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2024.03.18

コラム

24年度与党税制改正大綱

自由民主党と公明党は12月14日、24年度税制改正大綱を取りまとめ、公表しました。住宅・不動産分野においては、業界や国土交通省が求めていた項目はおおむね受け入れられる結果となりました。特に焦点となっていた「住宅ローン減税の借り入れ限度額維持」が一定程度認められ、主要団体の多くが重点要望の一つとしていた「土地固定資産税の負担軽減等」は現行措置を維持。一部措置の拡充や新制度創設は見送られたものの、その他の延長要望については基本的に現行措置を継続する方針が示されました。

住宅ローン減税は、新築住宅または買取再販住宅の取得時、各年末のローン残高の0.7%を所得税等から控除する負担軽減措置。現行制度では、借り入れ限度額を住宅性能に応じて3000万~5000万円としています。
この措置は、22年度税制改正で「24年以降入居の場合、省エネ基準適合以上の住宅は借り入れ限度額を引き下げ、その他の住宅は対象外」とすることと定めていました。一度は決定した減税幅縮小ですが、近年の住宅価格の高騰を受け、住宅業界は負担軽減の維持を強く要望しました。結果、政府の掲げる“子育て支援”方針の一環として、「子育て世帯」「若年夫婦世帯」に限って現行措置を維持する形で決着しました。
それ以外の世帯は、22年度の決定通り、「長期優良住宅・低酸素住宅」が4500万円(500万円減)、「ZEH水準省エネ住宅」が3500万円(1000万円減)、「省エネ基準適合住宅」が3000万円(同)へ限度額を引き下げます。また、いずれの世帯も「その他の住宅」は対象外となります。床面積要件については、1000万円の所得要件付きで現行の「40平米」を維持することとしました。
これらはいずれも1年限りの措置です。ただし与党は、25年度税制改正においても、今回と同様の方向性で改めて検討する方針を示しています。なお通常の既存住宅に関しては、現状は限度額引き下げ議論の対象外となっているため、24年以降も現行措置を継続します。
更に「既存住宅のリフォームに係る特例措置」については、現行措置を2年延長すると共に、子育て世帯向けに所得税控除の新たな特例措置を創設しました。この新措置はローン減税と同様に“子育て支援”の扱いで、適用期限は1年限りながら、25年度に同じ方針で再検討する予定です。

もう一つの柱となっていた「土地に係る予定資産税の負担調整措置及び条例減額制度」は、現行の措置・精度を3年間延長。国交省や住宅・不動産業界団体は、全国的に地価が上昇傾向にある一方、物価上昇も続いていることから、現行措置の縮小による経営者等の負担増は経済回復を阻害すると主張していました。
自民党の税制調査会では「政策的検討を要する(マル政)」して別途検討が進められていたものの、最終的には現行措置を維持。大綱では主に「負担水準の均衡化」と動機を説明しています。
新規措置では、「まちづくりGXの推進に向けた都市緑地保全の更なる推進のための特例措置」が創設されました。
その他、住宅・不動産業界による主な延長要望項目は、基本的に実現した様子です。
一部の例を挙げると、「住宅取得等資金に係る贈与税の特例措置」は、現行措置を3年間延長。「新築住宅に係る固定資産税の減額措置」「土地等に係る不動産取得税」「居心地が良く歩きたくなるまちなか創出のための特例措置」などは、いずれも現行措置の延長が認められました。

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