2023.02.16
土地の購入
【土地探しのコツ】理想の土地を見つけるポイントや注意点を解説!
マイホームを建てるには土地が必要ですが、探す方法にコツがあるのをご存じでしょうか。
理想のデザイン・間取りを備えた家が建てられたとしても、始めの土地選びで失敗してしまうと、居住後に不満がたまります。そうならないためにも、不動産会社に相談するだけでなく、自分の足で探すことも重要です。
本記事では、土地探しをするときのポイントや注意点を解説します。
土地の探し方
土地を探す方法は不動産会社に相談する以外にも、以下の方法があります。
・インターネットで探す
・不動産会社に相談する
・自分の足で探す
・ハウスメーカー・工務店に依頼する
探す手段が多いほど、それだけ理想の土地を見つける可能性も高くなります。さっそくそれぞれを説明していくので、上手に活用してください。
インターネットで探す
インターネットで探す方法は、不動産会社に相談することと同じくらい主流な探し方です。たくさんの情報をいつでもどこでも効率よく確認できますが、インターネットには掲載されていない土地もあります。
また、インターネット上の情報は更新が頻繁におこなわれているわけではないため、気になる情報に問い合わせをすると、すでに申込みが入っているケースも多いです。それでもインターネット上の情報は理想的な土地がいくらで販売されているのか、相場を把握するうえでも役に立ちます。下調べをしたいときに、他の手段とあわせながら活用すると良いです。
不動産会社に依頼する
インターネットで調べる方法も手軽で便利ですが、本気で探し始める際はリアルタイムの情報を得るためにも、不動産会社を訪れる人が多くなります。
ここで重要なのが、どこの不動産会社あるいは営業マンに土地探しを依頼するかです。不動産会社によっては土地売買よりも、マンション売買を得意としている場合があります。土地売買を得意としている会社でも、すべての営業マンが経験・知識ともに豊富とは限りません。そのため、不動産会社に依頼する際は、事前に調べることが大切です。
自分の足で探す
土地の場合は、自分の足で探すことも可能です。マンションや戸建ての場合は、室内まで入れないので不動産会社に依頼するほうが手っ取り早いですが、土地であれば確認したい面積や立地を自分で見ることができます。暮らしたいエリアが近くにあれば、売り地・空き地・古家付きの土地がないか探してみると良いです。実際に自分の目で確認することで周辺環境や雰囲気、利便性などを体感することができます。
もちろん詳しい情報は、後々不動産会社に相談することになりますが、下見を兼ねて探すスタンスでいくと良いです。
ハウスメーカーや工務店に依頼する
ハウスメーカーや工務店のなかには、インターネット上の情報よりも、住宅用の土地を取り扱っているところが多いです。家づくりをお願いしたいハウスメーカーや工務店が決まっていれば、家の建築と土地探しを同時にお願いするという方法もあります。
不動産会社ではなくハウスメーカーや工務店に相談するメリットは、自分が理想とする家の形や大きさを、その土地で建てられるかどうかサポートしてもらえる点です。土地探しと家の建築計画を別々に進めると手間や時間がかかるため、いつまでに建てたいなど期間が決まっている場合は、ハウスメーカーや工務店に依頼することをおすすめします。
土地探しの前に決めておくポイント
土地探しの方法をお伝えしましたが、いきなり探すのではなく、事前に決めておくべきポイントがあります。土地購入で後悔しないためにも、以下の内容をしっかりと確認してください。
必要条件に優先順位をつける
家を建てるための土地探しにはライバルがたくさんいるので、優先順位をつけておき、順位が低いものは妥協することも検討しなければなりません。まず、希望条件の洗い出しが重要です。条件には以下の項目が挙げられます。
・エリア
・予算
・場所
・広さ
・間取り
・引っ越し時期
・周辺環境(スーパー、コンビニ、公園、駅など)
家族で理想の暮らしをイメージしながら、優先順位を決めます。例えば、「駅から徒歩10分以内」で「駐車場は2台ほしい」となると、利便性の高いエリアほど土地面積は小さくなる傾向があるので、どちらかを妥協しなくてはいけなくなる可能性が高いです。家を建てる目的や、叶えたい条件をある程度絞って優先順位を決めてください。
エリアを決める
都心部か郊外かで家族と意見が分かれることが多いため、探す前に決めておきたい項目です。人気のエリアであれば、情報掲載から2〜3日で買い手が見つかります。勤務先へのアクセスや小学校の学区などを検討材料にして、スムーズに土地探しができるよう準備しておくことが大切です。
