注文住宅と比較すると安い値段で家を建てられる住宅です。
中小メーカーだけでなく大手メーカーや工務店でも展開されており、ローコスト住宅は家作りのスタンダードな選択の一つとなっています。
自分好みにオーダーして自由に作る注文住宅とは異なり、ローコスト住宅は間取りや内装、設備などが決まっているプランから決定する場合がほとんどです。
注文住宅と比較すると自由度は低くなりますが、住宅購入費がコストダウンでき、新生活や子どもの教育費などにお金を回したいと考える方にぴったりな住宅といえるでしょう。
ローコスト住宅の坪単価はいくら?
ローコスト住宅の価格に、明確な基準はありません。
ローコスト住宅の建物は25〜40坪の広さで、坪単価30〜60万円といわれています。
一般住宅であればメーカーによって差はありますが、坪単価50〜100万円前後です。
また坪単価とは、一坪(約3.3㎡)あたりの建築費のことを指します。
「建物の本体価格」を「延床面積」で割って計算します。
とはいえ、坪単価を算出するときの延床面積の定義には共通ルールがありません。
そのため、業者選びで坪単価を比較して検討する際には注意が必要です。
ローコスト住宅の平均相場や総額は?
ローコスト住宅の平均の相場は、1,000万円台といわれています。
またローコスト住宅の総額には、本体工事費と付帯工事費、その他オプションなどの費用が含まれます。
たとえば、本体価格1,000万円のローコスト住宅であれば、付帯工事費で2割の200万円とその他費用で1割の100万円として考えると、1,300万円が総額の目安です。
ローコスト住宅は、本体工事費と付帯工事費、諸費用の基本費用で1,000万円台にコストを抑えられます。
しかし、オプションを追加したり設備をグレードアップしたりすると、総額費用は高額になります。
さらに、住宅メーカーや条件によって費用は大きく異なるため、見積書を出してもらわないことには正確な総額を知る方法はありません。
ローコスト住宅であっても、必ず1,000万円台でマイホームが手に入るわけではないため注意が必要です。
ローコスト住宅はなぜ安いの?
ローコスト住宅は、安さ故にネガティブな印象を持つ人が少なくありません。
ローコスト住宅が安い訳は、企業努力の成果によって顧客に還元されている証しともいえます。
安さの秘訣は、以下の3つです。
・材料費
・プラン
・人件費
それぞれ順番に解説します。
材料費
材料費で工夫していることは、以下の3つです。
・材料の大量仕入れ ・住宅の規格を揃え、種類とサイズを統一 ・卸業者の在庫処分セールを活用 |
材料を大量に仕入れをしたり、部品や設備を統一してまとめて購入することで低価格を実現しています。
部材を統一することで、発注ロスを防げて効果的です。
また、在庫処分セールを上手く活用して大幅に材料費をカットしています。
小さい工務店では大量仕入れが難しいため、複数の工務店同士が協力して共同で仕入れを行う工夫をしています。
プラン
間取りや設備などを設計段階で低価格に抑えています。
建築費用を抑えるために、真四角に近い間取りにしたり、コンセントの数を減らすなど工夫したりしているからです。
ほとんどのローコスト住宅では、間取りや内外観、屋根のデザインなどを数種類にパターン化して選択する規格住宅の形式をとっています。
そのため、パターン化された住宅プランの中から顧客が選択するため、注文住宅よりも自由度が低く住宅購入費を抑えられます。
人件費
大量に仕入れた材料で同じ規格の家を建てるローコスト住宅は、現場作業は組み立てのみで作業効率が上がるため、人件費のカットに繋がります。
事前に、工場で材料をまとめてカットすることで現場作業を減らせるだけでなく、品質を保てます。
大量の作業員やスキルが高い職人も不要になり、大幅な人件費削減が可能です。
また、広告宣伝費に費用をあまりかけないことも低価格を可能にする施策の一つといえるでしょう。
ローコスト住宅に住むメリット
ローコスト住宅に住む最大のメリットは、総額費用が安いことです。
低価格を含めたローコスト住宅のメリットは、以下の3つが挙げられます。
・総額費用が安い
・建て替えしやすい
・住むまでの期間が早い(短い)
それぞれ順番に解説します。
総額費用が安い
ローコスト住宅の利点は費用を抑えてマイホームに住めるため、住宅ローンの負担を軽減できます。
総額費用であっても、1,000万円台で抑えられるでしょう。
ローコスト住宅の総額費用には、本体工事費と付帯工事費、その他オプションなどが含まれます。
1,000万円のローコスト住宅に決めると、付帯工事費やその他費用を合わせて1,300万円程度で購入が可能です。
借りに土地代が1,300万円であったとすると、計2,600万円あれば十分です。
一方で、注文住宅の相場は2,200万〜2,500万円といわれています。総額になると、土地の購入費用と建築費用、その他の諸経費が含まれています。
実際にどの程度の価格になるのかは、住宅金融支援機構の2021年度フラット35利用者調査にまとめられています。
全国平均では総額4455.5万円、首都圏になると5132.6万円、その他地域であっても3980.4万円の費用がかかっています。
つまり、ローコスト住宅なら注文住宅の約半額の費用でマイホームに住むことが可能になります。ローコスト住宅を選択すると、注文住宅よりも住宅ローンの負担を大幅に抑えられるでしょう。
建て替えしやすい
ローコスト住宅は、建て替えやリフォームしやすい住宅です。
注文住宅と比較すると、住宅の性能や保証制度が低価格なため、劣ってしまいます。
