2022.12.14
土地の購入
土地の価格の調べ方は?その詳細と価格決定の要因について詳しく解説!!
土地の価格を知りたいが、どうやって調べたらいいのかわからないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。 土地は定価があるわけでなく需給バランスによって価格が変動するため、正確に把握するのは困難を極めます。しかし、基準価格と価格の要因が分かれば、ある程度価格は把握できます。
この記事では、地価を決める際の基準となる6つの指標と調査方法と、土地の価格を決める際に影響を与える5つの要素を紹介します。
土地の評価額の決め方
「モノの相場」とは、一般に、ある時点での商品の取引価格を指し、需給バランスで決まるためさまざまな要因によって激しく変動するのが一般的な考え方です。
それに対し地価相場は経済情勢や社会環境に左右されるものの、日本では株のように短期間で大きく価格が変動しないのが一般的だとされています。その理由の一つは、地価を設定する指標や基準が複数あり、これらを「一物四価」といいます。一物四価の内訳は以下のとおりです。
1.公示価格(公示地価)
2.市場価格(実勢価格)
3.固定資産税評価額
4.路線価
土地の価格は、国、自治体、売り手、買い手などによって評価基準が異なるため、同じ地価でも4つの価格指標が存在します。この他に、基準価格(県地価調査による)と呼ばれる都道府県が定める価格もあります。これは、公開価格の補足として表示されます。
「市場価格」が「市場価格(実勢価格)」に最も近いとされていますが、完全一致というわけではありません。まずは、土地の相場に大きく影響する公的な「地価」について見ていきましょう。
さらに土地売買に関する実績値についても指標として利用できます。これらの地価指標についても2つご紹介します。
公示価格を調べる
公示地価とは、土地を売却する際の基準となる価格です。
公示地価は、土地を売買する際に適正な地価を知るのに役立つ指標です。地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が全国の調査地点(基準地)を調査し、各調査地点における平米当たりの地価を決定します。
2名以上の不動産鑑定士が土地を鑑定し、場所ごとに鑑定評価額を出します。公示地価は、毎年1月1日現在の鑑定結果を反映したもので、毎年3月に公表されます。
公示地価は、公共事業用地の取得価格を算定する基準となるものであり、一般的な土地取引価格の指標となることを目的としています。
そのため、出品価格に基づいて、売却時に出品者により高い価格を提示することができる可能性があります。公示地価は、国土交通省が土地の基準値として毎年査定するものであり、 鑑定評価額は国指定の鑑定士が算出しているため、信頼性が高いと言えます。公示地価は、土地売買以外の幅広い取引において参考となるデータです。
実勢価格を調べる
実勢価格は、土地が売買されたときに実際に取引された価格です。価格は土地を売却する際の価格であり、売主様と買主様の協議により価格が変動するため、一律の金額はありません。
公示地価と同様に、土地売買の基準となります。売りたい土地と条件が似ている土地の過去の実勢相場を見ることで、売地の市場価格を知ることができます。
市場価格と公定地価の違いは、国土交通省土地鑑定委員会などの公的機関が定める価格ではなく、売り手と買い手の需給で価格が決まることです。そのため、固定価格はなく、当事者間で自由に価格を決めて売買します。
売却したい土地の買い手がいなかったり、当事者間の事情で売却価格が下がったりした場合、相場は鑑定評価額を下回り、逆に買い手からの要望があれば価格が高騰することもありえます。
固定資産税評価額を調べる
固定資産税評価額とは、固定資産税を計算するために市町村が不動産を評価する際の価格であり土地や家屋を所有している場合に発生する固定資産税の額を決めるための指標です。 したがって、所有する不動産の税金を計算する場合は、このルールを使用できます。
固定資産税評価額は、土地や家屋などの資産価値ごとに評価軸を定めた「固定資産評価基準」に基づいて算出されます。例えば、土地であれば土地の時価の約7割が固定資産税評価額の目安です。鑑定評価額は、土地が都市部か地方か、面積や形状、道路のつながり方などによって異なります。
