2023.07.27
不動産の購入
【独身女性年収300万円!】マンションを購入することはできるのか?
ずっと賃貸に住み続けていると、
「家賃がもったいない」
「老後が心配」
「どうせ家賃を払い続けるなら資産になる方が良い」
と感じ、マンションやマイホームを購入したいと考える方は多いのではないでしょうか。
しかし年収300万円の独身女性の場合、年収や雇用形態によってマンションの購入を諦めている方もいます。買える物件価格や月々の返済額はどのくらいなのか気になる方も多いでしょう。
そこで本記事では
- 年収300万円の独身女性でもマンションを購入できるのか
- 無理なく返済できる金額はいくらなのか
- 住宅ローンを組むと月々いくらの返済になるのか
- 住宅ローン審査を通りやすくするコツ
などを徹底解説します。後悔せず夢のマイホーム購入ができるよう、ぜひ参考にしてください。
独身女性年収300万円でもマンションを購入できる?
結論から述べると、年収300万円の独身女性もマンションを購入できます。
住宅金融支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」によれば、フラット35の利用者のうち、世帯年収が400万円以下の割合は22%でした。フラット35とは、長期固定金利型住宅ローン制度のことです。このように、年収300万円の方でもマイホームを購入している方は多くいます。
年収に応じて購入できる物件価格を調べるために、2つの指標があります。年収倍率と、返済比率です。下記で具体的に解説します。
年収300万円で借りられる住宅ローンの金額とは
年収倍率を元に考えると、年収300万円で借りられる住宅ローンの金額は1,500~2,100万円が目安です。
自分が借りられる住宅ローンの金額を調べるための、年収倍率という指標があります。年収倍率とは「物件価格÷年収」で求められ、物件価格が年収の何倍にあたるかを示す指標です。年収倍率は5~7倍が良いとされています。
しかし、地方によって年収倍率は異なります。たとえば地方と首都圏を比較すると、首都圏の方が物件価格が高いため年収倍率は高くなることが多いです。あくまで目安としましょう。
5~7倍と幅がある理由は、住宅ローン金利が3~4%以上と高かった時代、年収倍率は5倍までと言われていました。しかし超低金利が続く現在は、金利が低くなった分借りられる金額が増え、6~7倍までと言われることが多くなったためです。
つまり、年収300万円の場合1,500~2,100万円が借りられる住宅ローンの目安になります。
しかし年収倍率を元にした考え方は、あくまで「借りられる金額」であり、「無理なく返済できる金額」ではないことに注意しましょう。
返済比率を目安にした場合に借りられるローン額
無理なく返済できる金額をもう少しイメージするため、返済比率からも試算してみます。返済比率とは年収のうち住宅ローンの支払い額に占める割合のことです。返済負担率とも言います。金融機関や年収によって返済比率の目安は少し異なり、フラット35では年収ごとの返済比率の目安を以下のように示しています。
- 年収400万円未満:返済比率30%以下
- 年収400万円以上:返済比率35%以下
このように、返済比率と金利によって借入可能額と返済額が変わります。返済比率を上げれば借入可能額も増えますが、その分毎月の返済額が多くなり負担が増えます。また、金利によって500万円ほど借入可能額に差が開くため、購入できる物件も変わるでしょう。
住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)によれば、変動金利を選ぶ人は全体の7割を占めています。しかし変動金利は将来この水準をずっと保てるのかわかりません。不安がある場合は固定金利を選択して「安心を買う」のも良いでしょう。
そのほかに注意しなければならないのは、毎月の支払いは住宅ローンの返済だけではない点です。このほかにマンションの管理費や修繕積立金などの維持費がプラスされることも踏まえて、毎月の支払いに無理が生じないようにしなければなりません。後述しますがプラス2~3万円かかる場合もあります。
