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2022.12.26

土地の購入

【シミュレーション例あり!】土地購入をするときに課税される税金を徹底解説!!

土地を購入をするときには、多くの種類の税金が課税されます。
土地購入のときに課税される税金はかなりの金額になりますが、ほとんどの税金に減税措置が認められています。
そのため、税金の内容を把握しておかないと減税措置が受けられず損をしてしまうこともあります。

土地購入をするときには印紙税や消費税、登録免許税、不動産取得税が課税され、購入後には固定資産税・都市計画税が課税されます。

本記事では、土地購入するときに課税される税金、土地購入後に課税される税金について解説します。
減税措置がある税金については減税措置内容も紹介するため、税金を抑えるための参考としてください。

土地購入に関連する税金

土地を購入するときには多くの種類の税金が課税されます。
土地購入のときに課税される税金は次のとおりです。

●印紙税
●消費税
●登録免許税
●不動産取得税

そして、土地購入後には固定資産税や都市計画税も課税されます。
ここからは土地購入をするときに課税される税金に加え、固定資産税・都市計画税の解説をしていきます。

印紙税

印紙税とは、印紙税法に定める課税文書を作成するときに課税される税金です。
土地購入をするときに作成する課税文書は、不動産売買契約書と金銭消費貸借契約書(住宅ローンを借り入れるために金融機関と締結する契約書)です。
印紙税額は売買金額や住宅ローンの借入額により変動します。
そして、印紙税を納税する方法は現金納付ではなく、納税額に該当する収入印紙を課税文書に貼付することで納税します。

印紙税は作成する課税文書により納税額が異なります。
また、減税措置が講じられている課税文書と減税措置がない課税文書もあります。

なお、不動産売買契約書は減税措置がある課税文書で、金銭消費貸借契約書は減税措置がありません。

不動産売買契約書を作成するときに課税される印紙税一覧は次のとおりです。

売買金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 200円
50万円を超え100万円以下 500円
100万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 1万円
5,000万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
1億円を超え50億円以下 32万円
50億円超え 48万円

※印紙税の減税措置は平成26年4月1日から令和6年3月31日までの時限措置です

金銭消費貸借契約書を作成するときに課税される印紙税額は次のとおりです。

売買金額 印紙税額
10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1,000円
100万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円
1,000万円を超え5,000万円以下 2万円
5,000万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
1億円を超え50億円以下 40万円
50億円超え 60万円

消費税

消費税とは、物やサービスを消費することに課税される税金です。

土地購入をするときに消費税が課税されるのは、仲介手数料や住宅ローン関係手数料です。

税金や土地購入代金に消費税は課税されません。

消費税を計算するときには、次のような計算をします。

消費税 = 購入・サービス代金 × 10%

【シミュレーション例】

 100万円の手数料を支払う場合

 100万円 × 10% = 10万円(消費税)

登録免許税

登録免許税とは、登記をする場合に課税される税金です。

土地購入に関わる登記は所有権移転登記、抵当権設定登記です。

登録免許税は登記の種類によって税率が異なり、減税措置の適用要件の内容、減税幅も異なります。

ここでは、所有権移転登記と抵当権設定登記をそれぞれ別に解説していきます。

所有権移転登記の際に課税される登録免許税

売買による所有権移転登記をするときに課税される登録免許税は、本則では固定資産税評価額の1,000分の20の税額が課税されます。

しかし、令和5年3月31日までの間に所有権移転登記を行う場合は1,000分の15に減税されます。

【シミュレーション例】

固定資産税評価額2,000万円の土地を令和5年3月31日までに購入する場合の所有権移転登記の登録免許税額

 2,000万円 ÷ 1,000 × 15 = 30万円(登録免許税額)

抵当権設定登記の際に課税される登録免許税

抵当権設定登記をするときに課税される登録免許税には減税措置がないため、本則どおりの税率が適用されます。

土地の抵当権設定の本則は、住宅ローン借入額の1,000分の4です。

【シミュレーション例】

住宅ローン3,000万円分の抵当権を土地に設定する場合

 3,000万円 ÷ 1,000 × 4 = 12万円(登録免許税)

なお、一定条件を満たした自宅用家屋に抵当権を設定する場合には、減税措置が用意されています。

不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を所有することに課税される税金です。

不動産取得税は本則だと、固定資産税評価額の4%が不動産取得税額になります。

しかし、令和6年3月31日までは税率が3%となり、土地に関しては固定資産税評価額を半分にして計算することができます。

【シミュレーション例】

固定資産税評価額2,000万円の土地を令和6年3月31日までに購入した場合

 2,000万円 ÷ 2 ÷ 100 × 3 = 30万円(不動産取得税)

