2022.12.29
土地の購入
東京の土地価格は?2022年度地価のランキングと状況を解説
東京で不動産売買を考えられている人にとって気になる点は「地価」ですよね。
地価は常に変動するため、売買タイミングを見極める必要があります。
「現在の地価はどのぐらいか?」「売買タイミングはいつがよいのか?」など、東京で不動産を購入する人の様々な悩みをお聞きします。こういった悩みは売買前に解消すべきです。
これらの懸念は、不動産の購入を進める前に解決する必要があります。
そこで、この記事では2022年度の東京の地価状況や、今後の見通しなどについて詳しく解説します。東京で土地売買を考えていらっしゃる人は是非この記事を参考にしていただければ幸いです。
東京エリアの地価の変動状況
まず、首都圏の地価の推移を見てみましょう。
「東京標準地価」でみると、1986年から1991年にかけてのバブル期に異常な水準まで地価が上昇したことが分かります。それに比べると、現在の地価は低水準で安定傾向にあります。 過去10年間の傾向をみると、地価は2008年のリーマンショック以降下落傾向にあったが、2013年以降は緩やかな上昇傾向となっています。一極集中とはいえ、23区の平均でみると、バブル期と比べれば地価が大幅に上昇していないことがデータで示されています。
21世紀の都内地価の推移は?
では、21世紀に入ってから東京の地価状況はどのように推移しているでしょうか?
東京23区の平均地価は緩やかな上昇傾向となっていますが、その他エリアの変動はどのような状況でしょうか?都心部をはじめたとした首都圏全エリアの21世紀にはいってから地価がどう変動したか傾向をみてみました。
地価動向をマクロ的にみると23区内の中央区で価格が高騰しているのに対し、下落傾向が続く八王子などがあり、エリアによって大きく変動があることがわかります。
逆にミクロ視点で東京23区の地価を見るとどのようになるのでしょうか?データを見ると比較的安定している傾向にありますが、地域によっては変動傾向が見えています。例えば、江東区は、かつて湾岸開発時に一時的高騰はみせましたが、結局現在では2000年とほぼ同等の価格に収まっています。
一方で、世田谷区のように社会情勢の変動に関係なく地価が上昇も下落もせず安定した傾向を示す地域もあります。
つまり、マクロでみれば都心部と郊外部が二極化しています。逆に23区をミクロに分析すると、中央区などの高騰エリア、世田谷区のような安定エリア、アベノミクス景気にも関わらず相変わらず低迷する北区・練馬区エリアなど、傾向に差が生じ混沌とした状況にあるといえます。
2022年、東京地価ランキング
それではお待たせしました。2022年度における東京都の地価公示をランキング形式で紹介しましょう。
最高値1位~5位、最安値1位~4位など、注目エリアや東京都の地価動向などのランキングから見ることができます。
なお、このランキングは、定期的に公的機関が発表する「公示地価」と「基準地価」に基づいています。
「地価の公示」は、1969年の地価公示法施行に基づき適正な地価形成寄与を目的として、1970年に施行されました。
国土交通省の土地鑑定委員会は、毎年1月1日に基準地の現状を分析し、公示地価を公表、これが土地売買や公共事業における土地取得の基準値となっています。
また、各都道府県では、地価公示とほぼ同様の目的で作成された「基準地価」について調査を行っています。
また、不動産の取引価格は周辺の土地の状況により変動するため、公示地価及び基準地価は実際の取引の実勢価格とは異なります。よって「公示価格」「基準価格」は一種の指標とされている状況です。
高額地価ランキング
それではまず高額地価ランキングです。
地域 | 平均地価(住宅) | 平均地価(商業地) |
---|---|---|
千代田区 | 約270万円/㎡ | 約627万円/㎡ |
港区 | 約207万円 | 約511万円 |
中央区 | 約133万円 | 約903万円 |
渋谷区 | 約133万円 | 約707万円 |
新宿区 | 約81万円 | 約482万円 |
文京区 | 約101万円 | 約151万円 |