残りの生活費まで落とし込んでみましょう。年収300万円の場合、毎月の手取り額は約20万円です。20万円のうち住宅ローンと維持費を支払った残りが生活費に充てられます。
なお、返済比率が高いと生活費が10万円を切る場合もあります。住宅ローンで毎月の支払いに無理が出ないよう、ゆとりを持った資金計画を立てましょう。
年収300万円で住宅ローン審査を通すコツ
住宅ローンでは申込者の年収、勤務状況、健康状態などを元に審査を行います。年収300万で住宅ローン審査を通すコツを紹介します。
大きく頭金を用意する
貯金をして出来る限り頭金を多く用意しましょう。金融機関に対して支払う覚悟を示し、信用を高めることが可能です。そのほか、条件によっては金利が下がったり、返済額を減らしたりできるのも大きなメリットです。
目安は物件価格の20%が理想ですが、10%など少しでも用意できると良いでしょう。現在は低金利水準が続いているため、頭金ゼロのフルローンも組める場合がありますが、審査は厳しくなる傾向があります。
フラット35を利用する
フラット35とは、最長35年の長期固定金利型の住宅ローン制度です。住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供しています。
フラット35の住宅ローン審査は、民間の金融機関の住宅ローン審査よりも基準が緩く設定されています。民間の金融機関では収入のほかに勤務状況なども審査の対象になっていますが、フラット35の収入の要件は前述の返済比率を元に条件を設定しているため、非正規雇用の人や健康状態に心配がある方も通りやすい住宅ローンです。
フラット35は人物重視ではなく物件を重視して評価しているのも特徴です。収入の要件は安定した収入があることを証明できれば良いですが、その代わり住宅金融支援機構が定める物件の審査を受ける必要があります。
フラット35と変動金利のメリットとデメリットは以下の通りです。
【フラット35のメリット】
- 金利が一定
- 最初に返済額が確定する
- 審査基準が緩め
- 団信の加入は任意
【フラット35のデメリット】
- 変動金利より返済額が大きくなる可能性がある
- 諸費用や頭金は借入不可
- 物件審査が厳しめ
【変動金利のメリット】
- 固定金利より金利が低い傾向がある
【変動金利のデメリット】
- 将来の金利変動リスクがある
- 団信の加入は必須で選べない
変動金利は固定金利よりも金利が低いですが、金利が将来どのように変わるか予知することはできません。フラット35の固定金利は一律で安心です。初めに返済額が確定するので将来設計やライフプランが立てやすくなります。
変動金利より金利が高くなるものの、これは安心料と捉えられるでしょう。物件を購入する時点で固定金利水準が高すぎると感じなければ、フラット35を利用するのは大きなメリットになります。
収入合算を利用する
収入合算とは夫婦や親子などで収入を合算して住宅ローン審査を受けることです。収入源が増えるので住宅ローン審査が通りやすくなったり、借入額が増やせたりするメリットがあります。
結論から伝えると、収入合算する場合は連帯債務型がおすすめです。連帯債務者の住宅ローン控除が受けられ、団体信用生命保険にも加入できる場合があるからです。連帯保証型は借金を肩代わりするだけで、とくにメリットがありません。
しかし連帯債務型で収入合算できる金融機関は、フラット35以外だと数が限られています。フラット35は連帯保証型やペアローンが組めないので、自動的に連帯債務型になります。注意点は、フラット35は連帯債務者が夫婦ではない場合、団体信用生命保険は1人しか加入できない点です。
もし収入合算で連帯債務型を選ぶならフラット35、2人とも住宅ローン控除を受け団体信用生命保険にも加入したい場合はペアローンという選択肢もあります。
簡単に言うと収入合算は契約を1つ、ペアローンは契約を2つ結ぶ違いがあります。契約が1つである収入合算の方が諸費用は安くなりますが、数万程度の違いのためペアローンを考えてみるのも良いでしょう。
独身女性年収300万円の場合は無理せず賃貸を検討することも必要
