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2022.03.03

土地の購入

土地の固定資産税計算方法まとめ【税金を下げる方法とは?】

固定資産税は、土地を持っていると毎年かかります。

固定資産税の計算で重要なポイントは、土地の広さや価格です。
さらに、建物が建っていない土地だけの状態だと、固定資産税が高くなります。

本記事では、固定資産税の計算方法や税負担を軽くする方法について紹介していきます。

土地の固定資産税とは?仕組みを解説

土地には固定資産税が毎年かかります。
固定資産税の計算式は、以下のとおりです。

土地の固定資産税=土地の課税評価額×税率(1.4%)

税率は固定されているため、土地の課税評価額によって固定資産税の金額が変わります。

固定資産税の決定者・納付先は市区町村

固定資産税は地方税のひとつであり、決定者および納付先は市区町村です。
土地の価格は大きく変動するものではないため、固定資産税は市区町村にとって安定した税収のひとつになっています。

土地のみの固定資産税の計算方法

建物が建っていない土地の固定資産税の計算方法を解説します。

計算式は以下のとおりです。

土地の固定資産税=土地の課税評価額×税率(1.4%)

課税評価額は、土地の種類や用途によって計算方法が異なります。
以下に詳しく見ていきましょう。

土地の固定資産評価額を計算する

土地が宅地の場合、課税評価額には「固定資産税評価額」を使用します。
固定資産税評価額は、公示地価の7割程度の金額になるように調整されています。
公示地価とは、国土交通省が毎年発表している土地の評価額のことです。

固定資産税評価額は3年ごとに評価され、直近では令和3年に評価が行われました。

固定資産税評価額の確認方法を紹介していきます。

課税明細書で確認する

固定資産税の納税通知書とあわせて届く課税明細書を見れば、固定資産税評価額を確認できます。
課税明細書の「価格」の欄に記載されているのが、固定資産税評価額です。

固定資産税評価額は、固定資産税の納付時だけでなく、相続の発生時などでも確認しなければなりません。そのため納税後も、固定資産税納税通知書や課税明細書は保管しておきましょう。

固定資産税評価証明書で確認する

固定資産税の納税通知書や課税明細書が見つからない場合は「固定資産税評価証明書」を取得し、固定資産税評価額を確認しましょう。

固定資産税評価証明書には、固定資産課税台帳に登録されている以下の情報が載っています。

・固定資産評価額
・土地の所有者や所在地

固定資産税評価証明書を取得する際には、本人確認書類と手数料を添えて、役所の担当窓口に申請します。相続などにより自宅から離れた土地の固定資産税評価証明書を取得したい場合、郵送での申請も可能です。その際には、手数料分の定額小為替や返信用封筒などを担当窓口に郵送します。

固定資産税評価証明書の取得方法や郵送での申請方法は、自治体によって異なる場合があります。
申請する役所のHPなどをよく確認し、必要書類や手数料の用意をしておきましょう。

固定資産税路線価から計算で確認する

これから購入する土地の場合、課税明細書や固定資産税評価証明書を入手できない可能性もあります。
そのようなときには「固定資産税路線価」から、固定資産税評価額を計算しましょう。

固定資産税路線価は、市区町村が定めており、名前のとおり固定資産税を計算するときに使います。

一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」を使用すると、固定資産税路線価を調べられます。全国地価マップで表示された路線価に土地面積を掛けて、固定資産税評価額の大まかな金額を計算する流れです。

また計算するよりも、仲介してくれる不動産会社に聞いたほうが早いケースもあります。そのため、自分で固定資産税路線価を調べて計算しなければならない状況は、それほど多くありません。

課税評価額を計算する

固定資産税評価額をそのまま固定資産税の計算に用いるのではなく、実際には課税評価額を使用します。

基本的に固定資産税評価額=課税評価額となりますが、以下の場合、課税評価額が固定資産税評価額よりも低い金額になります。

・特例が適用される場合
・土地の価格変動により、税負担の調整が行われる場合

特例とは「住宅用地にかかる課税評価額の特例」のことです。
住宅用の土地にかかる税負担を減らす目的で用意されており、土地の広さによって以下のように区分されています。

・小規模住宅用地(ひとつの住宅につき200㎡までの土地)
・一般住宅用地(小規模住宅用地に当てはまらない住宅用の土地)