さらに固定資産税評価額も3年に1回見直されます。最新の固定資産税評価税は、各市区町村の固定資産税台帳を閲覧するか、固定資産評価証明書を発行してもらうことで確認できます。
路線価を調べる
路線価とは、国税庁が毎年発表する地価のことで、相続税や贈与税の計算の基礎となります。路線価は、主要道路に面した住宅地の平米当たりの価格で算出します。
相続税に関する道路価格は毎年更新されます。宅地の平米当たりの価格は、市場実勢価格、公示地価、不動産鑑定士による鑑定評価額等をもとに、毎年7月にその年の1月1日時点で公表されます。
沿道地価には、相続税がわかる路線価と固定資産税がわかる路線価の2種類があります。固定資産税の地価は市区町村の管轄であり、相続地価とは異なりますのでご注意ください。
また、沿道価格は幹線道路に面した土地のみを調査しているため、すべての土地を調査しているわけではありません。
1.相続税の路線価
国税庁の管轄であり毎年7月を目途に発表している価格になります。
2.固定資産税の路線価
各市町村の管轄であり、3年に一回程度更新されます。
売り出し事例
近隣の土地がいくらで売られているかを知ることは、土地売却価格を決定するのに役立ちます。
不動産ポータルサイトを利用して、実際に売り出し中の土地情報を調べてみましょう。
なお、掲載されている土地の価格は、売主様のご都合による売却価格であり、相場よりも大幅に高い場合もあれば、逆に安い場合もありますのでご注意ください。仮にこの価格のみを参考にすると、相場よりも大幅に安い価格で売却される、永久に売れ残りになるリスクがあります。
また、これは希望販売価格であり、実際の売却価格ではないことに注意してください。
取引事例
売却ではなく、実際に取引が成立した取引事例であれば、より近い価格を知ることができます。
国土交通省が提供する土地総合情報システムでは、不動産の取引実績に関する情報を提供しています。 この情報は、国土交通省が登録情報をもとに不動産購入者を対象に実施したアンケートへの回答をもとに集計・公開しています。 全ての取引事例が掲載されているわけではありませんが、信憑性が高く、過去の情報が追跡できる点で優れています。
地価の変動要因
地価は一定ではなく、周辺環境や土地の特性によって変動します。決まった価格のない土地の値段はどのようにして決まるのでしょうか。ここでは、土地の価格を決定する際に考慮すべき5つの要素を紹介します。
利便性
利便性は、価格を決定するうえで非常に重要な要素です。モノの価値は需要と供給で決まりますが、土地は利便性が高いほど需要が高くなります。
利便性は、立地や周辺環境、発展度合など、生活に便利かどうかに関係します。多くの人が便利だと感じる場所や環境は、人それぞれ異なります。ただ、通勤しやすさや大型店舗の有無など共通して需要の高い条件が揃うと、比較的価格上昇が起こりやすくなります。
敷地面積
土地の広さも価格を決める重要な要素です。地価は、1平方メートル当たりまたは1坪当たりの価格で表示(1坪は畳2枚分、1畳は1.62平方メートル以上と定義されているため、1坪は約3.24平方メートル)されるケースが多くなっています。
敷地形状
土地の形状も土地の価値を決める要素です。土地を何に使うかにもよりますが、家を建てるために使う場合、家を建てるのに適した土地の形状や形状が価格に影響します。
土地の形状が正方形、長方形、またはいわゆる「長方形の土地」であれば、一般的な住宅の形状を踏襲しているので問題ありません。ただし、円形や「旗竿地」と呼ばれる土地の一部が突出しているなどの「不規則な土地」の場合、土地の大きさによっては家を建てることができず、地価下落の原因になることがあります。
形状のある土地は使いやすく需要が高いですが、デザインによっては不規則な土地も活用できます。異形の土地を売却する場合は、仲介する不動産会社に土地の形状を生かした建築計画を立ててもらえるか相談してみましょう。
方角
土地の向きも価格を決める要素です。日本では、日当たりや東西南北どの方向を向いているかを気にする人が多いです。
日光の当たり方や風水を考えると、東西南北に開けた、冬でも洗濯物が乾きやすい土地の需要が高く、東西南北の順に価格が高くなる傾向にあります。 .