国土交通省が2022年3月に発表した地価公示によると、東京都の市営地価ランキングで住宅用地価が最も高いのは千代田区で、平均地価は約270万円/㎡でした。
次いで港区が約207万円/㎡、次いで中央区、渋谷区が約133万円/㎡となっています。
商業地では、中央区が平均地価で約903万円/㎡、次いで渋谷区が約707万円/㎡、千代田区が約627万円/㎡となっています。
住所別ランキングは以下のとおりです。
<住宅>
住所 | 地価 |
---|---|
1位:港区赤坂 | 約500万円/㎡ |
2位:千代田区六番町 | 約415万円/㎡ |
3位:港区白金台 | 約388万円/㎡ |
4位:港区南麻布 | 約365万円/㎡ |
5位:千代田南三番町 | 約324万円/㎡ |
<商業地>
住所 | 地価 |
---|---|
1位:中央区銀座 | 約5,300万円/㎡ |
2位:千代田丸の内 | 約3,670万円/㎡ |
3位:新宿区新宿 | 約3,630万円/㎡ |
4位:千代田大手町 | 約2,880万円/㎡ |
東京都の住宅地ランキングでは「港区赤坂」が約500万円/㎡で1位、次いで2位は千代田区六番町で約415万円/㎡、3位は港区白金台で約388万円です。
なお、2022年3月に発表された地価公示によると、東京都で最も高い土地は「東京都中央区銀座4-5-6」で1平方メートルあたり5,300万円/㎡、坪あたりの単価は約 1,603万円/㎡でした。
低額地価ランキング
逆に東京都内で低額地価となっているランキングについても紹介しましょう。
地域 | 平均地価(住宅) | 平均地価(商業地) |
---|---|---|
新島村 | 約6,300円/㎡ | 約8,600円/㎡ |
新津島村 | 約7,100円 | 約9,500円 |
三宅村 | 約8,900円 | 約10,900円 |
八丈町 | 約9,000円 | 約30,500円 |
大島町 | 約9,400円 | 約41,000円 |
都内で最も安い宅地価格ランキングは、1位「新島村」が6,300円/㎡、2位「神津島村」7,100円/㎡、3位「三宅村」8,900円/㎡でした。
一方、東京の人口の多い市町村の中で、地価が最も安いのは「八王子市」で1平方メートルあたり11万6400円/㎡、「町田市」が15万5900円/㎡となっています。次いで「府中市」が297,200円/㎡、「葛飾区」が323,300円/㎡、「足立区」が311,100円/㎡です。
東京の地価が高額な理由
東京の土地の価格についてランキング形式で解説してきましたが、このように東京の土地価格が高いのには理由があります。
それではその2つの理由について解説していきます。
首都機能が集中しているため
ご存知のように、東京は日本の首都であり、日本の経済的および政治的機能のすべてが東京に集中しています。
機能が集まるということは、お金がたくさん集まるということです。
お金を集めればその分不動産投資にもお金が回ることとなり、結果東京の不動産価格は高くなります。
人口密集地
他の大都市圏と比較して、比較的狭いエリアで集中的に開発が進んでいます。このような狭い地域に人口が集中することで人口密度が高まり、不動産需要も高まるため結果として東京の地価が上昇してしまうわけです。
東京への人口集中は今後も続き、終わることはありません。
よって東京の不動産需要は今後もなくなることはないでしょう。
2022年度の東京地価状況
コロナの規制緩和により、2021年は下落傾向だった東京の地価が上昇し始めています。これにより今後の出来事や社会情勢が地価にどう影響し、どう変化していくのかが気になります。
2008年のリーマンショック以降、都内の坪単価は下落傾向にありましたが、2013年頃からアベノミクスなどにより公示地価は緩やかな上昇傾向を見せています。上昇の背景には、金融緩和により不動産投資ローンが受けやすくなったこと、国際大会開催に伴うインフラ整備による地価上昇などが挙げられます。
コロナショックの影響が長引いていることから、2021年に発表された地価公示は低下傾向にありましたが、ワクチン接種が進む中、2022年はコロナ対策の規制緩和により少し回復傾向にあります。
地価回復の理由は?
