2024.05.27
コラム
大事な不動産の売却! 査定を受ける際の注意点
どんな時でもなるべく自身にとってマイナスなことは伝えたくないと思う人は多いのではないでしょうか。
しかし、契約の場面においては、信頼によって成り立つことが多いため、より誠実にことを運ぶ必要があると思います。特に住宅ローンを利用して購入することが多い不動産は高額になることもあり、契約時に様々な角度から調査し、購入希望者に予め報告する義務(重要事項説明書・物件状況報告書など)があります。
売主側、買主側それぞれが調査しますので、ほとんどの場合、マイナス要素も明らかにした(なった)うえで、契約をすることになります。例え、売る側がマイナス要素をうまくごまかして契約したとしても、後々に大きなトラブルに発展することは容易に想像できるのではないでしょうか。
ここでは、不動産の売却を行う際の注意点について解説していきたいと思います。
高額な査定には注意が必要
不動産を売却する場合には、ほとんどが不動産会社と媒介契約を結ぶことになり、査定を受けて買主が現われるのを待つという流れになります。
査定額は、媒介契約を結ぶ不動産会社によって若干異なることになりますが、どの不動産会社に頼んだとしてもだいたい同じくらいの金額になることが多いと思われます。これは土地の相場や周囲の取引事例を参考に算出されることが多いため、とある業者だけ著しく査定額が高いということはほとんどあり得ないと思われます。特段の理由もなく査定額が著しく高い査定を出した業者は、媒介契約を結ぶことだけを目的としている可能性がありますので注意が必要です。
不動産の売却は、契約して、引渡しが完了してはじめて売却者にお金が入るという仕組みになっているので、いくら査定額が高くても実際に売れなければ無意味です。したがって相場よりも高い査定額を出した業者と契約を結んだ場合、相場よりも高い理由が明確にないと、周囲の類似物件と比較検討され、売れ残ってしまうリスクが高くなります。売れずに時間だけが経過した場合、結局は値段を下げることになる場合がほとんどです。そういう販売戦略を取ってしまうと、市場には情報として既に出ているので、探している側には「売れ残り」の印象が強く残ってしまい、損をしてしまうことになりかねません。
3社から4社くらいに査定額を出してもらい、相場観を身に付けた上で、金額があまりに高い場合には利用を避けた方が無難でしょう。
査定に響くマイナス要因はきちんと伝える
不動産を査定してもらう場合、必ずマイナスにつながる要因であっても伝えておく必要があります。
金額がマイナスになると分かっていても伝えておくべき理由は、その後の利用者への配慮という点もありますが、知っていて伝えなかった場合は「告知義務違反」となります。その場合、購入者から修補請求や減額請求、損害賠償請求などのトラブルに発展しかねません。請け負った不動産会社もプロですので、ある程度は調査にて判明しますが、やはり売主にしか知りえない情報もありますので、お互いは気持ちよく取引きするためにも誠実に行動することがとても大切です。
査定の根拠や販売方針を確認する
査定額の根拠や販売方針は不動産の媒介契約を結ぶ際には非常に重要なものになります。特に販売方針については、まず売れなければ手元にお金が入りませんので、方針や計画がしっかりとしていないと売れ残ってしまうことになりかねません。
一般的に買い手がつきやすい物件(人気物件)であれば、販売価格さえ適正あれば、それほど苦労なく売却できるかも知れませんが、駅からの距離が遠かったり、土地の形が変形していたりなどのマイナスと思われる要因がある場合、または売却時期に制限がある場合などは、きちんと販売戦略を立て、担当者と二人三脚で売却活動を行うことをお勧めします。
査定額の根拠については、相場相応の適正価格であるのか、相場よりも安い場合、高い場合の根拠は納得できるものであるのかを、きちんと理解することが損のない取引をすることに繋がります。