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2023.04.03

不動産の購入

不動産担保ローンは金利が重要!金利を低くする方法や相場を解説

不動産担保ローンを利用する際には、金利が重要です。
金利は、借り入れたお金にかかる利息と密接に関係しており、金利が上がると利息も増えます。

多額の融資を受けることが多い不動産担保ローンでは、金利が少し変わるだけで、返済額に数十万円〜数百万円の差が出ることも少なくありません。

この記事では、不動産担保ローン金利における以下のポイントを解説します。

・そもそも不動産担保ローンや金利とは何か
・金利の違いにより生まれるローン返済額の差
・金利を決定する要素
・金利を低くする方法
・不動産担保ローン金利の相場

ポイントを押さえて、不動産担保ローンを正しく検討しましょう。

不動産担保ローンや金利とは?

はじめに、不動産担保ローンや金利について以下を解説します。

・不動産担保ローンのメリットとデメリット
・金利とは何か
・変動金利と固定金利の違い

不動産担保ローンを利用するにあたって大切な基礎知識のため、すでに知っている人もおさらいしておきましょう。

不動産担保ローンとは?【メリット・デメリット】

不動産担保ローンとは、所有している家や土地などの不動産を担保にすることで、融資を受けられるローンのことです。

不動産担保ローンは、担保が要らない「無担保ローン」と比べると以下のようなメリットがあります。

・金利が低い
・借りられる金額が大きい
・返済期間が長い

一方で、担保にした家や土地を手放すことになるリスクもあるため、注意が必要です。

不動産担保ローンの返済が万が一できなくなってしまった場合、担保である不動産に対して「抵当権」が実行されます。

抵当権が実行されると不動産は競売にかけられ、不動産と引き換えに得た代金をローンの返済に充てることになるのです。

不動産担保ローンには、他にも以下のようなデメリットがあります。

・審査内容が厳しい
・ローンの申請から融資まで時間がかかる

不動産担保ローンの利用は、メリットとデメリットを把握したうえで検討することが大切です。

金利とは?

金利とは、ローンで借り入れたお金に対する利息の割合のことです。利率とも呼ばれています。
各金融機関が設定する金利は「年利◯%」と表されることが多く、年利とは1年分の利息のことです。

金利は半年ごとに見直しが行われます。
金利が変動する主な要因は、日本銀行が経済の活性化のために行う経済政策です。

景気が良くなると、買い物をするためにお金を借りる人が増えるため、金利が上がります。
反対に不景気になると金利は下がります。

景気が良いときはお金を借りづらくし、不景気のときはお金を借りやすくすることで、資金需要のバランスを整えているのです。

金利には「変動金利」と「固定金利」があり、基本的にどちらかを選べます。
以下に詳しく見ていきましょう。

【変動金利】

変動金利とは、半年ごとに見直される市場の金利に合わせて、ローンに適用される金利が変動する商品のことです。金利が上がると利息も増えるため、月々のローン返済額やローンの返済総額が増えてしまいます。

反対に金利が下がると返済額も減るため、ローンを借り入れる段階では返済総額を把握できません。変動金利は、次に解説する固定金利よりも金利が低く設定されているケースが多いです。

【固定金利】

固定金利とは、ローンの借り入れ時から返済が終わるまで金利が変わらない(=固定される)商品のことです。代表的な固定金利に「フラット35」が挙げられます。

固定金利は、変動金利よりも金利が高い傾向にありますが、ローンの借り入れ時に返済総額を把握することが可能です。また「固定金利選択型」の場合、一定期間が過ぎた後は固定金利もしくは変動金利のどちらかを選べます。

金利の違いによる返済額のシミュレーション

不動産担保ローンにおいて、金利が上がると利息が増えるため、結果的に返済額も増えることになります。とくに借り入れ金額が大きい場合は利息も高く付くため、利息を決める金利はとても重要です。

