2022.05.11
土地の購入
土地購入で失敗したくない!土地を選ぶ際に注意したい5つのポイントを解説
土地の購入を検討する際は、希望する地域や面積だけに着目せず、土地の状態や建てられる建物の条件、周辺環境や自治体の特色など、多くのポイントを確認する必要があります。
その理由は、一見アクセスや形がよさそうに見える土地でも、一定の制限が課された土地の可能性があるためです。土地は広くても、実際には小さい家しか建てられなかったり、地盤の関係で追加工事が必要になったりといった失敗例をよく耳にします。
土地購入で失敗しないためには、土地売買を専門にした不動産会社に依頼し、どの土地が希望条件に合っているか調査・比較してもらうようにしましょう。最近では土地の調査や購入サポートだけでなく、購入後の家づくりについてのアドバイスや、資金計画を含めたライフプランの提案を受けられる不動産会社もあります。
土地を購入する際の注意点や着目ポイントはしっかりと頭に入れながら、専門家からの意見を取り入れるようにしましょう。
土地を購入する際の注意点5選
購入する土地を比較検討する際は、以下の5つのポイントを確認するようにします。
・家を建てられる土地か
・道路との接地状況と敷地の後退部分の関係
・境界線がはっきりしているか
・周りの環境の充実度
・インフラ設備は十分か
チェック項目が多いようにも感じますが、希望の場所や面積以外の部分も細かく確認しておくことで、家を建てる際に余計な費用をかけずに済んだり、ご近所とのトラブルを回避できたりします。それぞれ順を追って詳しく解説します。
家を建てられる土地か
土地を購入する際にはじめに確認すべきなのは、「住居を建てることを許可されている土地かどうか」という点です。購入を検討している土地が「市街化区域」にある土地であること、またその中でどの「用途地域」に指定されているかを確認する必要があります。
「市街化区域」とは、人が住みやすいように整えられた区域のこと。生活に必要な上下水道や電気といったインフラ、道路や公園といった公共施設が優先的に整備されています。一方で、市街化区域とは対照的に、農地や緑地の保全が優先される「市街化調整区域」は新しく家を建てにくい地域。家を建てること自体は禁止されていませんが、自治体からの許可が必要なケースが多いという点に注意が必要です。
市街化区域はさらに13種類の用途地域に分類されており、用途地域ごとに立てられる建物の種類(住宅、店舗、学校など)や大きさが定められています。建てたい家の大きさが決まっている場合は、その地域で建てられるかを確認しておく必要があるということを押さえておきましょう。
その土地に建てられる家の大きさを知るには、「建蔽率(けんぺいりつ)」と「容積率」に着目します。
「建蔽率」は、敷地面積に対する建築面積の割合、「容積率」は、敷地面積に対する延べ床面積の割合のことを指します。どの土地にも建蔽率と容積率が決められており、決められた範囲内の面積の家のみ建てることを許可されています。
例えば購入しようとしている土地が、敷地面積200㎡・建蔽率30%・容積率50%と定められている土地だとします。
この土地に建てられる家の大きさは、下記のようにして計算されます。
1階部分の最大面積(建蔽率):200㎡×30%=60㎡ 家全体の延べ床面積(容積率):200㎡×50%=100㎡ |
つまり、約60坪の敷地面積に対して、1階部分が約18坪、2階以上の部分を含めて約30坪の家しか建てられないということになります。「少し小さい土地だけど、敷地いっぱいに建てれば大丈夫!」という安易な考えで土地を購入してしまうと、必要な延べ床面積の家が建てられないということになりかねないのです。
そのため、気になる土地を見つけたときは、必ず「建蔽率」と「容積率」についても確認・計算しておくようにしましょう。
道路との接地状況と敷地の後退部分の関係
敷地と道路の接地状況によっては、購入した土地の面積のうち、敷地面積に含められない部分がある場合があります。この部分を「セットバック」と呼び、考慮せずに土地を購入してしまうと、当初想定していた面積の家が建たない可能性もあるのです。
