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2023.03.07

不動産の購入

こどもみらい住宅支援事業の延長はされたけどもう手遅れ?令和5年度の新事業を紹介

令和4年11月に締め切られた「こどもみらい住宅支援事業」ですが、申請期間が令和5年3月31日まで延長されました。

しかしながら、新築住宅の申請者令和4年6月30日までの契約が必須条件なので、これから住宅の購入や建築を検討している人は対象外です。「それなら誰が対象なの?」「代わりになる制度はないの?」と考える人は多いのではないでしょうか。

本記事ではこどもみらい住宅支援事業の延長経緯と、令和5年から始まる新事業のこどもエコすまい支援事業について、こどもエコすまい支援事業の手続きの流れ、こどもエコすまい支援事業のリフォーム工事について解説します。

こどもみらい住宅支援事業が延長されても利用不可?誰のための延長?

令和4年度分は11月に予算枠が上限に達して終了しましたが、先日、令和5年3月末まで申請期間が延長されました。

しかしこれから住宅購入しようと検討している人は、この制度を利用したくても間に合いません。本制度は誰が利用できるのか、どんな背景により延長されたのかを解説します。

こどもみらい住宅支援事業の延長は誰のため?

こどもみらい住宅支援事業の延長は、令和4年6月30日までに住宅の売買契約をした人や、すでにリフォーム工事が完了した人が対象です。もしくは、令和4年11月の締切にぎりぎり申請が間に合わなかった人のための延長です。

こどもみらい住宅支援は子育て世帯や若者夫婦が住宅を購入、既存住宅のリフォーム工事に対して国が補助金を交付して購入支援する制度です。これから住宅の購入や建築を始める人、リフォーム工事を始める人は対象ではありません。

こどもみらい住宅支援事業が延長された背景

本制度が延長された背景にはコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を受けて、原油高や物価高騰による住宅価格上昇への対策があります。

また、住宅や建築物の省エネルギー化、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速する観点から、高い省エネ性能を有した住宅に対する支援として延長されました。

しかし、これから住宅を購入する、建築する人は本制度の補助金申請に間に合いません。その代わり「こどもエコすまい住宅支援事業」が創設されました。

こどもエコすまい住宅支援事業とは?

こどもみらい住宅支援の終了後は、令和5年度からこどもエコすまい支援事業が始まりました。どのような制度で、どんな条件でいくらの補助金が交付されるのでしょうか。

こどもエコすまい支援事業とは

こどもエコすまい支援事業とは子育て世帯や若者夫婦が省エネ住宅を購入する、もしくは省エネリフォームの施行を促進する目的で、補助金が交付される制度です。事業内容はこどもエコすまい支援事業と同じですが、省エネ住宅の条件については段階的に分かれていた補助金額が撤廃され、一律同額の交付と緩和されています。

補助額と条件は以下の内容です。

条件 1戸あたりの上限補助額
新築住宅 ZEH住宅の新築・購入
強化外皮基準かつ再生可能エネルギー消費量-20%に適合するものの新築・購入
100万円/戸
リフォーム (必須工事)
住宅の省エネリフォーム
(任意選択)
子育て対応改修
防災性向上改修
バリアフリー改修
空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事など
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
既存住宅を購入してリフォーム:60万円
それ以外の場合:45万円(その他の世帯)
既存住宅を購入してリフォーム:45万円
上記以外のリフォーム:30万円

出典:国土交通省「こどもエコすまい支援事業 事業概要」

補足事項として、子育て世帯と若者夫婦世帯の要件について解説します。

子育て世帯とは、令和4年4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯、若者夫婦世帯とは令和4年4月1日時点で39歳以下である世帯です。40代、50代の夫婦だとしても、18歳未満の子どもがいれば本制度の対象です。

新築住宅補助金交付の条件

新築住宅における補助金交付の条件はZEH住宅の新築・購入、もしくは基準値以上の性能を有する新築住宅の新築・購入です。

基準地以上の性能を有する住宅には、ZEHのほかに以下の種類があります。

・Nearly ZEH
・ZEH Ready
・ZEH Oriented
・令和4年10月1日以降に認定申請した長期優良住宅
・認定低炭素住宅
・性能向上計画認定住宅

