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2022.11.14

土地の購入

土地を購入するだけでは住宅ローンを組めない!?土地を購入するときでもローンを組む方法を紹介!

住宅を建築するためには土地が必要になります。
土地をすでに所有している人なら住宅を建築するだけですが、土地を所有していない人は住宅よりも先に土地を購入しなければなりません。
先に土地を購入すると言っても現金で土地を購入できる人はほとんどおらず、ローンを組んで購入します。

しかし、ここで大きな問題があります。
基本的に土地購入をするときには住宅ローンを借りることができないのです。
そのため、土地を購入するときには住宅ローン以外のローンを借り入れます。

本記事では、土地を先に購入するときに利用できるローンやそのローンのメリットやデメリット、土地を購入するために借りたローンは住宅ローンでどういう扱いになるのか解説します。

土地購入をするときには住宅ローンは組めない

住宅ローンは住宅を購入するために利用するローンのため、土地購入だけは住宅ローンを借り入れることができません。
住宅ローンが借りられるのは、住宅のみを建築・購入する場合や住宅と土地をセットで購入するときだけです。

土地を購入して住宅を建築することが決まっていたとしても、住宅ローンを組むことはできません。
その理由として本当に建物を建てるかわからないこと、土地だけでは建物分の担保が取れないことが挙げられます。

土地購入をするときに組めるローンがある

土地を先に購入するときは住宅ローンが借りられないことを説明しました。
それでは、土地購入をしてから住宅を建築する場合、土地購入の時点ではローンを組むことができないのでしょうか。

実は土地を先に購入する場合に利用できるローンが用意されています。
それがつなぎ融資と土地先行融資です。
ここからはつなぎ融資と土地先行融資について解説します。

つなぎ融資とは

つなぎ融資とは、土地購入費用や建物建築までに支払う着手金や中間金などを金融機関が一時的に立て替えるローンのことです。
そのため、建物が完成して住宅ローンが借りられるようになったら、つなぎ融資で借りた金額を住宅ローンの一部で全額返済します。

つなぎ融資は住宅ローンで返済することを条件としているため、つなぎ融資の審査をする時点で住宅ローン審査の内諾を取得している必要があります。

土地先行融資とは

土地先行融資とは、土地購入代金分のローンを先行して融資をして、建物が完成したときに建物建築費用分を追加して融資をする融資です。

つなぎ融資のメリットとデメリット

メリットとデメリットの看板

つなぎ融資を利用するときのメリットとデメリットを紹介します。

つなぎ融資のメリット

つなぎ融資を利用するメリットは次のとおりです。
・建物の着手金・中間金などにも融資を利用できる
・無担保で融資を受けることができる
・住み替えがスムーズにいく

つなぎ融資の最大のメリットは、建物の着手金や中間金にも利用できることです。

注文住宅を建築する場合は建物建築費用が高額になります。
そして、この高額な建築費用の支払いは完成後に一括で支払うわけではなく、着手金、中間金、残金などと数回に分けて支払います。
そのため、着手金や中間金は本来、現金などで支払わないといけません。

しかし、着手金や中間金を合計した金額の現金を持っている人は少なく、支払えない状態になってしまいます。
そこでつなぎ融資を利用し着手金や中間金を支払うわけです。

このように土地購入代金だけではなく、建物の着手金や中間金に対応できるのがつなぎ融資の大きなメリットです。

つなぎ融資のデメリット

つなぎ融資を利用するデメリットは次のとおりです。
・金利が高く2%以上になることがある
・つなぎローン借入は住宅ローン控除を適用できない
・工事期間が延長されると金利負担が多くなる

つなぎ融資のデメリットは金利が高いことです。

つなぎ融資は無担保ローンとして貸し出すローンのため、土地に抵当権を設定しません。
そのため、金融機関からするとローンを借りた人がローンを返せなくなったときのリスクが大きくなります。
リスクが大きい融資をする代わりに金利を高くするというわけです。

建物工事は意外と工事期間が延びることがあるため、延びた分の金利支払い負担が発生してしまいます。

また、住宅ローン控除が利用できないこともデメリットですが、そこまで大きなデメリットとは言えません。
その理由は建物完成後、土地購入代金と建物建築費用の合計分の住宅ローンを借りるからです。

住宅ローンですべての購入費用分のローンを組むわけですから、結局、借入金額全額の住宅ローン控除を利用できることになります。
デメリットと言えば、住宅ローン控除を利用できるタイミングが多少遅れることくらいです。

土地先行融資のメリットとデメリット

土地先行融資を利用するときのメリットとデメリットを紹介します。

土地先行融資のメリット

土地先行融資を利用するメリットは次のとおりです。
・つなぎ融資に比べ金利が低い
・ローン審査が1回で済む
・住宅ローン控除が利用できる

土地先行融資の大きなメリットは金利が低いことです。

土地先行融資は住宅ローンを先行して貸すような融資のため、住宅ローンに近い金利で借りることができます。
前述のように建築工事期間は意外と延びるケースがありますが、延びても金利が低ければそこまで負担は増えません。