土地を何に使うかは、土地の向きが重要です。日当たりの良い家を建てる、庭に菜園を作りたい場合は、南側の日当たりの良い場所が好まれます。
土地を売却する際は、不動産会社と戦略を立てて「その土地で何ができるか」を売り出すことが大切です。
景気変動
土地の向きも価格を決める要素です。日本では、日当たりや東西南北どの方向を向いているかを気にする人が多いです。日光の当たり方や風水を考えると、東西南北に開けた、冬でも洗濯物が乾きやすい土地の需要が高く、東西南北の順に価格が高くなる傾向にあります。
土地を何に使うかは、土地の向きが重要です。日当たりの良い家を建てる、庭に菜園を作りたい場合は、南側の日当たりの良い場所が好まれます。土地を売却する際は、不動産会社と戦略を立てて「その土地で何ができるか」を売り出すことが大切です。
地価の調べ方
それでは、最後に実際に公示地価、実勢価格、路線価格、固定資産税評価額を調べる方法を見ていきましょう。
公示価格
公示価格は、国土交通省のホームページ「土地総合情報システム」で確認できます。地図上で都道府県・市区町村で絞り込んだ後、地価情報や地価調査年度などを選択し、「検索」ボタンを押すと、該当する地価情報が表示されます。
実勢価格
現在の価格を調べるには、不動産取引価格情報検索サイトを利用しましょう。
不動産取引価格情報検索サイトは、国土交通省が不動産取引を行った人を対象に実施したアンケート結果に基づく取引情報データベースであり、実際の価格情報を閲覧することができます。土地だけでなく、土地・建物、中古マンションなどの実勢価格もご確認いただけます。
路線価格
ルート価格を調べるには、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を使いましょう。このサイトには、ルート料金を表示する方法に関する詳細な手順が記載されています。
なお、相続税の評価額を決定するための土地単価「相続税路線価」及び固定資産税の評価額を決定するための土地単価「固定資産税沿道地価」は、「全国資産評価制度研究センター 地価マップ」からご確認いただけます。
固定資産税評価額
固定資産税評価額の調べ方ですが、大きく3つの方法があります。
・課税明細書で確認する
家や土地をお持ちの人は、毎年送付される納税通知書に添付されている納税通知書で固定資産税の評価額を確認できます。
・固定資産課税台帳を閲覧する
地方自治体(東京都は都税事務所)で固定資産税台帳を閲覧し、固定資産税の査定額を確認することができます。
土地の売買時など、他人が所有する土地や建物の価格を知りたい場合は、固定資産税台帳ではなく、「縦覧帳簿」で土地や建物の価格を調べることができます。これには、固定資産税台帳の所有者の情報は含まれません。
・固定資産評価証明書をもらう
固定資産税台帳に登録された内容が記載された「固定資産評価証明書」は、自宅や土地の所在する地方自治体(東京都の税事務所など)の窓口で受け取ることができます。メールでの受け取りも可能です。
申請には本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、保険証等)が必要です。代理人が荷物を受け取る場合は、委任状を書かなければなりません。郵送の場合は返信用封筒も必要です。申請方法や手数料については、各市町村のホームページをご確認ください。
まとめ
土地の相場に関わる公示価格、路線価、固定資産税評価額などの概要と確認方法を解説しました。なお、ご紹介した各商品は実際の販売価格そのものではなく、あくまで参考値ですのでご注意ください。
なお、土地売却の際は信頼できる不動産会社に依頼することをおすすめします。
土地の相場を調査したうえで、不動産会社に土地を査定してもらい、じっくりと話し合いながら売却価格を決定します。 適切な売却価格を設定し、できるだけスムーズにお取引いただけるよう、信頼できる不動産会社を選択しましょう。