建築基準法という法律により、家を建てる場合は、敷地と道路が繋がっている必要があります。(建築基準法第43条)具体的には、「4m以上の幅員のある道路に対して2m以上接していること」が求められます。道路の幅員が足りない場合は、道路の中心線から2m離れた位置まで幅を空ける必要があり、その分を敷地に含めることができないのです。
セットバック部分には建物は当然のこと、塀をはじめとした工作物も設置できません。購入した土地の面積に使用できない部分があることで、土地購入後に建てる家の広さや形状を変更する必要も出てきます。そのため、接道状況やセットバックが必要かどうかを、あらかじめ不動産会社または建築士に確認するようにしましょう。
境界線がはっきりしているか
家を建てる前に必ず確認しておきたいのが、隣の土地との境界線です。隣の土地との境界線がはっきりしていないと、近隣住民とのトラブルの原因になりかねないためです。
通常は家を建てる際に、「境界標」と呼ばれる境界線をはっきりと示すための目印が打ち込まれます。しかしながら、現場の状況によっては図面どおりに正しく打ち込まれていないケースも少なからず存在します。土地を購入する前には、図面と照らし合わせながら境界線を確認し、あいまいな部分や図面と異なる部分がある場合は、測量士と隣人に立ち会ってもらったうえで測量(境界確定測量)を行うようにしましょう。
周りの環境が充実しているか
土地を購入する際には、土地の状態以外にも、周辺環境や自治体の制度についても調べておくことも重要です。快適な生活を送るために、チェックしておきたいポイントを紹介します。
・交通アクセス
「家を建てたら車を買うから、駅から遠くても大丈夫」と考える人もいますが、お子さんが生まれて学校に通い始めたときに、駅やバス停が離れていて不便さを感じるようになったというケースもあるのです。通勤や通学の観点からも、長い目で見て交通アクセスのいい場所を選ぶようにしましょう。
・商業施設の充実度
近所にスーパーやドラッグストアといった商業施設が充実しているかというのも、土地を選ぶ際の重要なポイントです。近くに大きなスーパーがあるだけで毎日の買い物の負担が軽減されますし、図書館やアミューズメント施設があれば、家族で過ごす休日もより豊かになります。
・子育てに適した環境か
子育て世帯で家を建てる予定がある場合は、子育てに必要な環境や施設が整っているかという点にも注目します。学校や病院だけでなく、遊び場になる公園が近くにあると、のびのびとした生活を送れます。
また、曜日や時間帯によっても街の雰囲気は変化するという点も忘れてはいけません。治安のいい地域で安心して子育てをするためにも、さまざまな曜日・時間帯に足を運んで、街全体の様子を観察するようにしましょう。
・自治体の補助制度は充実しているか
学校制度・医療費補助制度・児童手当などといった福祉は、特に自治体による違いが大きく出るポイント。ゴミ出しルールに関しても、分別方法が大きく異なることも珍しくありません。現在暮らしている地域と新しく暮らす土地でどのような違いがあるのか、早い段階で把握しておくと、安心して新生活を始められるでしょう。
・インフラ設備は十分か
余計な費用をかけないためにも、土地の購入前に必ず確認しておきたいのがインフラ整備です。
例えば水道管。上下水道が通っていない土地を購入した場合は、水道管の設置工事が必要になったり、古い土地の場合は水道管の交換が必要になったりする可能性があります。また、下水道がない場合には浄化槽を設置することになり、定期清掃・定期点検といった維持のための費用が別途発生します。
インフラ設備の工事は高額な費用がかかるだけでなく、工事に時間がかかったりするため、当初計画していたスケジュールで家づくりが進まないことも。とはいえインフラ設備がないと生活ができないため、購入前には必ず不動産屋に確認するようにしましょう。
土地購入時の注意点:買ってはいけない土地の特徴とは?