土地先行融資のデメリット

土地先行融資を利用するデメリットは次のとおりです。
・土地融資時と建物融資時に抵当権を設定する必要があるため費用が高くなる
・取り扱っている金融機関が少ない
・建築プランの提出が必要になることが多い

土地先行融資のデメリットは融資費用がかかることです。

土地先行融資は土地を担保にして貸し出すローンのため、土地先行で融資する際に土地に抵当権の設定をします。
そして、土地に抵当権を設定するときには、登録免許税が課税されたり、司法書士への報酬が発生したりします。

登録免許税は借入する金額に対して税額が上昇していくため、土地購入代金が高くなればなるほど税額が上がります。

住宅ローン控除について

つなぎ融資と土地先行融資との比較を行う場合に知っておかなければいけないのが、住宅ローン控除です。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借り入れて不動産を購入・建築したときに住宅ローンの年末残高の0.7%分、所得税が控除される減税制度です。

例えば、住宅ローンの年末残高が3,000万円だった場合、3,000万円 × 0.7% = 21万円の所得税控除をその年に受けることができます。

住宅ローン控除は所得税控除できる期間や控除できる上限金額があり、適用するための条件もあります。
ここからは住宅ローン控除の控除できる期間や金額と適用する条件を紹介します。

住宅ローン控除の控除期間や控除可能上限金額

住宅ローン控除の控除期間や控除可能上限金額を表にまとめました。

住宅ローン控除の控除期間や控除可能上限金額の違い

住宅新旧等 住宅環境性能等 借入限度額 控除期間 控除割合
令和4・5年入居 令和6・7年入居
新築住宅
買取再販
長期優良住宅
低炭素住宅
5,000万円 4,500万円 13年間 0.7%
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他住宅 3,000万円 0円
既存住宅 長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円 10年間
その他住宅 2,000万円

表のように建築する住宅の環境性能や入居時期により、借入限度額や控除できる期間が異なっています。

住宅ローン控除適用要件

住宅ローン控除を利用するには、適用要件をクリアしている必要があります。
住宅ローン控除の適用要件は次のとおりです。

【新築住宅の適用要件】
・住宅ローン控除を受けようとする人が、住宅の引渡し日か住宅工事の完了から6ヶ月以内に住み始めること
・住宅ローン控除を受ける人の年の合計所得金額が2,000万円以下であること
・対象となる住宅の床面積が50平方メートル以上で、床面積の2分の1以上が自身の居住用であること
・※合計所得金額1,000万円以下で、2023年末までに建築確認を受けた新築住宅の場合に関しては住宅の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満でも適用可能
・対象となる住宅に対して10年以上借入期間がある住宅ローンがあること
・自宅として住み始めた年とその年前後2年を合わせた計5年の間に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと

また、住宅ローン控除を利用するときには、住宅ローンを返済し始めた月の属する年の翌年2月16日~3月15日までに確定申告をする必要があります。
そして、給与所得者の場合は2回目以降の住宅ローン控除は年末調整で行うことができます。
個人事業主など確定申告をしなければならない人は、2回目以降も確定申告で住宅ローン控除をする必要があります。

つなぎ融資と土地先行融資どちらが良い?

結論から言うと、つなぎ融資が良いか土地先行融資が良いかは借りる人や借りる額などによって異なります。

つなぎ融資は金利が高いものの費用は低く、反対に土地先行融資は金利が低いものの費用が高くなります。
また、つなぎ融資では住宅ローン控除を利用できず、土地先行融資では住宅ローン控除を利用することができます。
このように、つなぎ融資と土地先行融資は対極の性質を持つため、比較がかなり難しい融資です。

つなぎ融資と土地先行融資のどちらが良いのかは、ハウスメーカーやファイナンシャルプランナーなどの専門家と打ち合わせしながら判断していくようにしましょう。

まとめ

住宅ローンは土地購入するときには利用することはできません。
住宅ローンはあくまで住宅を購入・建築する場合か住宅と土地をセットで購入するときにしか利用できない融資だからです。

土地購入をするときに利用する融資は、つなぎ融資か土地先行融資を利用します。
しかし、つなぎ融資と土地先行融資は似ているように感じますが、実は内容が大きく異なります。
そのため、両融資の違いを知ってどちらの融資を利用するのか判断しなければなりません。

どちらの融資がお得に利用できるかについては、個人で比較することは困難なため、ハウスメーカーやファイナンシャルプランナーなどの専門家からのアドバイスを受けるようにしましょう。
自身に合った融資を受けることで、住宅建築がスムーズに進み、費用を抑えていくことができるようになります。

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