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2023.03.09

不動産の購入

もう間に合わない?こどもみらい住宅支援事業について解説

こどもみらい住宅支援事業は子育て支援と、子育て世帯や若者夫婦世帯の住宅取得にともなう負担軽減を目的とした支援事業です。

対象となっている住宅は新築住宅の取得と住宅のリフォームで、条件を満たしている建物の購入や、省エネ工事のリフォームに対して補助金が交付されます。

子育て世帯や若者夫婦世帯にとって住宅購入の手助けとなる制度ですが、これからの住宅購入で本事業の利用はできるのでしょうか。

本記事では以下の内容を解説します。

・こどもみらい住宅支援事業について
・こどもエコすまい支援事業
・ZEH(ゼロエネルギーハウス)とは?
・併用できる補助金・助成金制度

これから不動産を購入しようと検討している人や注文住宅を建築しようとしている人は、ぜひ、解説している支援制度の活用を検討してみてください。

こどもみらい住宅支援事業とは?まだ間に合う?

子育て世帯や若者夫婦世帯の住宅取得を支援する目的のこどもみらい住宅支援事業ですが、予算枠が上限に達したため、令和4年の11月に締め切られました。

その後、補正予算と予備費などを用いて申請期限が延長されましたが、これから本制度を活用するとき、申請は間に合うのでしょうか。

こどもみらい住宅支援事業の概要と補助金を受けるための条件を解説します。

期限はいつまで?まだ間に合う?

これから新築の売買契約や工事請負契約を締結する人は、本制度を利用したくても間に合いません。

こどもみらい住宅支援事業の申請は令和4年に締め切られましたが、その後、延長が決定して令和5年3月までの期限になりました。

しかしながら、「省エネ基準に適合する住宅」の新築については令和4年6月30日までに建築工事請負契約、または売買契約の締結が対象なので、これから契約する人は間に合いません。

それでは既存住宅のリフォームではどうでしょうか?

省エネリフォームの契約期限は令和5年3月31日まで、申請期限も同日になっています。

すでに省エネリフォームの契約を済ませていれば間に合う可能性がありますが、これから打ち合わせを始める段階ならば、期間内の申請は厳しいでしょう。

事業の概要

こどもみらい住宅支援事業は、子育て世帯や若者夫婦の住宅取得を支援する制度で、新築の購入ならば最大で100万円、リフォームならば最大で30万円の補助金が交付されます。

子育て世帯の定義は18歳未満の子どもを有する世帯、若者夫婦の定義は夫婦のいずれかが39歳以下の世帯とされています。

対象になる住宅の新築は令和4年6月30日までに契約した住宅で、以下のように分かれています。

対象の住宅 補助額
ZEH(ゼロエネルギーハウス)、Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Oriented
(強化外皮基準かつ再エネを除く一次エネルギー消費量-20%に適合するもの)
100万円/戸
高い省エネ性能などを有する住宅
(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅)
80万円/戸
省エネ基準に適合する住宅(断熱等級4かつ一次エネ等級4を満たす住宅) 60万円/戸

リフォームでは以下の「必須の工事」と、「任意の工事」が対象です。

必須の工事

・住宅の省エネ改修

任意の工事

・住宅の子育て対応改修
・耐震改修
・バリアフリー改修
・空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事など

中古住宅を購入しこどもみらい支援事業を利用する場合は、所有権移転後にリフォーム契約を締結して申請すれば補助の対象です。

令和5年からはこどもエコすまい支援事業が始まる

こどもみらい支援事業は令和5年3月31日に締め切られますが、その後はこどもエコすまい支援事業が始まります。

こどもみらい支援事業に間に合わなかった人にとっては、代わりになる制度と言えるでしょう。どのような事業なのか、概要と適用条件を解説します。

事業概要

こどもエコすまい支援事業は子育て世帯、若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修を支援する制度です。

補助の対象となる住宅やリフォームは以下になります。

・注文住宅の新築(対象者は建築主)
・新築分譲住宅の購入(対象者は購入者)
・リフォーム(対象者は工事発注者)