小規模住宅用地に当てはまる場合、固定資産税評価額の6分の1が課税評価額として計算されるため、節税効果が大きいです。

一般住宅用地の場合、課税評価額は固定資産税評価額の3分の1として計算されます。

固定資産税を計算する

固定資産税は「土地の課税評価額×1.4%」で計算します。

課税評価額が確認できたら、実際に税率をかけて固定資産税を計算してみましょう。
なお固定資産税は100円未満、課税評価額は1,000円未満が切り捨てされます。

例えば課税評価額が3,000万円の土地の場合、固定資産税は3,000万円×1.4%=42万円です。
固定資産税の支払いは年4回の分割方式であるため、実際には42万円÷4=10.5万円ずつ納付することになります。

都市計画税を計算し合算する

土地にかかる税金は固定資産税だけでなく、都市計画税もあります。

都市計画税とは、市街化区域内に土地や建物を持っている人にかかる税金のことです。
土地区画整理事業や都市計画事業の費用に充てることを目的としています。

都市計画税の計算式は以下のとおりです。

都市計画税額=土地の課税評価額×税率(最大0.3%)

税率は市区町村によって異なりますが、上限は0.3%と決められています。

課税評価額が3,000万円の土地の場合、都市計画税は3,000万円×0.3%=9万円です。
先ほど例に出した固定資産税と合わせて、51万円を1年間で納付する必要があります。

土地のみの固定資産税はいくら?建物ありとあわせてシミュレーション

住宅が建っている土地には、住宅用地にかかる課税評価額の特例が適用されるため、固定資産税の金額が下がります。

特例を使用した場合と、使用しなかった場合の計算例を比較してみましょう。
比較結果をわかりやすくするために、都市計画税に関する計算は省略しています。

【住宅が建っていない土地の固定資産税】
・固定資産税評価額3,000万円の土地
・3,000万円×1.4%=42万円

【住宅が建っている土地の固定資産税】
・固定資産税評価額3,000万円の土地
・180㎡の建物が建っている
・3,000万円×1/6×1.4%=7万円

特例が適用されると、固定資産税は6分の1の金額まで下がります。

土地のみだと固定資産税が高くなる

先ほど計算したように、住宅が建っていない土地の場合、固定資産税が高くなってしまいます。
理由を確認していきましょう。

理由1: 住宅用地の特例が適用できないから

住宅が建っている土地には、住宅用地にかかる課税評価額の特例が適用されます。
特例では以下のように、区分に応じて課税標準額が割引されます。

区分 課税評価額
小規模住宅用地(ひとつの住宅につき200㎡までの土地) 固定資産税評価額×1/6
一般住宅用地(小規模住宅用地に当てはまらない住宅用の土地) 固定資産税評価額×1/3

200㎡までの部分は、課税評価額が固定資産税評価額から大幅に減るということです。

理由2: 非住宅用地に分類されてしまうから

住宅が建っていない土地は、更地として「非住宅用地」に分類されます。

非住宅用地には、住宅用地にかかる課税評価額の特例が適用されません。
そのため、固定資産税が高くなってしまうのです。

月極駐車場として土地を活用している場合も、非住宅用地と判断されるため、住宅が建っている土地よりも固定資産税が高くなります。

土地の固定資産税の負担を抑える節税ポイント

固定資産税の計算方法を確認して「意外とかかるな」「毎年この金額を支払うのは大変だな」と感じた人も多いのではないでしょうか。

特に相続などですぐに活用しない土地を手に入れた場合、毎年支払う固定資産税は負担に感じてしまうものです。

この章では、固定資産税の負担を少しでも抑えたい人向けに、固定資産税の節税方法を4つ紹介します。

建物を建てる・活用する

土地の固定資産税を下げたいのであれば、土地の上に住宅を建てて活用するのがおすすめです。
住宅を建てれば、本記事で解説した「住宅用地にかかる課税評価額の特例」が適用されます。

更地にしていて活用方法に悩む土地は、賃貸アパートやマンションを建てるのも選択肢のひとつです。
固定資産税の負担を減らせるだけでなく、毎月の賃料が副収入になる可能性もあります。

