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2023.11.18

不動産ニュース

23年7月の建築着工統計調査報告

国土交通省は8月31日、23年7月の建築着工統計調査報告を発表しました。それによると新設住宅着工戸数は、前年同月比6.7%減の6万8151戸で2ヶ月連続の減少となり、直近10年間(7月分)では最低水準となりました。統計を取り始めた1956年からの数値でも下から数えて10番目となりました。貸家については増加に転じましたが、持ち家と分譲住宅の減少が続いたためです。分譲住宅は二桁減と落ち込み幅が大きく、過去10年間で最低水準となりました。
新設住宅着工床面積は537.7万平米(前年同月比8.6%減)で、6ヶ月連続の減少となりました。着工戸数の季節調整済年率換算値は77万8000戸(前月比4.1%減)で、2ヶ月連続の減少となりました。国交省では「7月の月例経済では住宅分野を底堅いとしていましたが、8月公表分では概ね横ばいと下方修正した」と説明しました。
利用関係別では、持ち家は2万689戸(前年同月比7.8%減)で、20ヶ月連続で減少しました。直近10年間の7月分でも最低水準となり、昨年9月以来、月間の最低水準は11ヶ月連続となりました。同省住宅局では、「事業者からは、物価上昇、資材高騰を受けて消費マインドが低下し、受注の減少、着工の減少につながっているという声を聞く」と説明しました。
貸家は3万170戸(同1.6%増)と、2ヶ月ぶりに増加しました。同省では「工事の平準化の観点から着手時期を遅らせるところはある」としながらも「事業者からは法人からの引き合いは良く、需要は底堅いとの声を聞いている」と説明しました。
一方、分譲住宅は1万6979戸(同17.6%減)で、2ヶ月連続の減少でした。二桁台の落ち込みをみせ、直近10年間の7月分では最低水準となりました。同省では「5月には一度上昇に転じましたが、再度、減少が続き、当面はこうした横ばい状態が続くとみている」との見方を示しました。このうちマンションは5797戸(同28.0%減)となり、3ヶ月ぶりの減少となりました。同省では「マンションは大規模案件に左右される」と説明。エリア別では、中部圏で増加したものの、首都圏、近畿圏、その他地域で落ち込みました。
また、分譲戸建ては1万1066戸(同11.2%減)で、9ヶ月連続の減少となりました。同省では「土地の流通不足に加え、事業者からは物価上昇や資材価格の高騰で顧客の消費マインドが減少し、足元の販売が冷え込んでいるとの声を聞く」と説明しました。「当面回復の糸口が見えない減少傾向が続くとみている」と指摘しました。
また民間非居住用建築物の事務所、店舗、工場、倉庫の着工床面積については320万平米(同31.1%減)で6ヶ月連続の減少でした。直近10年間の7月分では最低水準となりました。月間の最低水準は2ヶ月連続です。使途別では事務所、店舗、工場、倉庫共に減少しました。業種別では情報通信業で前年比484.7%増と大幅な伸びを見せたものの、元々の利用面積の大きい不動産業用(同76.6%減)、宿泊業・飲食サービス業(同40.8%減)、卸売業・小売業(同36.8%減)等が落ち込んだことが響きました。

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