2022.12.02
不動産の購入
意外と知らない住宅ローンの事実!平均額から分かるローン返済の流れ
住宅の購入を検討している人の中には、住宅ローンがどのようなものなのかを知りたい人も多いでしょう。大きなお金が動くことになる住宅の購入において、住宅ローンを組むことは避けられません。今回は住宅ローンの“平均”についてまとめてみました。お金のプロに相談しながらローン計画を練ることが1番ですが、その前にまず住宅ローンについて知っておきましょう。
家を建てる前に住宅ローンの平均額を知ろう!
住宅の購入は人生最大の買い物とも言われます。住宅ローンの知識を持っておくことで、自分が購入する時のイメージが湧くと思います。できる限り具体的なイメージを持って住宅購入に臨むために、今回は住宅ローンに関わる“平均”についてまとめてみました。他の人がどのように住宅ローンと向き合っているのかを把握していきましょう。
〇住宅ローンの平均借入額
国土交通省住宅局が発表している令和元年度の住宅市場動向調査報告書では、分譲戸建住宅と分譲マンションの住宅ローンの金額が発表されています。分譲戸建住宅では約3976万円、分譲マンションは約4145万円でした。さらに国土交通省によると、購入資金の内訳は主に「預貯金」「有価証券の売却代金」「退職金」と発表されています。
一括で購入することはかなり稀で、長期間のローンを組んで返済していくのが主流です。住宅ローン以外にも車のローンなど、月々の支払いを他にも行っているという家庭も多いそうです。他の支払いや月々の支出も十分に考慮した返済計画を練っていくことが肝心です。
〇年齢別住宅ローン返済平均額
住宅ローンの平均返済金額は約8.7~10.9万円です。しかし残念ながら、年齢別の住宅ローンの平均返済金額はわかりません。住宅は購入する人の数だけ様式や年収が異なり、住宅ローンを計画する年齢も分かれるためでしょう。
家を建て始める年代で、1番多いのは30歳代です。住宅ローンの完済年齢を考えると、住宅購入の検討は30歳代の内に進めると良いでしょう。
家の購入にはいくら必要?
住宅ローンの平均額がイメージできたあとは、実際に家の購入にいくらかかるのかを知っていきましょう。注意しておきたいポイントとして、家の建設と土地の購入は別勘定です。事前にいくつかのポイントを抑えることで、実際に購入する際に話がスムーズに進みます。
〇家の建設にかかる平均金額
「建設費用」には家そのものを建設するための費用である「本体工事費」、ガス管や土地の整備費用である「別途工事費」、さらに「地鎮祭の費用」が含まれています。2階建てや庭付きなどの細かい仕様によって大きく変動しますが、建設費用の平均は3163万円です。土地付き注文住宅になるともう少し値段は上がります。
全国平均は4039万円で、1番高い東京都は5592万円でした。最も安い鳥取県は3051万円と、2000万円以上も差がついています。土地付き住宅は地価が価格に大きく影響を及ぼすため、購入する際は注意が必要です。ちなみに、それぞれの平均額は目安程度に覚えておきましょう。ハウスメーカーや金融機関に自分の理想の住宅条件を相談しながら、身の丈にあった金額に収めるとベストです。
〇土地の購入にかかる平均金額
「土地購入費」は手付金10%を含んだ「土地代」、「不動産売買契約書への印紙代」、「仲介手数料」が含まれています。土地付き注文住宅を購入する際の土地取得費は、全国平均では1382.5万円です。地域別では、首都圏で2241.7万円、近畿圏で1594.1万円、東海圏で1258.7万円、その他地域で924万円となっています。
土地の金額は地域差があるので、住宅を建てる際の合計金額に大きく影響するポイントです。プロに相談する前に購入を検討している地域の土地の値段を頭に入れておくと、話し合いがスムーズに進行します。
家の購入に使える頭金を把握しよう
「頭金」とは先払いをする費用のことです。頭金を支払うことによって月々のローン返済額を下げることが可能です。頭金を増やすと、その分ローン返済額の利息が減っていきます。そのため頭金の支払いは今後の返済計画に深く関わってきます。頭金に関する平均額をまとめたので、一緒に学んでいきましょう。
〇家を買う際の頭金の平均額
頭金の平均額は購入する住宅のタイプによって変動します。注文住宅の場合は636.5万円、土地付き注文住宅の場合は447万円です。住宅購入費用に対する頭金の割合も同様に変動しています。注文住宅の場合は全体の18.7%、土地付き注文住宅の場合は全体の10.9%です。事前に支払う金額としては大きな数字ですが、今後の返済に影響すると思えば支払う価値があると思います。
〇生活に必要なお金は残して用意しよう
頭金を多く払えば払うほど、ローンの支払いが楽になります。しかし住宅を購入してからの生活に影響を及ぼしてしまっては本末転倒です。具体的には現在の生活費の6カ月分は貯蓄を残しておけば、ローンの支払いを含めた生活も安定するでしょう。また家族が増えた時や子供の進学等でもお金はかかります。6カ月より先の出来事も見据えた計画を練ることができれば、さらに安定した返済ができます。
〇頭金なしでローンを組む場合の注意するポイント
頭金が無くても住宅の購入は可能です。しかし頭金を支払わないと借入額が大きくなるので、支払うローンの総額と利息が増えてしまいます。また住宅の建設にかかった諸経費は住宅ローンに含めることができないため、現金での支払いが必要になるケースがあります。頭金などの事前の支払いをなくしても、建設諸経費は支払わなければならないので完全に手持ち金ゼロの購入はできません。住宅を購入した後の返済プランや、生活費としっかり照らし合わせて頭金を支払うかどうかを決定しましょう。
住宅ローンはいくら組める?