ZEHを含めたこれらの住宅を、注文住宅で新築、新築建売住宅の購入により、こどもエコすまい支援事業の対象になります。

そして、建物仕様の条件に加えて、以下の条件があります。

・購入者が自ら居住するもの
・住宅の延床面積が50㎡以上
・土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域に立地しないもの
・都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨が公表されていないもの。

条件を満たしている建物を新築・購入している、子育て世帯・若者夫婦世帯である、その他の条件も満たしていればこどもエコすまい支援事業の補助金が交付されます。

こどもエコ支援事業の手続きの流れ

こどもエコすまい支援事業の補助を受ける手続きは、条件を満たした住宅を建築することと、申請することです。

どのような流れで手続きを申請すれば良いのでしょうか。注文住宅を建築するケースの補助金申請について解説します。

補助金申請手続きは事業者が行う

こどもエコすまい支援事業を利用して注文住宅の補助を受ける場合は、購入者や施主は手続きしません。補助対象者に代わってハウスメーカーや工務店などの建築事業者が申請手続きをします。そのためには、建築事業者が事前登録している必要があります。

これから注文住宅を発注する場合には確認が必要です。

ZEHの建築

こどもエコすまい支援事業の対象住宅は、ZEH(ゼロエネルギーハウス)や省エネ基準の規定を満たした住宅です。

注文住宅でZEHを建築すれば良いだけなのですが、ZEHを建築できるのは認定を受けた「ZEHビルダー」だけです。そのため、建築する建築事業者が「ZEHビルダー」登録をしていなければ、ZEHを建築できません。

依頼した建築業者がZEHビルダーでなかった場合は、認定低炭素住宅や長期優良住宅もこどもエコすまい支援事業の対象なので、それらの住宅を建築する方法もあります。
「ZEHを建築し、こどもエコすまい支援事業の補助を受けたい」ならば、「こどもエコすまい支援事業の登録事業者」かどうか、「ZEHビルダー」かどうかの2つを確認する必要があります。

申請手続きと補助金の交付

こどもエコすまい支援事業の申請手続きは事前登録している業者が行います。ZEHの建築に関する審査や手続きも同様なので、施主自ら手配するものはありません。

ただし、申請期限は令和5年12月31日までと決まっているため、ゆっくり建物を検討する余裕はありません。

こどもエコすまい支援事業の前身だったこどもみらい住宅支援事業では、予算枠が上限に達したために、申請期限より前に締め切られました。こどもエコすまい支援事業は建物の要件が緩和されているため、より早く予算枠が上限に達すると考えられます。

注文住宅を建築するために検討の時間を掛け過ぎると、申請が間に合わないこともあるので注意が必要です。ZEHを建築するための設計にも時間がかかるので、こどもエコすまい支援事業の補助を利用する場合には早めに行動しましょう。

そして、補助金は申請した登録事業者に交付され、建築代金に充当されるため、原則として直接受け取れません。

こどもエコすまい支援事業で規定するリフォーム工事とは

こどもエコすまい支援事業で補助金の交付を受けるためには条件を満たした住宅の新築や購入のほかに、省エネリフォームも対象です。そして、中古住宅を購入して省エネリフォームすることでも補助金を受けられます。補助対象の範囲が広いので中古住宅の購入を検討しているのならば、検討したい制度です。

必須工事の省エネリフォーム

既存住宅のリフォーム工事でこどもエコすまい支援事業を利用する場合、以下のいずれかの工事が必須です。

・開口部の断熱改修
・外壁、屋根・天井または床の断熱改修
・エコ住宅設備の設置

開口部の断熱改修とは玄関ドアの交換や窓枠・サッシ・ガラスの交換、内窓の設置です。

1箇所あたりの補助額が定められていて、施工箇所数に応じて補助総額が決定します。

手軽に取り組める方法に内窓の設置があり、既存の窓の内側に樹脂製の内窓を設置する工事も対象です。窓枠ごと交換する外窓交換に比べて手軽に取り組める工事で、断熱効果や防音効果に期待できます。

外壁、屋根・天井または床の断熱改修は外壁や屋根、天井に断熱材を充填する工事のことです。こちらも部位ごとに補助額の上限が定められています。中古の一戸建て住宅を購入し、フルリノベーションする場合には断熱材を交換することもあります。その際には積極的に活用したい補助内容です。