また、土地を購入した理由が新築住宅を建築することである場合、一定条件を満たすことにより不動産取得税の減税・還付を受けることができます。

一定条件とは次のとおりです。

これらの条件の1つでも満たしている場合に減税・還付を受けることができます。

 ●土地の購入から3年以内に購入した土地上に新築住宅が建築すること

 ●新築住宅建築後1年以内に対象の土地を購入すること

 ●未使用の新築住宅および土地の両方を建築後1年以内に同一人が購入すること

条件を満たした場合、下記のAかBのどちらか高い金額が本則の不動産取得税より減額されます。

 A:4万5,000円

 B:1㎡あたりの対象の土地の価格 ÷ 2 × 住宅の床面積 × 2 × 税率1,000分の3

【シミュレーション例】

不動産取得税の減税措置適用要件を満たした①固定資産税評価額2,000万円の土地を購入

 ②購入した土地の面積100㎡、③建築する住宅の面積90㎡の場合

 ①2,000万円 ÷ ②100㎡  ÷ 2 = ④10万円(1㎡あたりの土地価格 )

 ④10万円 × ③90㎡ × 2 ÷ 1,000 × 3 = 5万4,000円(不動産取得税の減税額)

 A:4万5,000円 < B:5万4,000円

そのため、このケースでは不動産取得税は5万4,000円減税されることになります。

なお、不動産取得税は不動産を取得した数ヶ月後に新築住宅を建築しない場合の税額の納税通知が来ます。

そのため、一旦、新築住宅を建築しない場合の税額を納税する必要があります。

その後に新築住宅を建築する場合の減税措置適用を申請し、すでに納税した税金との差額を還付してもらうことになります。

不動産取得税の還付の手続き方法は次のとおりです。

 ⒈不動産を購入後に不動産取得申請書を提出する

 ⒉不動産取得税減額申請書を提出する

まず不動産購入(引き渡し日)から60日以内に不動産取得申告書などの必要書類を、購入した土地を管轄する自治体へ提出します。

その後、都道府県税事務所から不動産取得税の納税通知書が届くため、一旦、納税通知書の記載納税額を納税します。

そして、納税後不動産取得税減額申請書と添付書類を提出して還付を受けます。

固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税とは、不動産を所有している場合、1月1日現在の所有者に毎年課税される税金です。

なお、都市計画税は市街化区域内にある不動産を所有している場合に課税される税金で、市街化調整区域内の不動産を所有している場合は固定資産税のみ課税されます。

固定資産税・都市計画税の税額計算方法は次のとおりです。

固定資産税 = 固定資産税課税標準額 × 税率1.4%

都市計画税 = 固定資産税課税標準額 × 税率0.3%

【シミュレーション例】

固定資産税課税標準額2,700万円の場合

 固定資産税 = 2,700万円 × 1.4% = 37万8,000円

 都市計画税 = 2,700万円 × 0.3% = 8万1,000円

ただし、税率は各自治体で決定することができるため、自治体によって異なります。

また、固定資産税・都市計画税は土地上に建物が建築されると減税措置を受けることができます。

固定資産税・都市計画税の減税措置は次のとおりです。

 ⒈小規模住宅用地

住宅1戸当たり200㎡以下の小規模な住宅用地の場合、固定資産税の課税標準額が固定資産税評価額の6分の1になり、都市計画税の課税標準額が固定資産税評価額の3分の1になります。

 ⒉一般住宅用地

住宅1戸当たり200㎡を超える住宅用地の場合、固定資産税の課税標準額が固定資産税評価額の3分の1になり、都市計画税の課税標準額は固定資産税評価額の3分の2になります。

【シミュレーション例】

固定資産税評価額2,700万円、面積300㎡の市街化区域内の土地上に新築住宅を建築した場合

 ●固定資産税

 (200㎡までの部分)2,700万円 ÷ 300㎡ × 200㎡ ÷ 6 × 1.4%(税率)= 4万2,000円

 (200㎡超えの部分)2,700万円 ÷ 300㎡ × 100㎡ ÷ 3 × 1.4%(税率)= 4万2,000円

固定資産税合計8万4,000円

 ●都市計画税

 (200㎡までの部分)2,700万円 ÷ 300㎡ × 200㎡ ÷ 3 × 0.3%(税率)= 1万8,000円

 (200㎡超えの部分)2,700万円 ÷ 300㎡ × 100㎡ ÷ 3 × 2 × 0.3%(税率)= 1万8,000円

都市計画税合計3万6,000円

このケースの土地の固定資産税と都市計画税の合計は年間12万円となります。

まとめ

土地を購入するときには、多くの種類の税金が課税されます。

印紙税や消費税、登録免許税、不動産取得税などです。

また、土地購入後にも固定資産税や都市計画税が課税されます。

土地購入に関連した税金のうち減税措置が適用されるのは、印紙税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税・都市計画税です。

このうち印紙税と固定資産税・都市計画税は自動で減税された金額の納税通知書が来ます。

しかし、登録免許税と不動産取得税については自動で減税されません。

登録免許税については司法書士が代行して減税措置の手続きを取ってくれるため減税措置適用を忘れることはありませんが、不動産取得税の減税については自身で減税措置申請を行う必要があります。

土地購入に必要な税金の内容を把握し、減税措置を適用できるものはすべて適用して納税額を抑えることが重要です。

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