そして、本事業の助成対象者は子育て世帯、若者夫婦世帯です。

子育て世帯は令和4年4月1日時点で18歳未満の子ども、つまり平成16年4月2日以降に出生した子どもがいる家庭のことです。

若者夫婦世帯は令和4年4月1日時点で夫婦のいずれかが39歳以下である世帯が対象になります。補助額は新築分譲住宅の購入や注文住宅の建築では1住戸につき100万円が上限です。リフォーム工事の場合は60万円が上限です。

なお、助成金額が下がりますが、条件を満たした省エネリフォーム工事に対する助成は、工事したすべての世帯が対象です。申請期間は令和5年3月末以降から令和5年12月31日まで、契約日は問われません。

対象住宅や対象工事

以下の住宅が本事業の対象です。

・ZEH住宅 強化外皮基準かつ再生可能エネルギー等を除く一次エネ ルギー消費量▲20%に適合するもの
・Nearly ZEH
・ZEH Ready
・ZEH Oriented
・令和4年10月1日以降に認定申請した認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅

また、リフォーム工事は以下の工事が対象です。

1.(必須)住宅の省エネ改修
2.(任意)住宅の子育て対応改修、防災性向上改修、バリアフリー改修、 空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事など

リフォームはその他の細かい要件があるため、国土交通省が発行している「こどもエコすまい支援事業について」をご確認ください。

申請方法と注意事項

こどもエコすまい支援事業の交付申請は、ハウスメーカーや工務店など建築業者が行うため、購入者や施主は手続きする必要がありません。

そして、補助金の交付もハウスメーカーや工務店に補助金が交付され、直接、購入者や施主は受け取らず、工事請負代金から補助金分を還元する手順が推奨されています。

ハウスメーカーや工務店から現金で受け取るのは例外的なケースだと覚えておきましょう。

注意点は3点あります。

1つ目はすべてのハウスメーカーや工務店、リフォーム会社がこの制度に取り組んでいないことです。こどもエコすまい支援事業は事前登録した事業者のみ、申請できます。

2つ目は、申請期間は令和5年3月末から12月31日ですが、前身の制度だったこどもみらい住宅支援事業は早々に予算枠が埋まりました。補助金を受けるには早めの行動が必要で、時期が遅くなると補助金を受けられるとは限らないため注意しましょう。

3つ目は土地の所在地に制限があることです。土砂災害特別警戒区域にて新築する場合、本制度の対象除外になります。山あいの土地や傾斜地、切土・盛土の多い土地を検討しているならば、事前に確認することをおすすめします。

助成対象になっているZEH(ゼロエネルギーハウス)とは?

こどもエコすまい支援事業の対象になる新築住宅にはいくつかの種類があり、ZEH(ゼロエネルギーハウス)が主な対象になっています。ZEHはどのような住宅で、注文住宅で建築する場合にどのような手続きが必要なのでしょうか。

ZEHはどんな住宅?

ZEH(ゼロエネルギーハウス)とは生活で使用するエネルギーを太陽光発電などにより生み出すエネルギーでまかない、エネルギー収支をゼロにする住宅です。建物の躯体に用いる断熱材の性能を向上させ、高断熱の窓や玄関ドアを用いて家全体の断熱性能を高めます。そのうえで、太陽光発電システムの設置やエネファームなどの燃料電池を設置し、エネルギーを作り出せるようにするのです。

キッチンや浴室、洗面台やトイレなどの水回りおよび照明器具やエアコンなども省エネルギー仕様の設備を利用します。そのうえで、それらを統括するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入していることが最大の特徴です。

HEMSは電気、ガスだけではなく水栓にもセンサーを取り付け、各エネルギーの使用量を見えるようにする機器です。創出されたエネルギー量と消費エネルギーを比較して、エネルギー収支がゼロ以下になっていることを確認するために設置します。

目に見えることで節電意識も向上し、住人の省エネルギー意識も高められます。

ZEHを建築する方法

ZEHは「ZEHビルダー/プランナー」などの登録者でなければ建築できません。

「ZEHビルダー/プランナー」とは「ZEHロードマップ」におけるZEHの定義を満たしている業者のことで、令和4年3月には全国で4,722社がZEHビルダー登録をしています。ZEHビルダーでZEHの基準を満たした住宅を建築すればZEH認定を取得できます。