一生住む家は難しいかもしれませんが、ライフスタイルに合わせた家を作ることに最大の効果を発揮します。
たとえば、定年退職したときや子どもが自立して家を出たときなどのライフスタイルに合わせて建て替えやリフォームが可能です。
多額の住宅ローンが残っていると建て替えやリフォームの検討は難しいですが、20年後や30年後にライフスタイルに合わせて再検討できることはとても大きな魅力といえます。
住むまでの期間が早い(短い)
ローコスト住宅は、約3ヶ月程度で住めるようになります。一方で注文住宅の場合は、着工から引き渡しまで4〜7ヶ月程度かかるといわれています。
着工から短期間で完成するローコスト住宅は、新居が完成するまでの仮住まいの家賃も節約可能です。
ローコスト住宅に住むデメリット
ローコスト住宅のメリットについて述べてきましたが、ここではデメリットを紹介します。
ローコスト住宅を検討するなら、メリットとデメリットの両方を知っておくことが大切です。
ローコスト住宅に住むデメリットは、以下の4つです。
・耐熱や耐震・耐久性が低い
・オプションが高い傾向にある
・自由度(カスタマイズ性)が低い
・保証期間が短い
それぞれ順番に解説します。
耐熱や耐震・耐久性が低い
建築基準法に沿って設計されているため、最低限の品質は確保されていますが、高断熱や耐震等級3などの高性能な住宅と比較すると、住宅の基本性能は劣ってしまいます。
とはいえ、建築基準法の規定に合わせた住宅のため、欠陥や強度の問題が必ずしもあるというわけではありません。
実際に暮らしてみれば、住み心地や快適さには個人差があるため、デメリットと感じない人もいるでしょう。
ローコスト住宅は安く住宅を購入できる分、住宅の寿命が短いことや資産価値の低さを割り切って考えることが賢明です。
オプションが高い傾向にある
理想の家へと近づけるために設備の追加や規格外の建材に変更など、さまざまなオプションを追加すると想定以上の費用になってしまう場合があります。
ローコスト住宅での失敗体験でよくある事例です。
細部までこだわると、注文住宅と変わらない価格になることもあります。
ローコスト住宅のベースは、設備や建材が低価格になるような仕様です。
オプション費用はそれぞれ住宅メーカーや工務店によって差があるため、どうしても譲れない条件がある場合は、予算内に収まる依頼先を探すと良いでしょう。
自由度(カスタマイズ性)が低い
ほとんどの場合、間取りや設備を数種類のプランから選べるように規格化されており、規格化されたプランから選択するため、間取りのレイアウトや内装のデザインなどの自由度が低いです。
また価格を安く抑えるためにキッチンやトイレ、お風呂などの設備は、グレードが低く設定されています。
そのため複数の住宅メーカーや工務店から資料やカタログを取り寄せ、希望条件に見合ったローコスト住宅を比較することが重要です。
保証期間が短い
ローコスト住宅の保証期間は、住宅メーカーよりも短い傾向にあります。
住宅メーカーでは、法律で義務化されている10年保証にプラスして独自の長期保証60年、30年などを付与できることが多いです。
とはいえ、ローコスト住宅のアイダ設計は35年保証、タマホームでは最長60年保証があります。
ローコスト住宅であっても、サービス内容や条件などはメーカーごとに異なるため、個別に確認する必要があります。
「1,000万円以下」の超ローコスト住宅とは?
超ローコスト住宅は、ローコスト住宅よりも格安の住宅のことです。
明確な定義はありませんが、本体価格1,000万円以下で坪単価30万円以下で建てられる家のことを指します。
超ローコスト住宅の特徴は、以下の通りです。
・本体価格1,000万円以下で坪単価30万円以下で建てられる家 ・コスト削減と作業効率を重視した格安住宅 ・住宅性能よりも低価格を優先した住宅 ・間取りや設備をパターン化した規格住宅 |
ギリギリまでコスト削減をして家を建てるため、超ローコスト住宅は格安であるデメリット面が大きくなることを理解する必要があります。
住宅メーカーを探すときには、価格だけでなく住宅性能を含めたバランスを考慮することが重要です。
口コミや実績、住宅性能の高さ、保証などを比較したり、工事現場を見学したりして信頼できる住宅メーカーを選ぶと良いでしょう。
ローコスト住宅がおすすめな人の特徴
ローコスト住宅は低価格で住宅が手に入りますが、マイホームにこだわりたい人には向いていません。
ローコスト住宅をおすすめする人は、以下の通りです。
・シンプルな暮らしがしたい人 ・マイホームを安く手に入れたい人 ・設備にこだわりがない人 |
シンプルで必要最低限の設備が整っているローコスト住宅は、シンプルな暮らしをしたい人にぴったりです。
キッチンやトイレなども最新モデルでなくても妥協でき、最低限の設備で満足できる人にも合っています。
もちろん、手頃な価格でマイホームが欲しい人にもおすすめです。
まとめ
ローコスト住宅は1,000万円台で新築マイホームを建てられます。
注文住宅と比較すると、安い価格で家を建てられるため注目されている住宅です。
ただし、低価格で提供しているが故に、住宅性能や品質にはあまり期待ができません。低コストのメリットの反面、デメリットがあることを割り切る必要があります。
とはいえ、必要なものが揃っているローコスト住宅は、ミニマリストに最適な住宅であるといえます。
今後ローコスト住宅を検討するなら、複数の業者から見積もりをとり、プランの内容や費用を比較して慎重に検討することが大切です。