それでは何故、東京の地価が回復傾向にあるのでしょうか?他の都道府県の地価が下がり続ける中、東京の地価はやや上昇傾向にあることは前述でも述べました。
東京の地価が回復し上昇傾向にある理由、それは大きく2つの理由にあるようです。ここでは、東京の地価が上昇傾向になっている理由について詳しく解説いたします。
訪日する外国人の増加
1つ目は訪日外国人が増加傾向にあるためです。
東京は観光地として外国人に人気のエリアであり、毎年1,000万人以上の外国人が観光で東京を訪れます。観光客に人気のエリアではホテルや商業施設の需要が高く、これらの建設が不動産価格を押し上げる要因の一つとなっています。
2019年の調査によると、地価は前年比で4.9%上昇しています。ただ、新型コロナウイルスの影響で訪日外国人旅行者が激減しましたが、2022年現在、旅行者数は回復しつつあり、地価も同じく緩やかな回復傾向にあります。
不動産投資の活発化
もう一つの理由は、国内の不動産投資が過熱していることです。
近年の超低金利政策や金融緩和により、不動産投資が過熱しています。不動産投資などでお金が不動産に向かうと、不動産市場が活性化し、東京の地価が上昇するという原理です。
東京地価の今後の予測
それでは今後の地価の予測はどのようになっているのでしょうか?この点について解説します。
今後の東京圏の地価ですが、残念ながら下落傾向ではないか?と予測されています。その理由として大きく3つの要因が考えられています。
東京オリンピックの終了
2021年、コロナウイルスの影響で1年延期となっていた東京オリンピックが開催されました。
東京オリンピックが終わってから、東京の地価は低下するとの懸念の声がありましたが実際はどうなのでしょうか?確かに、オリンピック後の景気低迷や海外不動産投資家による東京圏の物件売却による地価の下落が懸念されています。
オリンピックが開催される都市では、選手村が大会中に選手が住む場所に建設されます。東京でも同様に、晴海や勝どきなどを中心に選手村が作られました。この選手村に建設されたマンションは、大会終了後に一般販売されることが決まっています。
そのため、晴海や勝どきなどのエリアでは不動産価格の下落が懸念されています。しかし、それ以外の地域では、不動産価格はそれほど変動しないと予測されています。
アフターコロナの影響
景気低迷による空き家の増加や、海外投資家による不動産売却の増加により、「地価が下落する可能性がある」との見方もあります。実際にコロナウイルスの影響による入国制限により、利益が思うように伸びていない状況は事実であり、これによる収入の減少や、これに伴う地価の低下が懸念されるのは事実です。
2022年問題の影響
2022年問題とは、生産緑地法が終了、都市部農地の営農義務がなくなる反面、農地に宅地並みの税金が課せられることになるという問題です。これにより都市部の農家が一斉に宅地転用しながら売却することで、不動産市場へ大きな影響を及ぼす可能性がある点です。
宅地転用された土地に住宅が建設されることで、土地の需給供給バランスが崩れ、結果不動産価格が大幅に下落することが懸念されています。
生産緑地は三大都市圏の市街地を想定して定められているため、生産緑地の多くは大都市圏に立地しており、東京が指定地区数・面積数ともに東京都が最も多い状況です。
もちろん、免税措置を継続しながら農地として利用できるので、すぐに宅地に転用できるわけではありません。しかし、農業従事者の高齢化が進む現状を考えると、離農して宅地に転用するケースも少なくないと考えられます。
よって短期的に影響はないものの、長期的な目線に立てば土地価格の下落が発生する可能性はありえます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
首都圏の地価は、2023年以降も当面訪日外国人の過熱やコロナ禍の終息による土地投機の影響などから、緩やかな上昇が続くと予想されます。ただ、今後価格が下がる可能性もありますので、土地の売買を考えている人には判断が難しいタイミングと言えそうです。
ご自身で売買の判断が難しい場合は、専門家、つまり不動産業者に委託することも検討してみてはいかがでしょうか。
不動産仲介会社を選ぶ際には、豊富な経験と実績を持ち、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。東京の不動産事情を理解し、「東京の土地」に精通した担当者をすことが重要です。できるだけ担当者とコミュニケーションを取り、性格やコミュニケーション能力を確認することが重要です。
担当者がこの要望に真摯に対応してくれると、意見が通りやすくなり、満足度の高い不動産の売買が可能になります。そのため、不動産業者は慎重に選択しましょう。