その際に受け取った評価書などを用いて、こどもエコ住宅促進事業の助成金を申請します。

ZEHのメリット・デメリット

ZEHを建築すれば助成金を受けられますが、それ以外のメリットもあります。

ZEHは断熱性能が高い住宅なので、夏は涼しく冬は暖かく過ごせることが特徴です。浴室や洗面室も外気の影響を受けづらいため、ヒートショック予防にもつながります。断熱性能が高いことで空調効率も高いので、快適な温度の調整もしやすいでしょう。

そして、断熱性能と省エネルギー・創出エネルギーを目指した設備の設置により、水道光熱費を低く抑えられることが最大のメリットです。太陽光発電システムも設置するので、災害時に停電があっても非常電力として備えられます。

将来的にZEHの住宅を売却することがあっても、資産価値が高く高額で売却できることもメリットです。

一方でZEHのデメリットは、天候によって発電量が変化する点と、設備投資やメンテナンス費用がかかる点です。エネルギーの創出を太陽光発電システムに頼る以上、天気が悪ければどうしても発電量が下がり、安定した電力を得られないことが想定されます。蓄電池の設置が対処方法のひとつですが、悪天候に対する根本的な解決策ではありません。

設備投資に費用がかかる点もZEHのデメリットです。太陽光発電システムや高効率給湯器、HEMSなど最新の技術が多く用いられていて、そのうえで建物を高断熱にするのでコストがかかります。光熱費を抑えられるので長期的に見れば設備投資やメンテナンス費用は回収できると考えられますが、初期費用が高額になることを知っておきましょう。

併用できる補助金・助成金制度

こどもみらい支援事業は間に合いませんが、こどもエコすまい支援事業ならば令和5年の申請に間に合います。こどもエコすまい支援事業の助成を受けた場合、その他にも併用できる補助金や助成金はあるのでしょうか。

併用できるもの、できないものについて解説します。

併用できない補助金・助成金も多い

まず、こどもみらい支援事業に申請し、すでに補助金を受け取った人はこどもエコすまい支援事業の併用はできません。住宅の取得による国の他の補助・助成制度は併用できませんが、地方自治体の補助・助成制度ならば併用可能です。

ただし、国費が充当されているものは除きます。

考え方として、財源が同じ補助金同士は併用できないため、住宅に関する補助・助成金は1件の家に対して1種類しか受け取れないということです。

たとえばZEH支援事業や、地域型住宅グリーン化事業などの国が推進している補助金などは受けられません。もし、いくつかの補助金や助成金の条件を満たしている住宅を建築するのならば、比較して最も有利になる制度を利用しましょう。

住まいの復興給付金・住宅省エネ2023キャンペーンは併用可

住まいの復興給付金とは2011年に発生した東日本大震災で被災地に被災住宅を所有していた人が受けられる給付金です。住宅省エネ2023キャンペーンとは省エネリフォーム工事の支援で、3つの支援事業について併用が可能です。

・住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業(経済産業省・環境省)
・こどもエコ住まい支援事業(国土交通省)
・高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金(経済産業省)

どれも国の財源による補助金・助成金ですが、ワンストップで併用可能になったので、条件を満たしているのならば利用をおすすめします。

まとめ

こどもすまい支援事業は令和5年3月まで補助金の申請期間が延長されましたが、締め切りに間に合わなかった人のためのもので、これから新規で利用するのは難しい制度です。

こどもすまい支援事業に間に合わなかった人は令和5年度から始めるこどもエコすまい支援事業の申請を検討しましょう。

建築する建物はZEHや高い省エネルギー性など基準を満たしたもので、申請は建築業者側で進めるので、購入者にとって手間がかかりません。ZEH住宅の購入や省エネリフォーム工事を検討している人は、予算枠に制限があるので、できるだけ早く申請手続きすることをおすすめします。

詳細のお問い合わせにつきましては、              直接「こどもみらい住宅支援機構」へお問い合わせ下さい。

※下記へご連絡頂いてもご対応致しかねますので、ご了承下さい。

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