土地を購入する際に、土地の現在の状態や特徴をしっかりと把握しておくことが重要です。あまりよく考えずに、「広いから」「立地がいいから」といった理由だけで購入してしまうと、あとで余計な費用がかかったり、理想とする家を建てられなかったりするためです。
なかでも特に「買ってはいけない」とされる土地の特徴は以下の5つ。
・いびつな形の土地
・高低差がある土地
・目の前に消火栓が設置されている土地
・抵当権が設定されている土地
・地盤が弱い土地
順を追って解説していきます。
いびつな形の土地
形がいびつな土地は、周辺相場と比べて安く購入できる点や、税務上の評価が低くなるため税率が抑えられるという点から、お得な土地といったイメージを持たれる人もいます。しかし、形がいびつな土地は建てられる家が限られてしまうのが実情。当初はハウスメーカーが手掛ける規格住宅で安く建てようと思っていたのに、最終的に設計事務所に依頼をして建築費用が高くついてしまった、ということも少なくありません。
こうしたトラブルを防ぐには、先に依頼するハウスメーカーに目星をつけておき、建てたい家のイメージや間取りを伝えてから、ハウスメーカーと相談しながら土地を決めていくほうが安心です。
また、将来的に土地を売却することを視野に入れている場合も、形のいびつさは土地の評価をするにあたって不利に働くという点も押さえておきましょう。
高低差がある土地
周囲と高低差のある土地も、家を建てる際に余計な費用がかかる可能性があるため注意が必要です。
周囲よりも低い位置に土地がある場合、雨水や地下水が流れ込んでくる可能性があります。そのため、盛り土によって地盤改良を行ったり、排水設備を設けたりした工事を行うのが一般的です。
また、隣の土地や道路との高低差が1mを超える場合、土が崩れるのを防ぐ擁壁(ようへき)工事の費用が割高になる傾向があります。
土地の購入価格だけでなく、こうした追加工事の費用を含めた総合的な費用を考慮するようにしましょう。
目の前に消火栓が設置されている土地
車を所有する予定のある人や、敷地内に車庫を作ろうと思っている人は、土地の前に消火栓が設置されていないかを確認しましょう。
道路交通法第45条第1項により、消防用機械器具や消防用防火水槽がある場所から半径5m以内には、駐車できないと定められています。そのため、消火栓の位置や消火栓からの距離を正しく確認せずに土地を購入してしまうと、車庫などの駐車スペースが作れない場合があるという点に注意が必要です。
抵当権が設定されている土地
抵当権が設定されている土地を購入する場合、引き渡しと所有権移転登記を行うまでに、抵当権を抹消してもらうことが重要です。
その理由は、ローンの返済が終わっていない状態の抵当権がついた土地を購入した場合、場合によってはせっかく購入した土地を失う可能性があるためです。
「抵当権」とは、住宅ローンなどの借入をする際に、金融機関が不動産を担保としている状態のことを指します。万が一債務者がローンの残債を返済できなくなってしまった場合に、担保である不動産を売却して得られた売却金額を、ローン残債の返済に充てることになります。
住宅ローンの返済が完了していれば、抵当権設定が残っている場合でもその土地を購入すること自体は可能です。しかし一方で、ローンの返済が完了していないうちに、抵当権付きの土地を購入してしまうと、売主がローンを返済できなくなった場合に、抵当権のついた土地が競売にかけられてしまうリスクがあります。
そのため、抵当権付きの土地を購入する場合は、売主側で抵当権の抹消登記をしてもらうことを条件とするのが一般的です。
ローンが残った状態の抵当権を抹消するには、まずはローンを全額返済することが求められます。ところが、売主がローン残債を完済できるほどの資金を持ち合わせていないケースがほとんどのため、土地の売却金額を返済に充てることになります。売主が売買金額を受領後、金融機関へローンを全額返済し、抵当権の抹消手続きをしますが、それらが全て土地の引き渡し前に行われる必要があるのです。
抵当権のついた土地を購入する場合、想像以上の手間とリスクが伴います。可能な限り抵当権のついていない土地に絞って検討するか、抵当権が設定されている土地の場合でも、ローンの返済状況と抵当権の抹消予定を早めに確認しておくのが賢明です。
地盤が弱い土地
災害の多い日本において、長く安全に暮らすためにも、地盤の弱い土地は避ける必要があります。
購入しようとしている土地の災害リスクをチェックするには、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」や、「地盤サポートマップ」で地盤情報を確認しましょう。
国土交通省『ハザードマップポータルサイト』
https://disaportal.gsi.go.jp/
ジャパンホームシールド(株)『地盤サポートマップ』
https://supportmap.jp/#13/35.6939/139.7918
また自身で調べることが難しくても、不動産の担当者に聞けば調べてもらえるため、購入しようとしている土地が安全な土地かどうかはしっかりと確認しておきましょう。
土地購入時の注意点:気になる点は契約前に必ず質問
土地を購入することによる失敗を防ぐには、気になる点や疑問点、わからないことについては必ず質問することが大切です。
土地を購入する際には、宅地建物取引士から口頭で契約内容の説明があります。その際に、購入する土地の詳細について最終確認をします。疑問点や確認しておきたい点を「まあいいか」と放置してしまうと、実は自分が希望していた家が建たない土地だったということになりかねません。
家を建てるにあたって必要な確認事項は、契約時までに把握しておくのが理想ですが、少しでもわからない部分があれば、必ず宅地建物取引士に質問するようにしましょう。
土地探しに失敗しないために「住まいの無料相談」を利用しよう。
現在ではインターネット上に多くの土地情報が掲載されていることもあり、すべてご自身で調べようとする人も多くいます。しかし先述のとおり、土地を購入する際はチェックしておく項目が非常に多く、また希望する家を建てられるかについても確認しながら、慎重に比較検討する必要があります。
そこで活用できるのが、株式会社スタイルシステムの「住まいの無料相談」です。
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