住宅ローンに“限度額”はありません。金融機関が年収、返済負担率、完済年齢を計算して借入可能額を決定します。そのため住宅ローンを組む金融機関と綿密な打ち合わせを重ねる必要があります。借りることができた金額は、理想の住宅の実現に直結します。平均的な借入額を想定しておくことで、購入する住宅のイメージも固まるでしょう。
〇年収の7~10倍が平均的
年収を審査する際には、どのような会社に勤めているのかという情報まで金融機関に提示しなくてはなりません。土地付き注文住宅を購入した人の場合、年収の7.3倍が借入可能額の平均でした。ちなみに、この数値はあくまで目安です。地域や年収によって大きく変動する数字なので、金融機関としっかり情報交換を行いましょう。
〇返済金額は月収の2割以下に抑えよう
“返済負担率”を計算すると、住宅ローンの返済プランが明確になります。返済負担率とは、年収に占める住宅ローンの返済額の割合のことです。金融機関や年収によって返済負担率は変動しますが、一般的には2割以下程度に抑えておくと安心だとされています。もちろん自身の生活費や月々の支出によって変動する数字なので、その人にあった返済負担率を算出する必要があります。プロに相談する前に、生活にお金がいくらかかっているのかを細かく把握しておくといいでしょう。
〇ローン返済期間は何年?
住宅ローンの完済年齢は金融機関によって限度が決められています。70~80歳と定めている金融機関がほとんどですが、その年齢まで返済を続けるのは現実的ではありません。しかし昨今の晩婚化によって住宅を所有する年齢が繰り上がっているため、計画上の完済年齢の平均は73歳となっています。ただあくまで計画上の数字なので、返済次第ではもっと短縮される場合もあります。後ろ倒しになると利息も増えるので、可能な限り早めの返済を目指しましょう。
家を買った後のローン返済をシミュレーションしてみよう
住宅ローンの返済は、1度シミュレーションしておくといいでしょう。金融機関やハウスメーカーに相談することもできますが、お金のプロであるファイナンシャルプランナーへの相談がおススメです。資金運用について知識が深いファイナンシャルプランナーであれば、金融機関とはまた違ったアイデアをくれるかもしれません。住宅の購入は人生を変えるお買い物になるので、様々な可能性を考慮してから臨みましょう。
〇買ってから後悔しないために
最近ではインターネットで簡単に住宅を検索できます。さらに住宅ローンのシミュレーションをネット上で行うこともできます。しかしそれはあくまで目安に過ぎません。住宅にかけるお金の使い方は購入する人によって千差万別です。
平均や目安でイメージを固めた後には、必ずプロに相談してください。その人のパターンに適した返済プランや資金運用を知るためには、直接ファイナンシャルプランナーとコンタクトを取ると良いでしょう。また住宅購入を後悔している人の中には「固定資産税が高い」と嘆いている人もいます。固定資産税とは住宅を購入すると毎年支払わなければならない税金のことです。住宅建設費以外に目が向いていないと後悔することになってしまいます。お金のプロに相談することで、広い視野を持って問題を潰していくことができるでしょう。
〇お金のプロに相談しよう
ファイナンシャルプランナーは、その人のライフスタイルに寄り添った資金運用方法を導き出してくれます。税理士や弁護士などの他職種のプロとも連絡を取り合いながら進めてくれることもあります。相談にかかる費用は無料で、プロが直接相談に乗ってくれます。少しでも不安要素があるのなら、1人で悩まずに相談しましょう。
住宅ローンの平均|まとめ
住宅ローンに関する“平均”を紹介しました。平均を知ることで、住宅を購入するプランが練りやすくなるはずです。あくまで平均的な数値なので、自分のライフスタイルに合った数値を算出してください。プロの手も借りながら、満足のいく住宅ローン計画を立てましょう。