土地を分筆する

固定資産税の評価は一筆単位で行われるため、土地を分筆することで、固定資産税を下げられる可能性があります。

土地は「一筆、二筆…」と数えます。
分筆とは、土地を分けることです。

例えば一筆の土地に自宅と賃貸アパートを建てている場合、分筆すれば自宅と賃貸アパートそれぞれの固定資産税評価額が計算されます。
以下の場合、分筆により固定資産税評価額を下げられる可能性が高いです。

・分筆の結果、片方の土地が旗竿地になる
・分筆の結果、片方の土地が固定資産税路線価の低い道路と接する

土地の分筆には手間や時間だけでなく、専門的知識が必要です。
個人で手続きを行うのは難しいため、不動産会社や専門家に相談しましょう。

支払い方法を工夫し実質的に節税する

固定資産税そのものの節税が難しい場合は、支払い方法を工夫するのもおすすめです。
例えばPayPayなどの決済サービスで納税すれば、金額に応じてポイントが貯まるため、結果的に固定資産税が安くなります。

固定資産税の支払い方法としては、以下のようなものが挙げられます。

・銀行振込
・コンビニ払い
・クレジットカード
・PayPayなどの決済サービス

利用可能な支払い方法のなかで工夫しましょう。

売却を検討する

土地の活用予定がない場合、売却を検討しても良いでしょう。

少子高齢化や過疎化が進む地域では、土地の価格が上がらないどころか、どんどん下がってしまう可能性もあります。土地の価格が上がりそうにない場合、早めに手放してしまうのも、固定資産税の負担を減らす方法のひとつです。

土地を手放すことで、管理コストもかからなくなります。

固定資産税が上がるケース

以下の場合、固定資産税が上がってしまうため、注意が必要です。

・空き家と指定される
・住宅を取り壊す

それぞれ詳しく見ていきましょう。

空き家と指定される

所有している住宅が「空き家」に指定されてしまうと、固定資産税が上がります。
住宅用地にかかる課税評価額の特例が適用されなくなるためです。

空き家によるトラブルが増えていることから「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」が、2015年に定められました。
この法律により、空き家に指定された住宅は、特例が解除されるようになってしまったのです。

空き家における特例の解除は「管理が行き届いていない空き家が放置されるリスクを減らす」という目的があります。

住宅を取り壊す

住宅を取り壊した際にも、固定資産税が上がります。
空き家に指定されたケースと同様に、特例が解除されるためです。

固定資産税が決まる1月1日時点で住宅が建っていない土地は、住宅用地とみなされません。
ただ、以下のような条件を満たせば、特例の適用が継続される可能性があります。

・建て替えを目的に住宅を取り壊すこと
・建て替えの前後で所有者が同じであること
・申請すること

固定資産税納付時の注意点

固定資産税を納付する際には、以下の点に注意しましょう。

・納付が遅れると延滞税がかかる
・特例の利用には申請が必要
・クレジットカード納付でお得になる

ひとつずつ解説していきます。

納付が遅れると延滞税がかかる

固定資産税の納付が遅れると、延滞税がかかります。
納付が遅れてしまった場合、納付期限の翌日から納付するまでの延滞税とあわせて、固定資産税を納付しなければなりません。

納付期限から時間が経つほど、延滞税の金額が高くなるため、できるだけ早く納めましょう。

特例の利用には申請が必要

住宅用地にかかる課税評価額の特例など、税金の減額措置を受ける際には、基本的に申請が必要です。
以下のような項目を早めに確認し、期限内に申請できるようにしておきましょう。

・特例の適用条件
・申請する場所
・必要書類
・申請者
・申請期限

クレジットカード納付でお得になる

固定資産税は、クレジットカードで納付するとお得になります。
クレジットカードのポイントを貯めることができるためです。

納める税額が大きいほど、貯まるポイントも大きくなります。

ただ、クレジットカードで納付する際には手数料がかかるため、注意が必要です。
手数料よりもポイントが大きくなるクレジットカードを利用しましょう。

固定資産税の悩みはお金と不動産のプロに相談しよう

固定資産税は、固定資産税評価額を基に決定します。
固定資産税評価額から課税評価額を計算し、それに対して税率を掛ける流れです。
そのため、固定資産税評価額が低いほど、固定資産税は安くなります。

「住宅用地にかかる課税評価額の特例」が適用される場合、課税評価額が固定資産税評価額の6分の1まで下がるため、節税効果が大きいです。

住宅が建っていない更地の場合、固定資産税が高くなってしまうため、早めに対策しましょう。

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