また、エリアを限定しすぎると土地探しが長期化するので、候補をいくつか決めておくことをおすすめします。
予算を決める
「正確な予算を決めずに、概算で土地を探している」という人もいますが、理想の家を建てるには予算を確定しておくことが重要です。
例えば、予算を決めていない状態で理想の土地が見つかったとします。土地の代金を支払ったあとに理想の家を建てる資金がない、ということになれば後悔のもとです。事前に決めた優先順位に沿って、予算を調整することをおすすめします。
理想的な土地探しのコツ
理想的な土地を見つけるには、自分自身もある程度の知識を身につけておくことが大切です。不動産会社・工務店・ハウスメーカーの意見を鵜呑みにせず自分の意見も持てるように、以下で紹介する土地探しのコツを押さえてください。
自分の目で現地確認をする
土地を探す手段でも紹介しましたが、理想的な土地を見つけるには、自分の目で現地確認をすることが大切です。インターネットや不動産会社からたくさんの情報を収集しても、聞くのと実際に見るのとでは印象が全く違います。エリアの治安や利便性を確かめるためにも、購入前に1度は確認してください。できれば昼だけでなく、夜にも確認しておくと街灯の位置もチェックできるのでおすすめです。
建ぺい率・容積率のチェック
気になる土地が見つかったら、建ぺい率と容積率をチェックします。建ぺい率は、敷地面積に対してどのくらいの面積まで建物を建てられるか調べる数値です。土地があったとしても、その場所いっぱいに建物を建てることはできません。
容積率は、敷地面積に対する最大延床面積を調べる数値になります。延床面積とは、2階建ての家であれば1階と2階の床面積の合計のことです。建ぺい率と容積率によって、実は建てられる家に制限があるので、まずは理想の家が建てられるかチェックしてください。
土地の用途地域を把握する
用途地域とは、都市計画法に基づいて、市街化区域内にある土地を住居系・工場系・商業系などと建てられる建物を用途に応じて、エリアを分けるために定められているものです。ちなみに市街化区域内とは、すでに街の整備が進められている区域や、おおむね10年以内に優先的、計画的に整備を測るべき区域のことで、人が住んだり建物を建てたりできます。
用途地域は細かく13区分に分かれており、エリアによっては家が建築できない、高さに制限があるといったケースもあるので、注意が必要です。
災害リスクの確認
土地購入の際は、災害リスクの有無を確認しておくことが大切です。過去に浸水や土砂崩れ
があった、もしくは将来的に危険性があるならば、どの程度の被害が予想されるのかを知っておくことをおすすめします。調べる場合は、ハザードマップを利用してください。
ハザードマップでは、洪水、土砂災害、津波の想定規模、道路防災情報をチェックすることが可能です。100%安全な土地はありませんが、不測の事態に備えてリスクの高い場所は避けることをおすすめします。
角地と中地の違いを知る
自分の調べた条件でたくさんの土地情報が見つかると、絞り込みが難しくなります。そういったときは、角地と中地の違いを押さえておくことで、判断基準にすることが可能です。
角地は、交差する2つの道路に面した角に存在する土地のことで、中地は正面以外の3方向が囲まれた区画の土地のことをいいます。
両方のメリットとデメリットは、以下の表のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
角地 | ・開放感がある ・人目に付きやすく、防犯対策になる ・日当たりを確保しやすい ・玄関や駐車場の向きを選択できる ・建ぺい率の緩和がある |
・価格がやや高い ・人目につきやすく、プライバシーが気になる ・車の往来が気になりやすい |
中地 | ・角地より安い傾向がある ・プライバシーを守りやすい |
・玄関や駐車場の向きが限定される ・角地より開放感が少ない ・角地より防犯上のリスクが上がる傾向にある |
古家付き土地の購入も検討する
マイホームを建てるときは更地を探す傾向がありますが、できるだけ多くの情報を収集するためにも、古家付き土地の購入を検討するのもおすすめです。解体費用はかかりますが、更地のみで探していた場合に比べて、良い条件のものが見つかりやすくなります。
また、古家付きの土地は、相場より安く購入できる場合が多く、値引き交渉にも応じてもらいやすいです。解体前の家で日当たりの確認もチェックできるため、新築後のイメージがよりしやすくなります。
土地探しの注意点