3,000万円の不動産担保ローンを30年かけて返済する場合の、金利の違いによる返済額のシミュレーションを見てみましょう。

金利 返済額(月々) 金利3%の返済額との差
3% 126,481円
5% 161,046円 +34,565円
10% 263,271円 +136,790円

金利の違いによって、返済額に大きな差が出ることがわかります。

利息や返済額の計算方法は、返済方法や支払い時期などによって変わるため、実際に不動産担保ローンを利用する際は金融機関に確認してください。

金利を決定する5つの要素

不動産担保ローンの返済額に大きく影響する金利は、主に以下の5つの要素で決まります。

・返済期間
・収入
・担保にする不動産の価値
・借り入れ金の使い道

それぞれ詳しく見ていきましょう。

返済期間

「不動産担保ローンを何年かけて返済するか」は、金利に大きな影響を与えます。
返済期間の長さと金利は単純な比例関係ではなく、以下のような条件によって変わります。

・固定金利と変動金利のどちらを選ぶのか
・固定期間選択型の場合、固定金利期間の長さはどのくらいか

無理のない返済期間と返済額を金融機関に相談したうえで、金利タイプごとに金利をシミュレーションしてもらいましょう。自身の状況において、金利が高くなるパターンと低くなるパターンを知ることが大切です。

収入

不動産担保ローンを利用する人の収入が高いほど、金利は低く設定されます。
収入が高いと返済能力も高いと判断され、融資条件が優遇されるのです。

また収入が高くても、すでに他のローンを利用しているなどの理由で支出が多い場合は、返済能力が低いと判断されてしまうこともあります。

担保にする不動産の価値

不動産担保ローンを利用するにあたって、担保にする不動産の価値も金利に影響します。不動産担保ローンの融資額が無担保ローンに比べて大きい理由は、担保があることで一定の金額が保証されているためです。

金融機関は、不動産担保ローンの債務者からローンを回収できなくなった場合、担保になっている不動産を競売にかけることでローンを回収します。担保になる不動産の価値が低いと、ローンを回収できなくなるリスクが高まるため、金融機関は安心してお金を貸せません。そのため、金融機関はリスクの高い人に対して金利を高くする傾向にあります。

反対に、価値の高い不動産を担保にすることで、金利を低くすることもできます。

借り入れ金の使い道

「不動産担保ローンを何に使うのか」という借り入れ金の使い道も、金利を決定する要素の1つです。借り入れ金の使い道は、審査の際に確認されます。

例えば、事業のために不動産担保ローンを利用する場合、以下のような借り入れ金の使い道が考えられます。

①事業の赤字を借り入れ金で補填する
②借り入れ金を使って、上手くいっている事業をさらに拡大する

①は②に比べて、返済ができなくなるリスクが高いと判断され、金利が高くなりやすいです。

不動産担保ローンで金利を低くする方法

不動産担保ローンで金利を低くするためには、以下の3つが効果的です。

・返済比率を下げる
・担保にする不動産の価値を上げる
・返済計画を明確にする

前の章で解説した「金利を決定する5つの要素」も深く関係してきます。
1つずつ詳しく見ていきましょう。

返済比率を下げる

返済比率を下げることで、金利を低くすることができます。

返済比率とは、収入に対する不動産担保ローン返済額の割合のことです。例えば、年収が500万円で返済比率が10%の場合は、年間のローン返済額は50万円になります。

返済比率が上がると、不動産担保ローンの返済ができなくなるリスクも上がります。

融資をする金融機関としては、返済比率が低くて返済計画に余裕がある人のほうが安心できるため、金利を低くして優遇しているのです。

返済比率を下げるための方法としては、以下が挙げられます。

・収入を増やす
・借り入れ額を減らす
・返済期間を長くする

最も現実的な方法は、借り入れ額を減らすことです。

担保にする不動産の価値を上げる

担保にする不動産の価値が高いほど、金利は低くなります。
「不動産の価値は変えられない」と思っている人は少なくありませんが、工夫次第では不動産の価値を上げることができます。

家や土地といった不動産の価値を上げるための具体的な工夫例は、以下のとおりです。

・リフォームを行い、住みやすく綺麗な家にする
・敷地内の草木などを整える
・駅からの近さや周辺環境の良さなど、メリットをアピールする
・これから開発が進む地域であれば、将来性をアピールする