「賃貸か購入か」これは永遠のテーマですが、コストや将来のライフイベントによっては賃貸の方が良いこともあります。
生涯にかかるコストと月々のランニングコストを比較する
具体的にコストの比較をしてみましょう。マンションの維持費は2~3万かかる可能性があると述べました。国土交通省の平成30年度マンション総合調査結果によれば、1戸当たりの管理費の平均は15,956円で、修繕積立金は12,268円、合計28,224円でした。
東日本不動産流通機構によれば、首都圏中古マンションの2020年度の平均は1戸当たり管理費12,480円、修繕積立金は11,071円、合計23,551円でした。
生涯にかかるコストを考えて、お得に賃貸に住み続けるのも1つの選択肢になるでしょう。ただし、マイホームにはプライスレスな価値があるのも事実です。コストを比較し、自分の価値観と照らし合わせて検討しましょう。
結婚や出産など将来に起こるイベントも視野に入れる
住宅ローンは35年で組む場合が多いですが、長い人生、何があるかわかりません。結婚や出産で住まいを変えたくなる可能性もあるでしょう。
ライフイベントのほかに、トラブルが発生する可能性もあります。近隣に騒音を出す人や迷惑をかけてくる人が引越して来たとき、身の危険を感じるトラブルが起きたときは引越しを考えるでしょう。
住まいを変える場合、購入したマイホームを売却したり賃貸に出すことになるため、資産価値の高い物件を購入しておくのが安心です。資産価値の高い家は具体的に下記のような物件です。
- 駅近の物件
- 築年数の浅い物件
- 人気エリアの物件
- 周辺環境の良い物件
このような物件が運良く希望の価格で購入できれば良いですが、資産価値に応じて物件価格は高くなるのが通常のため、返済が苦しくなってしまいます。
資産価値が低い物件は買い手が見つからず売却しにくいため、住宅ローンの返済が残ってしまう恐れがあり、身動きが取れない状態に陥る可能性があります。
このように将来結婚や出産、介護などさまざまな理由でマイホームを手放す可能性があるなら、賃貸に住み続けておく方が良い場合もあるでしょう。
年収300万円で家を購入する際に見るべきポイントとは?
年収300万円で家を購入する際に見るべきポイントは、まず第一に予算です。無理のない資金計画を立ててから、予算に沿った物件を探すことが大切です。予算を意識せずに内見を始めてしまうと、素敵なマンションに夢を見て、無理な資金計画を立ててしまう可能性があります。
住宅ローンの借入額は返済比率が20~25%の範囲で設定し、返済が苦しくならないようにしましょう。
物件価格が2,300万円であれば、頭金は230万円、諸費用は161万円ほどかかります。自己資金として400万円ほど必要ですが、初期費用を払って貯金がすべてなくならないようにしましょう。病気や将来の突然の出費に備えて、住宅ローンも貯金も余裕を持たせることが大切です。
そのほか、資産価値が高い物件に加えて、セキュリティがしっかりした物件を選ぶこともおすすめです。
マンションを購入すると、簡単に引越すことはできなくなります。とくに独身女性の一人暮らしであればトラブルに巻き込まれないようにしたいものです。マンションの機能と周辺環境をチェックしましょう。たとえば以下のようなポイントを確認してください。
- 防犯カメラ
- コンシェルジュや管理人が常駐
- TVモニター付きインターホン
- カードキーまたはディンプルキー
- 玄関がダブルロック
- 警備システム(セコムなど)
- 内廊下
- 周辺に街灯があるか
最寄り駅から一人で歩いて不安にならないか、治安や夜道を実際に確認するようにしましょう。さまざまな時間帯で内見するのも良いです。また、独身女性は実家から近い物件を選ぶのもおすすめです。何かあったときにはお互いに助け合えるため、安心です。
まとめ
年収300万円の独身女性でもマンションの購入は可能です。
ポイントは無理のない資金計画を立てることです。自分の年収に合わせた借入額と物件を選べば返済に苦しむことはありません。
マンションの購入を諦めていた方、ぼんやりと不安を感じていた方はぜひ本記事を参考に自分の城を手に入れてみてください。