ここからは、土地探しの注意点を紹介します。100%理想的な土地や、100%安全な土地はそうそう見つかるものではないため、注意点を参考にしてどのポイントをより重視するか決めておくと良いです。
立地
立地については想像しやすいと思いますが、以下のポイントを押さえておくと良いです。
・スーパーや商業施設、病院などが近くにあるか
・駅やバス停からの距離はどのくらいか
・学校や公園、勤務先までのアクセスに問題がない
・周辺の治安や街の雰囲気
土地探しの前に決めておくポイントでもお伝えしましたが、理想がすべて叶うことは難しいため、家族の意見も聞きながら優先順位を決めておくと条件を絞りやすくなります。
子どもの幼稚園や学校は、家と勤務先までの通勤ルート上にあると時間の短縮につながります。スーパーや病院は子どもと一緒に行くことも考えられるため、少し距離がある場合は自転車の利用を検討するのも良いです。また、周辺に暴力団事務所が存在するケースがあるので、防犯面で気になる点がないか確認しておくことをおすすめします。
方角
理想の家を建てるには、方角と形も大事なポイントです。基本的に日当たりが良いため南向きの土地は人気が集まりますが、価格も割高になります。北側は南側に比べると人気は劣りますが、比較的安価な点や、北側斜線制限を受けずに済むことで外観デザインを自由に決められる点がメリットです。ちなみに北側斜線制限とは、北側の家の日照を確保するために、南側の家の高さを制限するものになります。
一概に南向きが良いというわけではなく、事前に決めておいた優先順位をもとに、希望にあった方角の土地を選ぶことが大切です。
形状
販売されている土地が、すべて正方形や長方形のような整形地ではありません。土地の形状は、大きく分けると整形地と不整形地の2つです。整形地は形が整っているので、家づくりの自由度が高く人気があります。不整形地では、土地の形状に合わせて建築計画を立てる必要があるため、計画の難易度が上がることに加えて、自由度も下がります。両方のメリットとデメリットは、以下の表のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
整形地 | ・自由度が高い ・理想の家が建てやすい |
・不整形地より高い ・人気が高いためすぐ売れてしまう |
不整形地 | ・整形地より安価 ・採光面に優れている場合がある |
・自由度が低い ・無駄なスペースが生じやすい |
土地の境界線
土地の境界線が確定しているかどうかは、不動産取引においてとても重要なポイントです。曖昧なまま購入すると、隣地の所有者とトラブルに発展するおそれが高くなります。
境界線は、境界標や登記簿、確定測量図で調べられるので、あらかじめチェックしておくと良いです。万が一明確でない場合は、購入前に売主と隣地所有者に話し合って決めてもらい、境目にある塀や垣根などがある場合にもあわせて確認してください。想定されるトラブルは、以下のとおりです。
・隣地所有者に自分の土地を勝手に使用される
・住宅ローンが組めない可能性がある
・隣地所有者が代わると、境界越境の主張をされる可能性がある
造成工事の必要性
造成工事とは、家を建てるために土地の機能や環境を改善する工事のことです。
高低差があったり地盤が緩かったりすると、そのままの状態で家を建てるのはリスクが伴います。道路と同じ高さにする場合は盛土工事、道路より高い場合は切土工事や擁壁工事が必要です。そのままの状態で家を建築できるのか、できなければどのような造成工事をおこない費用はどのくらいかかるのか、家を建てたあとのリスクはないのか、といったことをしっかり確認してください。
ライフラインが整備されているか
気になる土地が見つかったら、電気、ガス、水道などのライフラインの整備状況を確認することが重要です。電気は市街化区域内であれば基本的にどの場所でも利用できます。ただし郊外で近くに電柱がない場合は、引き込み工事が必要です。
ガスについては、プロパンガスなのか都市ガスなのかを把握し、そのままの状態で使用できるか確認してください。水道は、前面道路地中に水道本管と下水道本管があるか、敷地内まで引き込みがされているかを調べます。
自分の理想に合う土地を購入しよう
理想の土地を見つけるには、事前に優先順位を決めておき、インターネット情報を活用しながら不動産会社やハウスメーカーなどの専門家に相談すると良いです。自分の目で現地確認をすると、より周辺環境の雰囲気や治安を確認できます。
立地や面積、形状なども土地探しのうえで重要なポイントになりますが、災害リスクやライフラインなど目に見えない情報のチェックも大切です。コツを押さえておけば理想的な土地を探しやすくなるだけでなく、トラブル回避にも役立ちます。