担保にする不動産を査定してもらう際には、不動産が持つ魅力を最大限に主張しましょう。

返済計画を明確にする

不動産担保ローンの返済計画を明確にすることで、金利を低くしてもらう方法もあります。

事業の赤字補填など、借り入れ金の使い道によっては返済できなくなるリスクが高いと判断されてしまい、金利が高くなる可能性があります。

しかし、事業計画書などを用いて返済計画を明確にすることで、金利を低くしてもらうことが可能です。前提として、返済計画や借り入れ金の使い道は、現実的かつ正しい内容で申告しましょう。

不動産担保ローン金利の相場【比較】

不動産担保ローンにおける金利の相場を、金融機関ごとに比較します。

不動産担保ローンを取り扱う金融機関は、主に以下の3つです。

・銀行
・ノンバンク
・ろうきん

ノンバンクは、お金を貸すことに特化した金融機関で、銀行のような預金の受け入れは行いません。代表的なノンバンクとして、クレジットカード会社や消費者金融業者が挙げられます。

ろうきんとは「労働金庫」の略で、労働組合や生活協同組合がお互いに助け合うために作った福祉金融機関のことです。営利目的ではなく「労働者とその家族の生活が豊かになること」を目的としています。

銀行・ノンバンク・ろうきんは、それぞれ金利の相場が異なります。

銀行・ノンバンク・ろうきんの金利

銀行・ノンバンク・ろうきんの不動産担保ローン金利の相場は、以下のとおりです。

金融機関 金利の相場
銀行 1.0%〜9.0%
ノンバンク 3.0%〜10.0%
ろうきん 0.8%〜3.0%

ノンバンクは金利が高い傾向にありますが、銀行やろうきんと比較して融資可能額が高く、審査が通りやすいというメリットがあります。

金融機関ごとの具体的な金利

不動産担保ローンでよく利用されている金融機関の、具体的な金利を紹介します。
同じ銀行やノンバンクだとしても会社ごとに金利が異なるため、細かく見ていきましょう。

なお、2023年2月時点の金利のため、最新情報は各金融機関のホームページから確認してください。

【銀行】

銀行の不動産担保ローンは、ノンバンクやろうきんよりも審査が厳しい傾向にあります。
しかし、使用頻度や知名度が高く安心感があることから、選ばれることが多いです。

金融機関 変動金利 固定金利
楽天銀行 1.24%〜10.00%(5年毎見直し)
りそな銀行 2.775%〜9.900%
東京スター銀行 0.85%〜7.85% 1.50%〜9.10%

変動金利や固定金利といった金利タイプは、金融機関によって指定されている場合もあります。

【ノンバンク】

ノンバンクは借り入れのハードルが低く、銀行で融資を受けられなかった人でも対応してもらえる可能性があります。

金融機関 変動金利 固定金利
アサックス 1.95%〜6.90%
セゾンファンデックス 2.75%〜4.55% 4.5%〜9.9%
SBIエステートファイナンス 2.40%〜7.50%

ノンバンクは以下のような諸費用が高く付くケースが多いため、金利以外の融資内容もよく確認しておくことが大切です。

・融資取扱手数料
・事務手数料
・繰り上げ返済にかかる違約金

【ろうきん】

ろうきんの不動産担保ローンを利用する場合、居住エリアを管轄する支店への申請が必要です。

ここでは関東エリア(東京・神奈川・千葉・埼玉・山梨・茨城・栃木・群馬)を管轄する中央労働金庫の金利を紹介します。

利用者の所属 変動金利 固定金利
労働組合の会員 0.625% 1.550%
労働組合の非会員 or 生協会員 0.725%〜0.825% 1.650%〜1.750%

ろうきんは、労働組合の会員だと金利が安くなります。

まとめ

不動産担保ローンの金利は、債務者の収入や担保にする不動産の状態など、複数の要素から決定します。借り入れる金額によっては、金利が少し増えるだけでも返済額が跳ね上がるため、金利を低くすることが大切です。

不動産担保ローンを融資してくれる金融機関は、ローンを回収できなくなるリスクを減らすため、返済能力が高い人の金利を低くして優遇する傾向にあります。この記事で紹介した「金利を低くする方法」を参考にして、返済能力の高さをアピールしましょう。

また、金利などの融資条件は金融機関ごとに異なります。複数の金融機関を比較したうえで、適切な不動産担保ローンを選んでください。

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