エコ住宅設備の設置は、以下の商品を設置した場合に適用されます。

・太陽光発電システム
・高断熱浴槽
・高効率給湯器
・蓄電池
・節水型トイレ
・節湯水栓

太陽光発電システムと蓄電池は新規設置する場合に対象となりますが、それ以外は商品の交換により条件を満たすこともあります。

特に中古住宅を購入して水回り設備の交換や給湯器を交換する人は多いので、設備の仕様を確認することをおすすめします。

任意のリフォーム工事内容とは

こどもエコすまい支援事業では必須工事の省エネリフォームに加え、以下の任意の工事に取り組む必要があります。

・子育て対応改修
・防災性向上改修
・バリアフリー改修
・空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事など

それぞれ具体例を解説します。

子育て対応改修では、家事の負担を軽減させる設備の設置、防犯性の向上に関する開口部の改修、生活騒音に配慮する開口部の改修、キッチンセットの交換をともなう対面化改修についての補助があります。

家事の負担を軽減させる設備は以下の設備が設定されています。

・ビルトイン食洗機
・掃除しやすいレンジフード
・ビルトイン自動調理対応コンロ
・浴室乾燥機
・宅配ボックス

これらの設備は水回りの交換で導入する人も少なくありません。

防犯性の向上と生活騒音への配慮に関する開口部の改修とは、防犯ガラスや防音ガラスの設置工事のことです。

キッチンセットの交換をともなう対面化改修は、既存のキッチンが壁向けに設置してあるならば、キッチンを交換して対面キッチンに回収する工事のことです。対面キッチンはキッチンで作業中にもリビングにいる子どもの様子が分かるので、子育て世帯にとって、導入したい設備と言えるでしょう。

次に防災性向上改修についてです。

防災性改修とはガラスを交換することで、地震や台風や強風による飛散物がガラスに当たっても、割れにくく、ガラスが飛散しづらいようにガラスを交換する工事です。1箇所あたりの補助額が定められていて、施工箇所数に応じて補助総額が決定します。

バリアフリー改修では手すりの設置、段差解消、廊下幅等の拡張、衝撃緩和畳の設置が補助の対象工事です。

子育て世帯や若者夫婦世帯にとってはバリアフリーを意識するのは遠い将来の話のような気がしてしまいます。しかしながら、子どもを抱いていても手すりがあれば立つ・座るときに役立ちますし、子どもが段差につまづく恐れも減ります。もちろん、高齢者になったときの備えにもなるので、検討して損はないリフォーム内容です。

最後に空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置では、冷房能力に応じた補助額に台数を乗じて算定して、合計した補助額として定められます。

引っ越しにともなってエアコンを購入・新設する人は多いので、手軽に取り組める内容です。空気清浄機能や換気機能が付いている必要があるので、事前に登録された型番を確認しましょう。

以上の補助額の詳細は国土交通省が発行する「こどもエコすまい支援事業について」の冊子、12ページ以降に記載があります。
補助額や細かい工事内容などを確認する場合には参照してください。

リフォーム工事の注意事項

リフォーム工事の注意事項も新築住宅の建築と同様で、工事業者が事前登録していなければこどもエコすまい支援事業の補助を受けられません。また、補助金の交付についても同様で、補助金は工事業者に対して交付されるため、原則として直接は受け取れません。

そして、予算枠についても上限に達したら本制度の申請ができなくなるので、こどもエコすまい支援事業の利用を検討している人は、早めの手続き・リフォーム工事をしましょう。

注意事項ではありませんが、リフォーム工事の場合は子育て世帯や若者夫婦世帯以外でも補助金の交付を受けられます。補助額は減りますが、中古住宅の購入やリフォーム工事を検討している人は、工事内容の確認と工事業者の事前登録有無も確認しましょう。

まとめ

こどもみらい住宅支援事業の申請期間が延長されましたが、これから新たに住宅を購入しようと検討している人は対象外です。なので、これから同制度を利用しようと検討している人は「こどもエコすまい支援事業」の利用を検討しましょう。

子育て世帯や若者夫婦世帯では条件を満たした仕様の建物の新築や購入が補助の対象です。

リフォーム工事は条件を満たした工事内容ならば、全世帯が対象です。

いずれにせよ予算枠には条件があるので、本制度の利用を検討しているのならば、早めの行動をおすすめします。

詳細のお問い合わせにつきましては、              直接「こどもみらい住宅支援機構」へお問い合わせ下さい。

※下記へご連絡頂いてもご対応致しかねますので、ご了承下さい。

 

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