2023.08.12
コラム
40代独身…賃貸のままでいいの? プロローグ
賃貸か購入か…この話題は、永遠のテーマかのように、至る所で耳にします。
特に、仕事が安定し、収入や生活面で充実した日々を過ごす40代・50代ともなれば、生活の基盤である住まいについて、具体的に考え始める方も多いと思います。
『このまま賃貸で家賃を払い続けるのは損なの?』『老後も家賃を払い続けていくことができるの?』『そもそも老後の資金足りるの?』『働けなくなったらどうしょう』…など、
将来への漠然とした不安や疑問から、住まいの購入について考えるきっかけとなっているのではないでしょうか。
もっと単純に、今の住まいよりもより良い部屋に住みたいが、家賃と比較して、購入した方がお得なのでは?と、考えるひともいるでしょう。
この『40代独身…賃貸のままでいいの?』のコラムでは、同世代であり不動産会社で働く筆者が、ライフスタイルからの観点や、老後資金を見据えた観点など、様々な分野から、住まいの購入について、等身大で考えていくコラムです。
最初にはっきりとお伝えすると、賃貸か購入かの答えを、私から導き出すことはありません。
このコラムを通して、ご自身の状況と照らし合わせ、ご自身にとってのベストアンサーを導き出してください。
それではまず最初に、「そもそも賃貸のメリットとは?デメリットとは?」「購入のメリットとは?デメリットとは?」について考えていきたいと思います。
賃貸のメリット・デメリット、購入のメリット・デメリットとインターネットで検索すると様々な記事を目にします。
そのくらい関心度の高いテーマであることが伺い知れますし、このコラムの本題と言っても良いのですが、こちらのページでは、単純に万人に共通する内容として、それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。
賃貸のメリット・デメリット
まずは、賃貸におけるメリット・デメリットを考えて行きましょう。
◆気軽に住み替えられるのはメリットかデメリットか
賃貸のメリットは何といっても『気軽に住み替え』をすることができることです。
当たり前ですが、何かトラブル起こった時やライフスタイルが変化した時など、その時の状況に合わせて住み替えることができます。
さらに、賃貸物件は、人の入れ替わりも頻繁にあるので、住みたい街・好きな街での部屋探しにはそれほど苦労もないと思います。
ただし、あくまでご自身の所有物ではないので、いくら住み続けたいと考えても、状況によっては立ち退きに合うこともあり、永遠に住み続けられることを保証できるものではありません。
借りる側にとっては気軽な反面、将来を保証するほどの確固たるものはないと言うことです。
また、引っ越しのたびに初期費用や引っ越し費用がかかるのもデメリットと言えます。
内覧や引っ越し自体を面倒に考えるひともいるでしょう。
◆設備トラブル発生!
部屋での設備トラブルがあった際、オーナーや管理会社に相談すれば、すぐに対応してくれるところがほとんどでしょう。
通常の故障であれば、基本費用もオーナーが支払いますので、費用負担もありません。
時には新品と交換してくれることもあるので、常に快適に過ごすことができます。
ただし、ご自身の好きなようにリノベーションしたり、好きなメーカーのものに自由に交換することを許可している物件は、ほとんどないか、かなり少ないと言えます。
こだわりなく、手間なく、快適に過ごすには、賃貸は良いと思います。
◆費用面ではお得なの??
賃貸の場合、毎月決まった家賃以外の費用は基本かかりませんし、火災保険料も、ファミリータイプの物件でなければ、大体2年間で1万円前後から2万円程度で、割と手厚い保証が受けられます。
一見お得のようにも感じますが、現役で働き、収入もあれば、それほど負担に思わないかも知れませんが、現役を引退し、年金での生活となった時、現役同様の家賃を払い続けられるかと言われれば、難しくなる場合もあるようです。
家賃の軽減を考えて、引っ越しした場合でも、結局は初期費用や引っ越し費用などの余計な出費がありますし、そもそも高齢になればなるほど、部屋を借りる難易度もあがります。
家を購入するメリット・デメリット
それでは次に、家を購入するメリット・デメリットについて考えて行きましょう。
◆手元に資産として残る!
家を購入する最大のメリットは、『資産として手元に残る』ということです。
住宅ローンは借金として敬遠するひともいると思いますが、考え方を変えれば、資産形成する貯金のようなものとも言えるのではないかと、私は考えます。
最終的には形として自分の手元に残りますし、老後に住む家があるというのは、何にも代え難い安心感があるではないでしょうか。
ただし、賃貸の時の初期費用とは異なり、物件の契約時には、登記費用やローン保証料など、物件の価格にもよりますが、数十万単位~数百万単位で諸経費がかかります。
購入後も固定資産税やリフォーム費用の積立、マンションであれば管理費や修繕積立金は、所有し続ける限り一生かかります。
火災保険にしても、賃貸の場合は家財保険の加入のみでしたが、購入となると、建物を含めた全体の保険に入らざるを得ないので、賃貸よりも高額となります。
また、住みたい街に住む!と決めても、予算や物件の有無によっては、必ずしも希望の土地で物件が見つかるとは限りませんし、気軽に住み替えるというにはハードルが高くなります。
現在手元にある物件を確保しつつ、新たに物件を購入することができるひとであれば、そもそも賃貸か購入かで悩んではいないと思います。
大多数のひとが、住み替えるとなると、今ある物件を売って、新たに物件を購入するという流れが一般的です。
簡単に売れると良いですが…時間も手間もかかることを考えると、気軽に住み替え!とはいきません。
◆こだわりの詰まった部屋に!
家を購入すると、引き渡しを受けた時点から、すでにご自身のものとなりますので、
自由に間取りを変えたり、好きなメーカーのもので設備を整えることも可能です。
ただし、管理はすべてご自身で行うことになります。
故障や不具合が生じた際も、すべてご自身で解決しなければなりませんし、費用もすべて自分自身で持つことになります。
◆購入となると費用が心配…
先にも少し触れましたが、購入した場合、毎年の固定資産税や、火災保険料、リフォーム費用など、住宅ローン以外にも費用がかかります。
特にマンションの場合は、管理費や修繕積立金などがかかり、その金額も将来に渡って一定ではありません。
ただし、住宅ローン控除や住まい給付金、住宅取得等のための資金にかかる贈与税非課税措置など、様々な税制優遇もあるので、制度を賢く利用して、余計な費用をかけずに購入したいものです。
まとめ
それでは、結局のところ、賃貸が良いのか?購入するのが良いのか?当たり前ですが、答えは人それぞれです。
このページではあくまで一般的な内容でのメリット・デメリットをお伝えしてきました。
なんとなくのメリット・デメリットはわかったけれど、実際自分にとってのメリット・デメリットは何なのか。自分なりの答えを導くには、もう少し住宅購入について制度や情報などを知る必要があります。
次回からは、一番気になるお金の部分を掘り下げて考えて行きたいと思います。